今回紹介するドッグフードは『ファーストメイト』、カナダ産のドッグフードで1995年に世界ではじめてグレインフリーのフードを作ったと言われているメーカーのものです。
ファーストメイトはぜひもっと多くの飼い主さんに知って欲しいフード。特にオススメなのはこんな場合ですね!
ファーストメイトがオススメなのは・・・
- 高タンパク過ぎない品質の良いフードを探している
- アレルギーを気にしており、複数のタンパク源を使っているタイプより動物性タンパク源が一種類の方が良い
- 製造工場や使用原料などの情報公開量が多い信頼できるメーカーのフードを探している
ざっくりとこんな感じ。カナダ産だとチャンピオンペットフーズ社の『アカナ・オリジン』をはじめ『ノースパウ』、『CHARM(チャーム)』、『Nutrience(ニュートリエンス)』など動物性原料をこれでもか!と使用した高タンパクなフードが人気な印象がありますが、ワンコによっては高タンパクが合わない場合ももちろんありますよね。
で、高タンパク過ぎないフードを探す訳ですが、これが結構難しい。高タンパク過ぎない(25%前後)のフードって原材料の配合の仕方で誤魔化しやすいので、玉石混合・・・と言いますか、良いフードを見つけるのって難しいだろうな、と感じます。
ファーストメイトの特徴としては動物性原料(肉や魚)を1種類、炭水化物源も1種類に限定したシンプルな配合設計。また製造も自社工場での製造でもあり、使用原料や成分値の情報公開量も多く、かなり信頼性が高いフード。
おそらくカナダ産で高タンパク過ぎないフードだと『Nowフレッシュ』が有名どころだと思いますが、あれはあれで良いフードなんですが、個人的にはファーストメイトの方が魅力を感じますね。内容に対しての価格も良いですし、シンプルなフードだとイチオシです!
ただし注意点もあって、脂肪酸バランスがちょっとアレなのでローテーションした方が良い・・・これは記事本文で説明します。
ではそんなファーストメイトについて紹介していきます。
ファーストメイトはどんなドッグフードなのか?その特徴を紹介!!
ではファーストメイトってドッグフードはどんな特徴があるのか?冒頭で少し紹介しましたが、もうちょっと詳しく紹介していきます。
実はファーストメイトって会社は元々は水産養殖をやっていた会社で、そこからペットフード製造会社に転向した。そんな歴史があります。ちょっとこの動画を見て下さい。日本語翻訳もされていますので。
この動画内で『養殖業者の飼っている犬が養殖用飼料を食べちゃう。それが毛づやが良い』みたいな話がありますが・・・
これね、私がこのブログサイトを開設した理由にちょっと似ていて、私は飼料メーカーで働いていた過去があるのですが、ペット系にも関わったが、専門は魚。つまり養魚用飼料なんですよ。
多くのドッグフードは『エクストルーダー』って機械で製造されていますが、養魚用飼料も全く同じ機械を使っています。そして実はペット業界よりも養殖用飼料の方が製造技術は高い。
これには理由があって、ペット業界ってフードを選ぶのは飼い主さんになるので、どうしても『マーケティング要素』があります。要するに広告ですね。そこにかなりのコストがかかっている。
一方で養殖用の飼料ですが、もちろん何の飼料を選ぶかは人間となりますが、飼育成績がモロにでちゃうので広告しても意味ないんですよね・・・
どれだけ良い原料を使っている!!って宣伝したところで、飼育成績によって結果が出ちゃう。つまり完全なる品質勝負になり、結果的に技術力が上がりやすい。そしてこの飼料方面の知識をペットフード製造業者が知っているか?となると案外知らない。
特に日本の業者はまず知らないですね。私はこのブログを通じてドッグフードを製造している業者とやり取りする事もあるのですが、ペットフードの知識しかないです。海外は飼料方面の技術を取り入れている事はありますけどね。
この『ペットフード』と『飼料』の技術差問題、これが最も分かりやすいのがオイルの扱い、だと感じます。当サイトでは何度も言っていますが、オイルコーティングは決して悪とは言えない、ってやつです。
ファーストメイトも元々が養殖用の飼料を製造していた会社だけあって、飼料的な技術を取り入れています。それがこちらの動画で紹介されている『Vacuum Infusion System』です。
エクストルーダーで製造されたものは粒に無数の小さな穴が形成されれる、って特徴があります。粒を真空状態にする事でその無数の小さな穴にオイルを『注入』する事が可能。
これによってエクスストルーダーの高温・高圧を受けずにドッグフードの粒にオイルを添加できます。熱に弱いオイル、または熱に弱い原料をオイルに混ぜて添加、内部に入り込むので酸化しにくい、など様々なメリットがある。
オイルコーティングと聞くと表面に油をぶっかけている、ってイメージしてしまいますが、そうじゃないものもある、ってぜひ知っておいて下さい!
ファーストメイトの使用原料および保証成分を評価
では使用原料や保証成分を細かく見ていきましょう。
ファーストメイトにはいくつかの商品ラインナップがありますが今回は『チキン ウィズ ブルーベリースモールバイツ(小粒)』を中心に紹介していきますね。
チキン ウィズ ブルーベリースモールバイツ(小粒) | 内容量:1kg、2.3kg、5.44kg |
【原材料】日本表記 チキンミール、バーバンクポテト、ノーコタポテト、鶏脂肪*(保存用に混合トコフェロールを使用)、ブルーベリー、塩化カリウム、DLメチオニン、塩化コリン、プロピオン酸カルシウム、ミネラル類(亜鉛、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、炭酸コバルト、セレン酵母)、 ビタミン類(ビタミンE、リボフラビン、ナイアシン、D-パントテン酸、チアミン塩酸塩、ビタミンA、ピリドキシン塩酸塩、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、ビタミンD3)、酵母エキス、グルコサミン塩酸塩 タンパク質割合:84% (鶏肉から) 16% (ジャガイモから) 【原材料】カナダ公式HP表記 Chicken Meal Burbank Potato Norkotah Potato Chicken Fat (preserved with mixed tocopherols) Whole Blueberries Potassium Chloride DL–Methionine Choline Chloride Calcium Propionate (a preservative) Minerals (Zinc Proteinate Iron Proteinate Calcium Carbonate Manganese Proteinate Copper Proteinate Selenium Yeast Calcium Iodate) Vitamins (Vitamin E Supplement Niacin Thiamine Mononitrate Vitamin A Supplement D-pantothenic Acid Riboflavin Pyridoxine Hydrochloride Biotin Vitamin B12 Supplement Vitamin D3 Supplement Folic Acid) Taurine Rosemary extract Yeast Extract
【保証成分】 粗たんぱく質 25%以上, 粗脂肪14%以上, 粗繊維 4%以下, 粗灰分 7%以下, 水分 10%以下 カルシウム 1.5%以上, 0.9%以上 グルコサミン100mg/Kg以上
代謝エネルギー347kcal./100g |
タンパク質源について
ではまずタンパク質について。ファーストメイトの大きな特徴は使用原料がシンプル、って事。タンパク質源も一種類の動物性原料に限定されています。チキン ウィズ ブルーベリーだと『チキンミール』ですね。
ネット上では『ミールが危険』って意見もありますが、それはちょっと違います。確かに『チキンミール』と『生の鶏肉』、どちらがイメージ良いか?ってなると生の鶏肉の方がイメージ良い、って答える方が圧倒的に多いでしょうが・・・
生って事は水分含量が非常に多く、タンパク質の割合は低い。つまり生原料からのタンパク質はあまり期待できない、って事ですね。そこでどうするか?ってなると植物性タンパク質で補強する。『Nowフレッシュ』なんかはこのタイプです。
一方で乾燥させたチキンミールはタンパク質が濃縮された状態になりますので、動物性タンパク質を確保しやすくなります。ただしチキンミールの品質に差があるのは事実。
水分含量が全く違いますので、どっちが良い、悪い、って話ではなくその特性を理解する事が重要。最近だと乾燥原料と生原料、両方使っているフードも多くなってきました。
で、ファーストメイトですが、チキンミールのみの使用。そして非常に重要なのは『タンパク質のうち84%が鶏由来』と明言されている点。これが良い!
よく『第一原料は新鮮な生の鶏肉を使用!』とアピールしている国産のプレミアムドッグフードありますけど、生の鶏肉って先ほども言った通り水分が多く含まれているので重いので第一原料(原材料の一番最初に表記)にするのって簡単なんですよ。
重要なのはそこじゃなく、タンパク質が何の原料由来なのか?です。アミノ酸バランスなど考慮すると植物性タンパク質より動物性タンパク質の方が良いのは間違い無いですからね。
そんな訳でファーストメイトのタンパク質源に関しては非常に良い。タンパク質が何の原料由来かとしっかり明記しているフードは海外製プレミアムドッグフードでも稀です。
あえて言うならチキンミールを全体に対して何%使っているか割合表示して欲しいところではありますが、タンパク質の内訳が明記されているので十分信用できる内容となっています。
脂質源について
次に脂質源について。ファーストメイトって脂質源として『鶏脂肪』推しです。
Our chicken fat is produced using a centrifuge to separate the chicken fat from the chicken protein. When an animal has a food allergy, the allergen(s) they react to is almost exclusively the protein in that ingredient. Our chicken fat is protein-free and therefore should not cause a food-related allergy.
こちらカナダの公式サイト(https://firstmate.com/)からの引用ですが、鶏脂肪に関しては遠心分離を用いてタンパク質と脂質を分離させている。アレルギーの原因となるのは特定のタンパク質が原因になる事がほとんどなので、鶏アレルギーであっても鳥脂肪を心配しなくて良いですよ。そんな意味です。
犬の必須脂肪酸はオメガ6(リノール酸)とオメガ3脂肪酸となりますが、良質なオメガ6脂肪酸源として鶏脂肪、これは非常に良い。
ただ冒頭で言いました注意点、脂肪酸バランスがちょっと・・・ってのはここで、オメガ6脂肪酸に関しては良いとして、オメガ3脂肪酸源がない。
大抵のドッグフードはオメガ3脂肪酸源として『亜麻仁』くらいは配合していますが、それすらない。
オイルの真空注入する技術があるので魚油とか使えば良いのに・・・って感じますが、ここはちょっと謎ですね。そんな訳でファーストメイトを与える際はオメガ3脂肪酸に考慮して『パシフィックオーシャンフィッシュ』という魚主体の商品がありますので、これを取り入れたフードローテーションをする事をオススメします。
ファーストメイトの使用原料・保証成分についての総評と注意点
全体的な評価としては脂肪酸バランスについては引っかかるものの間違いなく良いフードです。アレルギーの関係などでシンプルな配合内容のフードを探している方には特にオススメ。
ローテーション必須な感じはありますが、当サイトとしても中タンパクなドライフードだとオススメできるものの一つです。
で、一応お伝えしておくと、なぜ原材料表示で日本表記とカナダ表記、両方紹介したのか?なのですが、書いている事が若干違うためです。一つはミネラル類について。ファーストメイトのミネラルは犬が吸収しやすいようキレート化されていますが、日本表記だとそれが分からない。
もう一つがカナダ表記にはローズマリーエキスが記載されているが、日本のには無い。これほとんどの方は気にする必要なのですが、ローズマリーは『てんかん』の禁忌と言われており、愛犬がてんかん持ちの場合は飼い主さんドッグフード選びに非常に苦労します。
てんかんとローズマリーについて、あくまでも精油としてのローズマリーが危険で酸化防止剤としのローズマリーエキスは問題ない、って意見もありますが、避けれるものなら避けたい、ってのは我が子を想う飼い主としては当然です。
日本の輸入代理店ってこういう原料表示和訳が雑なとこ。何か抜けているなど間違っている、って普通にあるんですよね。そんな訳で海外製ドッグフードを選ぶ際は日本のサイトだけじゃなく、海外公式サイトもチェックする事をオススメします!
※海外公式サイトが存在しないものはOEMのフードです。
ファーストメイトの価格について|これは中々コスパが良いぞ!!
次に価格について。ファーストメイトは成犬用だとラム、チキン、魚、の3種類あるのですがどれも単価は同じ。公式(日本の正規輸入代理店)の価格を表にしてみると・・・
容量/価格 | 価格(税込) | kg単価 |
1kg | 3,300円 | 3,300円/kg |
2.3kg | 5,830円 | 2,535円/kg |
5.44kg | 9,680円 | 1,779円/kg |
6.6kg | 11,550円 | 1,750円/kg |
11.4kg | 18,700円 | 1,640円/kg |
この価格なのですが・・・良い!非常に良い!この内容でこの価格だとコスパは間違いなく良いです。大袋があるのも嬉しい。購入する場合はポイントとか特典を考慮すると公式サイトが運営しているネットショップ(I♡PETS)よりも楽天とか大手ネットショップの方がお得な気がしますね。
ファーストメイトの実物を画像で紹介!アカナとの比較
ではファーストメイト実物の画像を紹介しておきます。
海外製プレミアムドッグフードは内容が良いが粒の大きさが合わない(大きい)って声もよく聞きます。ファーストメイトのスモールバイツ(小粒)はかなり小さめとなっているので、小粒タイプが合うって方にも良いかと思います。
こちらがファーストメイトのスモールバイツ(小粒)とアカナで小型犬向けに販売されているスモールブリードとの比較となります。
ファーストメイトは7.5mmくらい。アカナスモールブリードだと10mmくらい。『小粒』表記のものって10mmくらいのものが多い印象がありますが、それより小さいものが良い、方には良いですね。
一応アカナの通常サイズ(アカナ・アダルトドッグレシピ)との比較画像も載せておきます。
直径は倍くらい違いますが、アカナの通常サイズに関しては直径もそうですが厚みもありますので、サイズ以上に大きく感じるかな、と。
ファーストメイトのスモールバイツはかなり小さめなので、そうですね・・・3kg以下くらいの超小型犬でもほぼ大丈夫かと思います。
ファーストメイト・ドッグフードのまとめ|内容・コスパ良し、しかしローテーション推奨
では最後にまとめていきます。
ファーストメイト、非常に良いフードだと感じます。内容・コスパ共に良い。ただし脂肪酸バランスが微妙なので魚主体のフードをローテーションに組み込むのを推奨します。
私だったらチキン→魚→ラム→魚→チキン・・・のように、何かが終わったら魚を挟む、こんな感じで魚(パシフィックオーシャンフィッシュ)を多めにしますかね。
シンプルな内容で小粒、タンパク値が高すぎず高品質なフード、そんなフードを探している方はぜひ試してみて下さい。
では今回はこの辺で。こちらに当サイトで評価の高かったフードをまとめたランキング記事を作成しています。フード選びに迷ったらこちらもぜひ参考にしてみて下さい。