今回紹介するのは『アーガイルディッシュ』というドッグフード。オーストラリア産のプレミアムドッグフード ですね!
こちらは当サイトのInstagramにコメントを頂き執筆しています。今回の依頼内容はこちら。
当サイトの記事を読んで頂き、そこからInstagramでコメントを頂いた形です。こういうのは非常に嬉しいです。ブログって孤独な作業なので誰かの役に立っているのか不安になる時あるので・・・笑
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話を戻すと今回の依頼内容はアーガイルディッシュを与えている。品質には満足しているが値上げもあったので、切り替えを悩んでいる。アーガイルディッシュの評価、また切り替えるとしたら何が良いか?
ですね。ではまずはアーガイルディッシュというフードについて解説していきます!
愛犬の健康に直結するドッグフード。動物栄養学に関して素人が製品評価しても信用できないでしょう。私は大学では動物営業学を専攻。その流れで飼料メーカーに入社し毎日のように飼料の配合設計をしてきた実務経験があります。もちろんペットフード案件にも多数関わっています。なので安心して下さいね。
アーガイルディッシュの特徴|『認定』オーガニックフードとは何なのか?
ではまずアーガイルディッシュというのはどんなドックフードなのか??その特徴について解説していきます。
アーガイルディッシュの原産国はオーストラリアとなり海外製ドッグフードです。海外製ドッグフードには大きく分けて2種類あり、『海外現地でも売られているもの』、『日本の会社が海外で作って輸入しているもの』、この2つです。
要するに海外OEM商品かそうでないかです。OEMって言葉を知らない方はこちらの記事を読んでみて下さい。
アーガイルディッシュは『日本の愛犬、愛猫の生活環境や食習慣を考慮し作った、日本生まれ、オーストラリア育ちの認証オーガニックペットフード』と公式サイトに説明があるよう、海外OEMのドッグフードとなります。
ちなみに日本のOEMドッグフードはちょっと疑問に感じる事多いですが、海外製のOEMはわざわざ海外で作っているだけあって品質は非常に高いものが多いので安心して下さい。
そしてアーガイルディッシュの最も大きな特徴は『認証』オーガニックフードであるという事。この『認証』を説明する前にそもそもオーガニックって何か?そこを説明しておきます。
オーガニックとは『有機栽培』と同じ意味となり、要するに化学系の肥料や農薬は使用していない。って事ですね!
勘違いしやすいのですが、オーガニック=無農薬ではありません。有機肥料は使っています。有機肥料とは生物由来の肥料で動物の糞とか魚粉、米ぬかなど。
ドッグフードの原料における『オーガニック』ですが、米や麦類といった植物性原料。あとはオーガニックの飼料を与えられた家畜など動物性原料がそれにあたります。
で、アーガイルディッシュの『認定』オーガニックとは何なのか?それはドッグフード自体がオーガニックとして認定されているって事です。
ドッグフードの原料の一部だけオーガニック原料を使っている。それをやたらとアピールしているフードもありますが、アーガイルディッシュはそういうものとは異なります
ドッグフードのオーガニック認証を行っているのはオーストラリアのACO(Australian Certified Organic)という認証機関となりますが、認証される定義はこちら。
AOC認証定義
製品に使われる原料の95%以上が認定されたオーガニック原料、残りの5%には基準に準拠した天然由来成分
つまりアーガイルディッシュに使われている原材料の95%以上がオーガニック原料って事。なのでAOCからオーガニック認証を取得しています。
※ウィステリア・アダルトとエバーラスティング・シニアがAOC認証取得。グレヴィレア・アダルトはAOC認証取得していない。
ただ日本においてはペットフードにオーガニック認定はされないので、あくまでもオーストラリアで認証を受けている、って意味ですけどね。
オーガニックである事にデメリットはあるか?
オーガニック原料は安全性など非常に信頼が高いものとなりますが、やはり価格が高くなってしまうというのがデメリットですね。
あともう1つ重要なデメリットとして、使える原料に制限があるという事。
例えば最近のプレミアムドッグフードだとオメガ3脂肪酸のバランスについてよく考えられています。オメガ3脂肪酸とは青魚などによく含まれるEPA・DHAが代表格ですが・・・
オーガニックにこだわり過ぎるとこれをどうするか??みたいな問題が発生します。
植物性原料からもオメガ3脂肪酸は摂取できますが、主に亜麻仁(フラキシード)となり、これに含まれるオメガ3脂肪酸はαリノレン酸なので犬はあまり利用できないオメガ3脂肪酸。
養殖魚についてもオーガニック認証を取得する動きはヨーロッパなどではありますが、価格面で現実的ではない。天然魚となると・・・そもそもオーガニックではなくなる。
実際にアーガイルディッシュの商品ラインナップのうち魚を使用しているグレヴィレア・アダルトはオーガニック認証取得できていませんしね。
そういった制限があってもオーガニックをオススメするか?と問われると・・・これは飼い主さんによって考えがあるかと思いますが、そこまでこだわり過ぎる必要はないかな。と考えています。
アーガイルディッシュ ウィステリアアダルトの原材料品質・原料表示の情報量
当サイトの評価基準ですが6つの項目を採用し100点満点形式にて評価しています。詳しい評価内容を知りたいという場合はこちらの記事を読んでみて下さい。
→ドッグフードランキングサイトが信用できない理由|当サイトが信用されるよう取り組む事
アーガイルディッシュには成犬用『ウィステリア・アダルト』、シニア向けの『エバーラスティング・シニア』、エミュー肉を使用した低アレルゲンの『グレヴィア・アダルト』、この3種類があります。
今回のご依頼は『ウィステリア・アダルト』ですので、これを中心に解説していきます。
アーガイルディッシュ・ウィステリアアダルトの使用原料について(15点/15点)
アーガイルディッシュ・ウィステリアアダルトの使用原料はこちら。
使用原料
有機動物性タンパク質(ラム肉、牛肉) 、有機全粒シリアル(玄米、オーツ麦、白たかきび、ミレット、大麦) 、有機植物性タンパク質(ひまわり種子) 、オメガ3&6植物性オイル(フラキシードオイル) 、ブルーベリー抽出物、ユッカ、クロレラ、ビタミン&アミノ酸キレートミネラル(*1)
(*1)
ビタミン(ビタミンA、ビタミンB1、B6、B12、リボフラビン、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸、塩化コリン、L-アスコルビン酸、ビタミンD3、葉酸)、β-カロテン、アミノ酸亜鉛キレート、アミノ酸鉄キレート、アミノ酸マンガンキレート、アミノ酸銅キレート、ヨウ素酸カルシウム、塩化カリウム、亜セレン酸ナトリウム、アミノ酸類(アルギニン、トリプトファン、リジン、L-カルニチン)、タウリン、イオウ、クエン酸
動物性原料およびタンパク質源について
ドッグフードの原料表示にはルールがあり、配合割合の高いもの(重たいもの)から順に記載するルールがあり、一番最初に記載されているものを第一原料と呼びます。
ウィステリアアダルトの第一原料は『ラム肉・牛肉』ですね。第一原料が肉や魚といった動物性タンパク源というのは品質の良いドッグフードを見極める指標になります。
ただこれには注意点もあり、生肉の場合は水分を多く含むので重い。第一原料になるのは当然とも言えます。そしてドッグフード(ドライフード)は水分10%くらいに調整されますので、生肉に含まれる水分はほとんど飛びます。そうすると実質の栄養源として肉類の割合はそこまで多くない。これあるあるです。
ウィステリアアダルトについても実質の栄養素の肉類は少ないと思われます。理由はタンパク質が23%とあまり高くない事。あとは添加しているアミノ酸をみると肉類が多ければ添加する必要のないであろうものが多く使われている事。
つまりは肉類の次に記載されている玄米や麦類の割合が多いって事です。
別にこれは悪いって意味ではないのですが、やはり犬にとって吸収しやすいタンパク質は動物性由来のものとなります。愛犬の運動量が多く活発な性格なら肉類メインで高タンパクなフードを与えたい・・・そう考える飼い主さんは多いかと思います。
そういう場合は合っていないって事ですね。
ちなみにどうすれば動物性タンパク源を多く摂取できるのか?これは生肉だけでなく、肉をあらかじめ乾燥させ水分を飛ばした状態のものを原料として使用すれば解決します。そういうフードを求めている方は『アカナ』とかがオススメですね。
→アカナアダルトスモールブリードレシピ|小型犬で最もオススメなドッグフードはこれ!
あと『ひまわり種子』がタンパク源として記載されていますが、これはちょっとわからない・・・もちろんタンパク質も含まれてますが、どっちかというと種子に含まれるメインのものは脂質です。
脂質源について
次に脂質源についてですが、ウィステリアアダルトは『フラキシードオイル』が使用されています。これは日本語だと亜麻仁オイルですね。植物性原料ですがオメガ3脂肪酸が含まれているのでドッグフードだと定番の原料です。
ただ亜麻仁に含まれるオメガ3脂肪酸はαリノレン酸となり、犬が吸収しにくいもの。
理想的なのはEPA・DHAなど犬が利用しやすいオメガ3脂肪酸となるのですが、これは先に説明したようにオーガニックだからコンセプトに合わないので使えないのかな?と予想。
その他原料について
ブルーベリー抽出物:ブルーベリーに含まれるアントシアニンを抽出したものと思われる。目に良い成分として知られており、抗酸化作用も高い。
ユッカ:サポニンという成分が含まれている植物で便臭を抑える効果がある。
クロレラ:人間の健康食品としても定番。タンパク質、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれる。ただしクロレラの細胞壁(セルロース)は厚く、セルロースを分解する酵素(セルラーゼ)を持たない犬にとって意味あるのかな?とも感じます。
ちなみに人間もセルラーゼ持っていませんが、人の健康食品はクロレラの細胞壁を破砕し吸収性を良くしたものが使われていたりします。
使用原料についての総評
主原料が全てオーガニックの原料を使用。非常にこだわりが感じられます。ただオーガニックとするためにやや無理をしているような印象もあり、ここをどう考えるかは飼い主さんによって違ってくるかな・・・と感じます。
公式サイトにも『タンパク質、繊維、脂肪分のうちどれかを突出させることなく、バランスを整えていますので、そのままはもちろん、手作り食のベースフードとしてもおすすめしたい商品』と記載されていましたが、確かにトッピング前提だと使いやすいフードな気はします。
ちょっとマイナスな印象の文章になりましたが、使用原料に関して減点する点はありません。15点/15点としておきます。
アーガイルディッシュ・ウィステリアアダルトの原料表示の情報量について(10点/15点)
ドッグフードの原料表示は多いものから順に記載するルールがあります。ただし各原料が何%配合されいるかの割合までは記載する義務はありません。
アーガイルディッシュの原料表示も%表示はされていませんね。第一原料が『ラム肉・牛肉』なのは良いとして・・・それが何%入っているのか??
これがわからない。
ただアーガイルディッシュをフォローしておくと、ドッグフードによっては生肉を使用している事をやたらアピールして実際は大したスペックではない。とか、植物性原料に高タンパクな原料(大豆濃縮タンパクなど)を使用して見た目の栄養成分を良くしているものって結構あります。
そういうアピールの仕方していないので好感持てますけどね。
当サイトではこのように%表示されておらず必要最低限の記載しかない場合は10点/15点で評価しています。
アーガイルディッシュ ウィステリアアダルトの栄養成分値・バランス(20点/20点)
次に栄養成分について。保証成分はこちらとなります。
保証成分
粗タンパク質:23%以上、粗脂肪:10%以上、粗繊維:5%以下、粗灰分:7%以下、水分:11%以下
オメガ6脂肪酸:2.5%以上 オメガ3脂肪酸:0.5%以上
カロリー:340Kcal/100g
この通りタンパク、脂質については抑え気味な設計。
基本的に当サイトは栄養バランスについて満点評価となります(総合栄養食の場合)。犬にとっての最適な栄養バランスなんてものは存在しません。ライフステージや性格、飼育環境によって最適な数値は変わってきます。
例えば我が家はミニピン、イタグレ、ウィペットの3頭多頭飼いなのですが、どれも非常に運動量が多い犬種として知られています。実際によく走ります。
そんな場合はもう少しタンパク質、脂質が高めが良いな、って思いますが運動量がそこまで多くないなら十分な内容です。
ただし脂肪酸バランスについて。記載されているのは『オメガ6脂肪酸:2.5%以上 オメガ3脂肪酸:0.5%以上』です。これ自体は良いのですが、先ほども説明した通り、このオメガ3脂肪酸は亜麻仁由来ものですので、犬にとっては利用率があまり良くない。ここはちょっと気にした方が良いかもですね。
アーガイルディッシュは安全への取り組みを行なっているか?(15点/20点)
当サイトでは安全への取組について①アレルギーの対策、②安全性に関わる認証制度など取得しているか、この2点を特に重要視しています。
アーガイルディッシュはオーガニック原料を全体に対して95%以上使用。AOC認証取得も取得しており、これはアレルギーというよりは原料面での安全性ですがこれは十分評価できる内容です。
次に安全性に関わる認証制度。これは工場での安全性に関わる外部認証などを取得しているか?という事ですが、アーガイルディッシュって原料面では文句なく安全性にこだわっていますが、製造面での情報がないのは残念ですね。
ちなみに安全性に関わる認証取得で非常に高いレベルなのは【ブラバンソンヌ】というベルギーのフード。興味がある方はこちらの記事も読んでみて下さい。
評価に関しては原料面の安全性へのこだわりが飛び抜けているので15点/20点としておきます。
アーガイルディッシュの製造方法について(5点/10点)
当サイトはドッグフードをどのように製造しているか?これについても重要視しています。
ただ製造方法について公式サイトには特に記載されてませんでした。ただ私は飼料メーカーで働いていた経験がありますので、粒をみた感じだと油外添していないEPだと思われます。
ドッグフードの一般的な製造方法であるエクスルーダー による製造。そして油を外添していないタイプ。わかりやすく言うとオイルコーティングなし、ってやつですね。
このオイルコーティングについては色々と言いたい事あるのですが・・・興味のある方はこちらの記事を読んでみて下さい。
→【みらいのドッグフード】腎臓など療法食として人気があるが本当に良いフードか?
当サイトではエクストルーダーで製造している場合、基礎点として5点。その他何か工夫した工程などあれば加点しています。アーガイルディッシュについては5点評価としておきます。
アーガイルディッシュは人工の酸化防止剤・着色料を使用していないか(10点/10点)
これについては問題ありません。ここまで使用原料にこだわっているのであれば危険と言われている人工の添加剤は使用していませんね。
ただ一応お伝えしておくと、アーガイルディッシュに使われている酸化防止剤で『クエン酸』があるのですが、クエン酸を使用している場合、水でふやかしてはいけません。
理由は胃捻転・胃拡張のリスクが高まるから。これは学術論文にも掲載されています。
→Risk Factors for Canine Bloat
プレミアムドッグフードではクエン酸使われているケースが多いので、注意して下さいね。
アーガイルディッシュはスペックに見合った価格であるか?3点/10点
最後に価格について。当サイトでは単純な価格ではなく、スペックに見合った価格なのか?これを考慮して採点しています。
正規販売店価格を見てみると・・・
ウィステリア・アダルト | 800g包装 | kg単価 |
800g包装 | 3,162円 | 3,952円/kg |
2kg包装 | 6,223円 | 3,116円/kg |
4kg包装 | 10,474円 | 2,618円/kg |
8kg包装(4kg×2) | 19,050円 | 2,381円/kg |
12kg包装(4kg×3) | 27,197円 | 2,266円/kg |
16kg包装(4kg×4) | 34,332円 | 2,146円/kg |
オーガニック原料がどこまでコストを高くしているかは分かりませんが、このスペックでこの価格はちょっと高いかな・・・という印象ですね。
アーガイルディッシュ総合評価は78点!もし他のフードに切り替えるなら??
アーガイルディッシュの当サイト総合点は78点となりました!
正直このフードに関しては評価しにくいフードです。どこまでオーガニックにこだわるか??これで見方が変わってきます。オーガニックという点では文句の付けようがないフードですが、それを抜きにするとちょっと物足りない気も・・・
さて今回のご依頼はアーガイルディッシュの品質ともし切り替えるなら良いものは??って内容です。これについても回答しておきましょう。
まずオーガニックにこだわるのであれば『ヤラー 』というフードをオススメします。理由はオランダ、フランス、ドイツの3ヵ国でオーガニック認証を取得している事。
そしてアーガイルディッシュではやや心配があったオメガ3脂肪酸供給源について、ヤラーの場合、乾燥ニシンと魚油が使われているのでその点クリアしている事(乾燥ニシンと魚油はオーガニックではなくMSC認証という持続可能を意味する認証を受けています)
若干スペックがヤラーの方が上ですが、この程度の差なら特に問題ないかなと思います。価格は同じくらいか若干ヤラーの方が高いですけどね。
次にコストを抑えたい場合・・・品質が良くてアーガイルディッシュのようにシンプルで比較的栄養成分値が近いものとなると・・・ハッピードッグのミニライト(低脂肪)とかですかね。オーガニックではありませんが、これなんか検討する価値あるかと。
国産のプレミアムドッグフードなら同じような成分値のものはありますが・・・あまり国産のプレミアムドッグフードはオススメしていませんのでやめておきます・・・笑
では今回はこの辺で。こちらに当サイトで評価の高かったフードをまとめたランキング記事を作成しています。フード選びに迷ったらこちらもぜひ参考にしてみて下さい。
→ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています