今回紹介するドッグフードは『Nutram(ニュートラム)』、原産国はカナダですね。
このフードを製造しているnutram社(https://nutram.com/ca/)自体は1993年設立とそこそこ歴史のある会社ですが、日本に販売代理店がない。そんな中、大阪梅田・京橋で英会話教室を4校運営している株式会社CLOCKが総代理店契約を締結し、3月30日(土)から自社サイトにて販売開始。
昔は有限会社ニュートラムジャパンという会社から販売されていたようですが、今はない。そして今回、株式会社CLOCKから再販売される・・・つまり『日本再上陸』と報道されています。
→https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000121184.html
で、ニュートラムなんですが良いですね。久々に期待できるフードが販売されたな、という印象。私はドッグフードオタクなので日本で新発売されるものに関してはある程度チェックしています。
国産のプレミアムドッグフードに関しては『またか・・・』と言いたくなるようなOEMの中身に対して高すぎるフードばかり。海外製も良いフードはあるのですが、あえてそれをオススメするほどでもないかな、って感じ。実績あるフードはいくらでもありますからね。
ニュートラムに関しては検討する価値が十分あるな、と。
ではそんなニュートラムについて解説していきます。
ニュートラム・ドッグフードの特徴と販売代理店である株式会社CLOCKについて
ドッグフードの中身を見る前にニュートラムの総代理店となる株式会社CLOCKについて見ていきます。
この株式会社CLOCKがニュートラムを販売するようになった経緯はプレスリリース内でこのように紹介されていました。
輸入総代理店となる株式会社CLOCK(本社:大阪市)は、これまで大阪梅田・京橋で英会話教室を4校運営していました。コロナ禍における売上減少の影響が長引き、起死回生の打ち手を模索していたところ、代表の飼い犬への愛情が高じて、ダメ元で海外の様々なペットフード・ペット用品メーカーにコンタクトを取っていました。偶然見つけたカナダのペットフードメーカーはなんと、在籍していた英会話講師の自宅から車で10分の所に位置しており、思い切ってアポイントを取ったところ現地担当者と意気投合しました。
海外製プレミアムドッグフードは2つのパターンがあって、①海外で製造されているものを日本に輸入する。②日本向けに考えたレシピを海外の工場に製造委託、日本に輸入。このどちらかです。
ニュートラムは①のタイプで、カナダで製造販売されているフードをそのまま日本に輸入する感じですね。ニュートラムのカナダHPはこちらになります。
ちなみに②のタイプは要するに海外OEMで馴染み深いものだと『ソルビダ』とか『キアオラ』なんかがそうですね。あれらは日本の会社が製造委託しているだけなので原産国に公式HPは存在しません。
株式会社CLOCKはあくまでも英会話教室を運営している会社ですので、ペットフードに関する知識がある訳じゃない。なのでOEMで自社ブランドを立ち上げるよりも、海外で既に実績あるブランドを輸入する。これは良かったと感じます。
ただ一方で表現が気になる点もある。それがここ。
国内のペットフード市場は、ドッグフードは食品ではなく雑貨という扱いになります。そのため、裏面の原材料表示を見ると曖昧な記載がされていることもあります。大切な家族の一員とも言える愛犬のために、飼い主様が安心して食べさせてあげられるように、当社製品の原材料は細かく表示されており、入っていて欲しく無い添加物などは一切入っていません。そもそも世界では、日本より規制が厳しいので、世界基準ではこれが当たり前です。安さや食いつきだけで選ぶのではなく、飼い主さんが愛犬のために賢い選択をできるように学ぶことが大切だと思います。
書いている事は正しいと言えば正しいのですが、ではニュートラムの原材料表示が詳しいのか?ってなると『普通』です。ちょっと見て見ましょうか。
■T27 NUTRAM TOTAL GRAIN-FREE®チキン&ターキー ドッグフード(小型犬用)
骨抜きチキン、骨抜き七面鳥、チキンミール(副産物を含まない)、エンドウ豆、ヒラマメ、ヒヨコマメ、ターキーミール、ひき割りエンドウ、鶏脂肪(ミックストコフェロール配合)、全卵、亜麻仁(フラックスシード)、天然香料-チキン、キヌアシード、カボチャ、ブロッコリー、塩化コリン、塩、ケール、ザクロ、ラズベリー、チコリルートエキス、乾燥ケルプ(海藻)、ビタミンとミネラル(ビタミンE、ビタミンA、ビタミンD3)、ナイアシン(ビタミンB3)、D-パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)、チアミン硝酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、β-カロテン、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、葉酸、ビオチン(ビタミンH)、ビタミンB12サプリメント、キレート亜鉛、硫酸鉄(鉄分)、キレート鉄、酸化亜鉛、キレート銅、硫酸銅、キレートマンガン、酸化マンガン、ヨウ素酸カルシウム、セレン酵母、ユッカエキスパウダー、ニュージーランドムール貝、ホウレン草、セロリシード、ペパーミント、カモミール、ターメリック、ジンジャー、ローズマリー
保証成分
粗タンパク質32.0%(最小)、粗脂肪17.0%(最小)、粗繊維6.0%(最大)、水分10.0%(最大)
カルシウム(最小):1.2% リン(最小):1.0%
オメガ3脂肪酸(最小):0.40%
オメガ6脂肪酸(最小):2.3%
こちらが公式サイトの原材料表示および保証成分。配合内容が悪い、って意味ではないですよ?むしろ良いです。ただ『当社製品の原材料は細かく表示されており・・・』って書いていますが、別にこのレベルなら日本と差はありません。
海外製プレミアムドッグフードの中には原料を全体に対して何%使用しているか?タンパク質はどの原料から何%供給されているか?オメガ3脂肪酸のうちEPA・DHAがどのくらい含まれているのか?など詳しく記載されているものも確かにあります。
ニュートラムに関しては普通。何なら灰分の成分表示がないのでちょっと不親切ですらあります。
添加物に関しても、今ってプレミアムドッグフードと呼ばれるそれなりに単価が高いフードで着色料とか人工の酸化防止剤・・・入っている訳ないですよね。入っていたらネット上でボロカスに叩かれますので。
ニュートラムの内容はかなり良いですよ。でもこの誇大な表現がちょっと引っかかります。
まあね、気持ちは分かります。ドッグフードって内容がいくら良くても広告しないと売れない・・・ってのはあります。実際に株式会社CLOCKでは『大阪メトロ内での電車内ポスター』、『大阪メトロと連携しポイント付与』これらプロモーションを『おでかけわんこ部』に企画依頼したようです。
ちなみに『おでかけわんこ部』ってWebサイトの月間閲覧数は100万PVもあるそうです。うちのサイトは良くて5万PVくらいですね・・・笑
と、こんな感じで広告頑張っている訳ですが、個人的にはそうするよりも『インターペット』、『ペット博』のペット系2大イベントに出店する。そしてアフィリエイト広告を出す。の方が費用対効果高いと感じますけどね。
アフィリエイト広告って嫌いな人多いですが、今は何か調べる時にほとんどの方はネットを使うじゃないですか?やはりネット上の露出を上げるのってアフィリエイトは相性が良い。これは事実なんですよ。
アフィリエイトとは?
本来は良いものをブログサイトなどで紹介し、読者が購入した場合、ブログ運営者は紹介料として報酬を受け取るのがアフィリエイトですが、報酬だけを目的として全くオススメできないようなフードをゴリ押しするサイトが乱立している。これが実状です。
ただアフィリエイト案件のあるドッグフードで『心からオススメできるフードがあるか?』と言われればほぼない。
ニュートラムなんかは内容良いので、アフィリエイト案件出すのであれば当サイトも利用したいところではあります。月間PV5万くらいですけどね・・・笑
ちょっと話が脱線してしまいましたが、大阪メトロとのタイアップ広告・・・これどうなるか見ものです!
ニュートラム・ドッグフードの使用原料および保証成分を評価
では原材料・保証成分を詳しく見ていきます。
ニュートラムはカナダ本国では色々な種類が販売されていますが、日本だと現時点では『チキン&ターキー』、『トラウト&サーモン』、『ラム&レンズ豆』この3種類が小型犬用(小粒)サイズとして販売されるようです。体重管理用もあるみたいですが、主力となるのはこの3種類っぽいですね。
では3種類の中で代表として『チキン&ターキー』を見ていきます。
■T27 NUTRAM TOTAL GRAIN-FREE®チキン&ターキー ドッグフード(小型犬用)
骨抜きチキン、骨抜き七面鳥、チキンミール(副産物を含まない)、エンドウ豆、ヒラマメ、ヒヨコマメ、ターキーミール、ひき割りエンドウ、鶏脂肪(ミックストコフェロール配合)、全卵、亜麻仁(フラックスシード)、天然香料-チキン、キヌアシード、カボチャ、ブロッコリー、塩化コリン、塩、ケール、ザクロ、ラズベリー、チコリルートエキス、乾燥ケルプ(海藻)、ビタミンとミネラル(ビタミンE、ビタミンA、ビタミンD3)、ナイアシン(ビタミンB3)、D-パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)、チアミン硝酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、β-カロテン、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、葉酸、ビオチン(ビタミンH)、ビタミンB12サプリメント、キレート亜鉛、硫酸鉄(鉄分)、キレート鉄、酸化亜鉛、キレート銅、硫酸銅、キレートマンガン、酸化マンガン、ヨウ素酸カルシウム、セレン酵母、ユッカエキスパウダー、ニュージーランドムール貝、ホウレン草、セロリシード、ペパーミント、カモミール、ターメリック、ジンジャー、ローズマリー
保証成分
粗タンパク質32.0%(最小)、粗脂肪17.0%(最小)、粗繊維6.0%(最大)、水分10.0%(最大)
カルシウム(最小):1.2% リン(最小):1.0%
オメガ3脂肪酸(最小):0.40%
オメガ6脂肪酸(最小):2.3%
タンパク質源について
まずタンパク質について。保証成分は32%と高タンパクなフードとなります。
で、タンパク質を見るときに重要なのは『何の原料由来のタンパク質か?』です。肉からのタンパク質、豆類からのタンパク質、どちらも保証成分上は同じタンパク質となります。
しかし動物性由来のタンパク質と植物由来のタンパク質ではアミノ酸バランスも異なるし、消化性も違っていきます。当然ながら動物性由来の方が良い。
ニュートラムはどうなのかと見てみましょう。ドッグフードの原材料表示は使用割合の多いもの(重いもの)から順に記載するルールがあります。一番最初に記載されているものを『第一原料』と呼んだりしますが、この場合だと『骨抜きチキン』が第一原料ですね。
つまり生の鶏肉が全原料に対して重量比では一番多いという事。次に骨抜き七面鳥、チキンミール(副産物を含まない)、と続きますが、チキンとターキー(七面鳥)は生肉です。チキンミールは乾燥させてタンパク質を凝縮させたようなもの。
生肉とチキンミールでは水分量が大幅に違ってきます。生肉は水分が多く含まれる(つまり重い)ので第一原料に記載しやすい。パッと見れば生肉が第一原料ってのは良いさそうではありますが、水分が多くタンパク質の割合が少なくなるので注意が必要です。
ニュートラムの場合、生肉だけだとタンパク質が確保しにくいので、『チキンミール』を使用している、って事ですね。ここは良い。しかも『チキンミール』とは基本的にレンダリング原料ですが、副産物を含まない、と記載されている事から品質にも一定の安心感があります。
(原価を安く抑えているフードなんかは植物の乾燥原料でタンパク質を補強しているものも多い)
レンダリング原料とは?
家畜から人間の食用となる肉類を除いた後に発生する、直接食用できない不可食部位。それが原料となり製造されているもの。
チキンミールにも品質に差がありますからね。
その後に豆類が続きますが、これは表記からして乾燥原料ではなく、生のものだと思われます。生の豆類がチキンミールより後ろに記載されている事を考慮すると・・・タンパク質のほどんどは動物由来であると推測できます。
タンパク質については非常に良い内容だと感じます。
脂質源について
次に脂質源について。犬にとっての必須脂肪酸はオメガ6とオメガ3となりますが、鶏脂肪がオメガ6(リノール酸)源として。亜麻仁がオメガ3供給源となっています。
ただ亜麻仁に含まれるオメガ3はαリノレン酸となり犬が利用しにくいもの。どちらかと言えばEPA・DHAの方が良いのですが、この話は長くなるので興味がある方はこちらの記事を読んでみて下さい。
ここを対策として品質の良いドッグフードはサーモンオイルや魚油なんかを使ったりするのですが、ニュートラムはそこがない・・・と見えますが、少量とは言え『ニュージーランドムール貝(緑イ貝)』を使用している。これはオメガ3(EPA・DHA)を意識したものでしょう。
成分だけ見ればやはり魚系オイル使った方が良いとは感じます。しかし色々な方の話を聞いていると、魚系オイルのにおいを嫌うワンコもいる、って話もある。
そんな訳で最近では成分だけ見て判断するのはどうなのかな?と悩んだり・・・
まあこのオメガ3については『トラウト&サーモン』があります。これにはしっかりサーモンオイルが配合されていますので、気になる方はこれを取り入れたフードローテーションをしてみると良いですね!
脂質源についてですが、緑イ貝も使用している事ですし十分評価できる内容と言えます。
その他使用原料およびニュートラムについての総評
その他の使用原料として、特筆しておくべきものは『キヌアシード』ですね。これは人間の食べ物でもスーパーフードとして流行っていましたが、アミノ酸スコアが非常に優秀で、犬にとって要求量が高い鉄分・亜鉛なんかも豊富。
ちなみにキヌアって見た目がイネ科っぽいので『穀物』と思われがちですが、実際は『疑穀物類』と呼ばれ分類上では雑穀となります。つまり『グルテン』は入っていません。
ミネラル類も吸収しやすいようキレート化されていますし、プレミアムドッグフードの原料として実績のあるハーブ、野菜など豊富に使用されています。
全体的に見ても非常にレベルの高い配合内容と感じますね!
当サイトとしても十分にオススメできる内容。現状だと『小粒』がメインとなるので、小型犬でタンパク高め、高品質なフードを探している方は試す価値のあるフード。
売れれば商品ランナップも増えるでしょうし、今後が楽しみですね!
ニュートラム・ドッグフードの実物を画像で紹介|アカナの小粒(スモールブリード)と比較
ニュートラムドッグフードのサンプルを購入しましたので、実物を紹介しておきます。
比較対象は『アカナ』にしておきましょう。正直言うとアカナはドライフードとしてはほぼ完成されたフード・・・と思っているのですが、もちろん全てのワンコに合う訳ではない。
そしてアカナの弱点としてスモールブリードという小粒タイプのものがありますが、小粒タイプは一種類のみ。ここがネックになっている方も多いかと感じます。
こちらが比較画像となりますが、ニュートラムが9mm前後、アカナのスモールブリードが10mm前後ですので、少し小さいくらいですね。
二つのフードを並べるとこのようになります。
うちのワンコ達は粒の大きさはあまり気にしませんが、色々な方に話を聞いていると小型犬であってもアカナ・スモールブリードが大きく、ワンコが嫌う。砕いて与えている方なんかもいますね。
そんな方にはこのニュートラム、特に良いかもです。
ニュートラム・ドッグフードの価格について|内容に対してのコスパは良いか??
ニュートラム、間違いなく内容は良い。ただ価格がどうなのか?ってのはありますよね。
そんな訳で公式サイトの価格を紹介しておきます。
『チキン&ターキー』、『トラウト&サーモン』、『ラム&レンズ豆』どれも全て同じ単価で税込5,280円/2kg包装。kg単価だと2,640円/kg。
2kg包装でこの単価は悪くはないと感じます。
ただ小型犬1頭なら良いが、多頭飼い向けにもう少し容量が多く、単価を落としたものがあると嬉しい・・・まあここは今後に期待です!
ニュートラム・ドッグフードの総評|期待感は非常に高い!今後の動向に注目したい
さて、ニュートラム・ドッグフードについて紹介してみましたが、内容は非常に良く単価も悪くはない。今後メジャーなフードになる可能性は十分あると感じます。
そして独特な広告がどのような結果になるのかも興味深い。
大阪メトロ内での電車内ポスターなんかは今までにない広告ですよね。ちなみに大阪以外の方だとピンとこないかも知れませんが、大阪にはニュートラムと呼ばれる『南港ポートタウン線』があってですね。それと同じ名前だから大阪メトロと連携した広告を行なったようです。
これ面白いですが、当サイトが運営するいくつかのSNSで調査したところ、愛犬に何のフードを与えるか?決めるのは女性が圧倒的に女性が多い。
電車利用は男女比で見ると男性の方が多いでしょうし、そもそも電車内の広告が購入に結びつくのだろうか??
とは言え今までドッグフードの広告って大手のテレビCM以外だとアフィリエイトとかSNSでの広告などネット上のものばかりだった。この挑戦的な取り組みは応援したいところ。
電車広告が始まったら見にいこうと思っています・・・笑
では今回はこの辺で。こちらに当サイトで評価の高かったフードをまとめたランキング記事を作成しています。フード選びに迷ったらこちらもぜひ参考にしてみて下さい。
ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています