今回紹介するドッグフードは『マックアダムズドッグフードチキン』です!
このフードはモグワンとかを販売しているレティシアンが販売元ですね。ペロリコというフードを紹介した時にレティシアンについて考えを書いてみたのですが・・・最近のレティシアンやるな!って思っています・・・笑
→低タンパク・低脂肪ならペロリコドッグフードを検討するのはアリ!
マックアダムズドックフードは値段ははっきり言って高いです。ですが製造方法・使用原料などを見るとその価格も納得できる。価格は置いておいて品質面に全振りした、そんなフードですね!
マックアダムズドックフードはこんな方にオススメ
- コスパ度外視でとにかく良いフードを与えたい
- 偏食傾向がありフード難民
- 愛犬がそこまで運動量多くない小型犬である
今回はそんなマックアダムズドックフードについて徹底解説していきます!
マックアダムズの大きな特徴である『使用原料』と『製造方法』について解説
いつものように使用原料や保証成分から評価する前にマックアダムズの特徴について解説しておきます。
今の海外プレミアムドッグフードの主流は生肉も使用するが同時に乾燥原料(ミールなど)も使用してある程度高タンパクな設計にする。製造する機械はエクストルーダー、ざっくりですがこんな感じです。
この方法はデメリットもあるが、トータルして考えると品質・コスパに優れているので多くのメーカーが方法でドッグフード製造しています。ですが今回紹介するマックアダムズはそれとは全く異なった方法で作られたフード。
コスパは悪くなるけどより品質面に特化させた、そんなフードです。
ドッグフード1袋に対して2羽分の放飼チキンを使用した贅沢な配合内容(原材料のうち50%が鶏肉)
マックアダムズは偏食、食いムラがあるワンコにオススメしているだけあって嗜好性が高くなるような配合設計になっています。
特筆すべき点はやはりフード1袋に対して2羽分の丸鶏使用って点ですね!原材料全体に対して50%が使用されています。こちらがマックアダムズの原材料表示なのですが・・・
原材料表示
放し飼いチキン丸鶏50%、サツマイモ、タピオカ、エンドウ豆タンパク、チキンオイル3%、ビール酵母、チキングレイビー2%、エンドウ豆繊維、レンズ豆、サーモンオイル0.6%、セルロース、フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、マリーゴールド、ユッカエキス、海藻、オレンジ、緑イ貝、カモミール、ニンジン、クランベリー、ローズマリー、ホウレンソウ、トマト、ラベンダー、ミネラル類(亜鉛、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、セレン)、ビタミン類(E、A、D3)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)
これだけ多くのチキンが入っていればワンコもそりゃ美味しい。ただし保証成分を見てみると・・・
保証成分
タンパク質:17.50%以上、脂質:11.50%以上、粗繊維:5.25%以下、灰分:9.56%以下、水分:9%以下
オメガ6脂肪酸:2.7%、オメガ3脂肪酸0.4%
カルシウム:1.2%、リン0.6%
カロリー361.5cal /100g
成分値について詳しい解説は後でするとして・・・これだけ多くのチキンが配合されているのにタンパク値が案外少ないと思いませんか??
この理由が使用されている動物性タンパク源・・・つまりチキンが生肉だからです。
生肉オンリーだとドッグフードとして加工した際にほとんどの水分は蒸発しますので、生肉由来のタンパク質は実は意外と少ない、これがあります。
海外は高タンパクが人気ですからね。生肉は原料として良いし、イメージも良い。だけどタンパク値が維持できない。そのため乾燥原料(ミール)を使用する事によってタンパク値を調整している事が多いです。
似たようなコンセプトのフードで『ビルジャック』ってフードがあります。これのアピール文が『約2.3kgの新鮮な鶏肉が2.7kgのフードに使われています』なのですが、これなんかも生肉オンリーでなくチキンミールを使用してタンパク質を補っていますからね。
→【ビルジャック】は安全なドッグフードか?配合設計のプロが徹底解説
冒頭で『愛犬がそこまで運動量多くない小型犬』にオススメと書きましたが、その理由がタンパク値です。マックアダムズはミールによるタンパク補強をしていないのでタンパク値だけ見れば決して高いとは言えない。
例えば当サイトの看板犬ウィペットのごまちゃん・・・ずっと走り回っているワンコですがこういうのには向かない、って事ですね。
逆に言えば海外性プレミアムドッグフードは品質面は良いと思うが、スペックが高すぎてちょっと・・・と感じている飼い主さんも多い。そんな場合は試してみる価値あるかと思います。
製造方法がオーブンベイク製法という点!エクストルーダーとの違いを解説
最近の海外プレミアムドッグフードはエクストルーダーという機械で製造されている事が多いですが、マックアダムズはそれとは異なりオーブンベイク製法が採用されています。
それが品質にどう影響するのか??これを解説していきますね。
まずエクストルーダーってのはこんな機械。
混ぜられた原料がスクリューによって押し出されて造粒(ドッグフードの粒の形にする)、そんな機械です。お菓子のカールもこれで作られています。
エクストルーダーの利点はまず『時間あたりの生産能力が高い』事。これによって製造コストを下げる事ができます。次にスクリューで押し出される過程で高温高圧になります。その際にデンプンのα化が起こるので犬にとって消化しにくい原料でも消化しやすくなる。お米を例に図解で説明するとこんな感じ。
あとはスクリュー内の高圧状態から外に押し出されると普通の気圧(1気圧)になります。その圧力の変化によって膨らみます。その時に内部の水分が外に飛び出すので無数の小さな穴は発生する。
この穴を利用して内部にオイルを浸透させる事ができる、って点ですね。海外性プレミアムドッグフードってサーモンオイルなど魚系のオイルが使用されている事多いじゃないですか?あれらはオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)供給源として使用されていますが、熱にものすごく弱い。
最初から原料に混ぜちゃうと熱でダメになっちゃう。なので粒にした後でこの穴を利用して後添加しているって事ですね。
こう聞くとエクストルーダー凄いじゃないか??って思うかもしれませんが、デメリットもあります。高温・高圧になるのでタンパク質の劣化などがそうです。
一方でマックアダムズの採用しているオーブンベイク製法は規模は違ど家庭でのオーブンで調理しているのと同じです。エクストルーダーに比べて低温になるので栄養素の劣化が少ないのが魅力。
その代わり時間あたりの生産量は圧倒的に落ちるのでコスパは悪くなるし、エクストルーダーのように穴がないのであまり多くのオイル添加が不可能。脂質の値を上げにくい。などデメリットもありますが・・・
当サイトではドッグフードの価格についても重要な要素と考えています。コスパを考えればエクストルーダーは非常に優秀ですが、品質だけを考えた場合、オーブンベイクの方がやっぱ強いかな。そんな感じですね!
冒頭にコスパ度外視でとにかく良いフードを与えたい方にオススメとしたのはこれが理由です。
オーブンベイク製法を採用したフードだとロータスってのが人気ありましたが、あれ鳥インフルエンザの関係で日本に輸入できなくなりましたからね。オーブンベイクのフード探している方にもオススメです。
マックアダムズの原材料品質・原料表示の情報量(30点/30点)
ではここからはいつも通り使用原料や原料表示を見て評価していきましょう!
マックアダムズの使用原料について(15点/15点)
こちらがマックアダムズの原料表示になります。
原材料表示
放し飼いチキン丸鶏50%、サツマイモ、タピオカ、エンドウ豆タンパク、チキンオイル3%、ビール酵母、チキングレイビー2%、エンドウ豆繊維、レンズ豆、サーモンオイル0.6%、セルロース、フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、マリーゴールド、ユッカエキス、海藻、オレンジ、緑イ貝、カモミール、ニンジン、クランベリー、ローズマリー、ホウレンソウ、トマト、ラベンダー、ミネラル類(亜鉛、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、セレン)、ビタミン類(E、A、D3)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)
動物性原料およびタンパク質源について
ドッグフードでは配合量の多い順に原材料を記載するルールがあり、最も最初に記載されているものを『第一原料』と呼びます。マックアダムズだと放し飼いチキン丸鶏(50%)が第一原料ですね!
マックアダムズは穀物不使用のグレインフリーのフードとなり、豆類が多く使用されています。豆類からのタンパク供給もあるにはあるでしょうが、チキン50%も使用していますのでほぼほぼ動物性由来のタンパク質になっていると判断して良いかと思います。
『チキングレイビー』がわかりにく原料かなと思いますが、これはチキンの肉汁ですね。嗜好性を上げる効果が期待できます。
偏食克服するフード!!とアピールしているマックすアダムズですが、納得できる内容かと思いますよ!
脂質源について
次に脂質源について。先に説明しましたが、このフードってオーブンベイク製法を採用しているのでエクストルーダーで作られたものに比べてオイル添加がしにくい形状となっています。
サーモンオイルが使用されていますが、0.6%と微々たる量ですよね。
ここで問題となるのがオメガ3脂肪酸供給をどうするか?です。
マックアダムズがかなりオススメできるフードと言えるのがこの点で、オイル添加には限界があるので海藻、緑イ貝を使用して原料面でこれをカバーしている。この工夫が素晴らしい。緑イ貝ってのはこんなやつです。
ドッグフードはオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸のバランスが非常に重要。オーブンベイクにするとここが難しいかな、と感じていましたが公開されている成分値(オメガ6脂肪酸:2.7%、オメガ3脂肪酸0.4%)を見ると悪くない。
脂質源に関しても工夫も感じられ非常に良いと評価できます。
その他原料について
その他はプレミアムドッグフードとして定番の原料ですね。フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖など腸内環境を整えるプレバイオティクスにも考慮されているし、単純な食いつきだけを追求するのではなく、全体的なバランスも良く整えられ非常に良い配合設計だと感じます。
マックアダムズ原材料表示の情報量について(15点/15点)
ドッグフードの原材料表示は使用割合の多いものから記載するルールがありますが、各原料が何%配合されているかまで記載する義務はありません。
もう一度マックアダムズの原料表示を見てみると・・・
動物性原料について何が何%入っているかしっかり記載されています。これは素晴らしいですね!
%表示しなければ見た目だけ良い感じの原料表示って簡単に作れます。なぜなら私は飼料会社で配合設計してて原料表示も作っていましたからね・・・売れやすい(消費者ウケが良い)表示ってやっぱりあるんですよ・・・
%表示すると誤魔化すのは非常に困難になります。マックアダムズについては誤魔化しのない非常に良い内容だと思いますよ。その代わりお値段お高めですけどね。
マックアダムズの栄養成分値・バランス(20点/20点)
次に栄養成分について。保証成分はこちらになります。
保証成分
タンパク質:17.50%以上、脂質:11.50%以上、粗繊維:5.25%以下、灰分:9.56%以下、水分:9%以下
オメガ6脂肪酸:2.7%、オメガ3脂肪酸0.4%
カルシウム:1.2%、リン0.6%
カロリー361.5cal /100g
当サイトでは基本的に栄養成分値に関しては満点評価にしています。養殖・畜産の業界は同一環境で飼育されるのでベストな栄養成分ってのはあります。わんこは同一犬種であっても性格や飼育環境が違いますからね。ベストな栄養成分ってのは飼い主さんが見つけてあげるしかない、そう考えています。
このフードはそこまでタンパク値が高くなく、脂質も抑えめな設計。あとフードのサイズは小粒なので、『そこまで運動量が高くない小型犬向け』のフードですね。
脂肪酸バランスも考慮されており、内容は良いと思いますよ!
マックアダムズは安全への取り組みを行なっているか?(10点/20点)
当サイトでは安全への取組について①アレルギーの対策、②安全性に関わる認証制度など取得しているか、この2点を特に重要視しています。
マックアダムズについてアレルギー対策は・・・特別ないですかね?グレインフリーのフードではありますが、今ってプレミアムドッグフードだとグレインフリーorグルテンフリーのものばかりですし特別評価を上げるものではないかな、と考えています。
主原料がチキンだけってのが少し残念。主原料が異なる商品ラインナップがもう少しあれば最高ですね!
次に安全性に関わる認証制度について。マックアダムズ公式ページでは製造している工場について『欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)の厳しい基準をクリア』と記載されていますが、もう少し情報が欲しいところ。
レティシアンは自社工場ではないので、この辺りの情報量がちょっと少ないってのが若干弱いですね。
ただマックアダムズって過去に紹介したペロリコ、そしてあの有名なモグワンを製造している工場と同じである事は間違い無いです。これはレティシアンが明言している訳じゃないのですが確信しています。
工場に関する説明文が同じ・・・ってのもありますが、その理由はミネラルのプレミックスが同じだから。
ミネラルプレミックスってのは原料表示のライン引いた部分になります。
放し飼いチキン丸鶏50%、サツマイモ、タピオカ、エンドウ豆タンパク、チキンオイル3%、ビール酵母、チキングレイビー2%、エンドウ豆繊維、レンズ豆、サーモンオイル0.6%、セルロース、フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、マリーゴールド、ユッカエキス、海藻、オレンジ、緑イ貝、カモミール、ニンジン、クランベリー、ローズマリー、ホウレンソウ、トマト、ラベンダー、ミネラル類(亜鉛、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、セレン)、ビタミン類(E、A、D3)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)
ミネラルとかビタミン関連って事前に混ぜられたものを使用するんですよ。これをプレミックスって言います。その方が効率良いし、均一に混ざるからですね。で、同じ工場で製造されたものは同じプレミックスであることがほとんど。いちいち違うプレミックス用意するのは大変ですからね・・・
オーブンベイクってその効率の悪さから小規模な工場がやっているイメージがありますが、マックアダムズは品質管理がしっかりしたそれなりの規模がある工場で製造されている、そう判断して良いかと思います。
採点としてはペロリコを10点/20点にしていますのでそれに合わせておきましょう。
マックアダムズの製造方法について(10点/10点)
当サイトはドッグフードをどのように製造しているか?これについても重要視しています。
既にエクストルーダーとオーブンベイクの違いは説明したので詳し説明は割愛しますが、ある程度規模のある工場なのにオーブンベイク製法をやっているのが驚き。今後もっとオーブンベイクのフードを展開していく事に期待ですね!
ちなみに当サイトではエクストルーダーで製造されたフードは基礎点5点で採点しています。そこから独自性や工夫などあれば加点しています。マックアダムズはオーブンベイク製法。技術的な視点で見ればエクストルーダーに軍配が上がりますが、品質面でみるとオーブンベイクの方が強い。
と言うかドライペレットならオーブンベイク以上っておそらくない。ここは満点評価にしておきましょう!
マックアダムズは人工の酸化防止剤・着色料を使用していないか(10点/10点)
これについては問題ありませんね。酸化防止剤で使用されているものはローズマリー抽出物、ミックストコフェロールで自然由来のもの。意味のない着色料なんかも使われておりません。
信用して大丈夫です。
マックアダムズはスペックに見合った価格であるか?5点/10点
最後に価格について。当サイトでは単純な価格ではなく、スペックに見合った価格なのか?これを考慮して採点しています。
マックアダムズの価格はこちら・・・
価格(税込) | kg単価 | |
定価 | 8,228円/2kg | 4,114円/kg |
定期購入割引(最大20%OFF) | 6,582円/2kg | 3,291円/kg |
高いですよね・・・笑
使用している原材料や製造方法を考慮すれば値段が高くなるのは理解できますが・・・あまり一般的にはオススメしにくいお値段ではある。
冒頭でも言いましたが、『コスパ度外視でとにかく良いフード』を求めている方向けですね!品質は間違いなく良いと思いますよ。
点数は悩みに悩んで真ん中の5点/10点にしておきました。
マックアダムズの総合評価は85点!価格がネックだが品質良いのは間違いない
さてマックアダムズの総合評価としては85点となりました。
価格はオススメできませんが、品質が良いことは間違いない。
ただね、わたしこのフード結構売れるのではないか?と思っています。と言うのも当サイトではドッグフードに関するお悩み相談をしているのですが、値段はどうでも良いから品質が良いフードを知りたいって方結構います。
さらに言うと世の中には変なフードが溢れていて・・・ドッグフードって値段と品質が比例していない。高すぎるフードって変なもの多いです。
中身大した事ないのに誇大広告なものが非常に多い。そして愛犬に可能な限り品質が良いものを!って考えの飼い主さんが意外と引っかかる・・・
マックアダムズ良いと思いますよ。高いけど品質が伴っているフードって案外珍しい。気に入らなければ開封後でも返金保証があるようですし、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。
あとタンパク値が低くてちょっと・・・って方はK9とかZIWIを少しトッピングすると良いかも?オススメはK9のグリーントライプですかね。フリーズドライでしか摂取できない酵素を取り込めます。トッピングする事によってタンパクと脂質を強化、、、弱点のないフードになりますね!
どっちにしろお値段高けど・・・
では今回はこの辺りで。当サイトではドッグフードに関するお悩み相談を受け付けています。もちろん無料でやっています。ありがたい事に最近多数のご依頼頂いており、ちょっと時間頂く場合もありますが可能な限り対応します。お気軽にメッセージ下さい。
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