今回はニュートロの『ワイルドレシピ』について評価して欲しい、って依頼が届きました。
ニュートロはアメリカが原産国。ニュートロ社自体は1926年創業ですが、今はマースに買収されているのでマース傘下のフードですね。ちなみにマース社はドッグフード最大手メーカーとなり、ニュートロ以外にもロイヤルカナン、カルカン、ペディグリー、アイムス、グリニーズなどなど様々なブランドを有しています。
で、今回の『ニュートロ ワイルドレシピ』ですが、日本で2016年から販売開始されたもの。私はカッコイイ方のニュートロ!と呼んでいます・・・笑
まあナチュラルチョイスと比べてワイルドレシピが抜群に良いか?って問われるとそうでもないのですが・・・パッケージはかっこいいですよね!!
で、今回の依頼内容がこちら
現在はアーテミスのフレッシュミックスを与えているが、より高品質でコスパの良いフードを探している。で、ニュートロのワイルドレシピが気になっているが、どうでしょう??
って依頼内容。ちなみにカニヘンダックスフンドとはダックスの中でも一番小さいのです。もちろん個体差はありますが、元々は狩猟犬なので運動量も多く、ワイルドレシピのような高タンパクフードもありですね。
では解説していきます。
ニュートロワイルドレシピはどのようなフードが?使用原料・栄養成分値から特徴を解説
使用原料・保証成分を見ていきましょう。今回は『ニュートロワイルドレシピ 超小型犬~小型犬用 [成犬用] チキン』で見ていきます。
ニュートロワイルドレシピ 超小型犬~小型犬用 [成犬用] チキン | 原産国:アメリカ 内容量:800g・2kg・4kg |
【原材料表示】 チキン(肉)、チキンミール、エンドウマメ、乾燥ポテト、鶏脂*(オメガ6脂肪酸源)、タピオカ、ビートパルプ、乾燥チキン、エンドウタンパク、タンパク加水分解物、ターキーレバー、ポークハート、ポークキドニー、亜麻仁(オメガ3脂肪酸源)、アルファルファミール、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、クエン酸) 【保証成分】 タンパク質 32.0%以上、粗脂肪 16.0%以上、粗繊維 3.5%以下、灰分:9.5%以下、水分 10.0%以下
オメガ6脂肪酸 2.0%以上、オメガ3脂肪酸0.2%以上 代謝エネルギー:約375kcal/100g
価格:4,895円/2kg kg単価:2,448円/kg(公式サイト価格) |
中々高タンパク・高脂質なしっかりとした内容ですね。
で、このフードが良いのかどうか?各項目ごとに見ていきます。
ワイルドレシピ:タンパク質
まずタンパク質ですが32%と高タンパク。
原材料表示では『チキン(肉)』が最初に記載されていますが、これは生肉。生肉は部位によって若干水分量異なりますが、約7割くらいは水分含まれています。つまり生肉由来のタンパク質はそこまで多くない。
なのでチキンミールなど乾燥系原料から補強している形です。チキンミールと乾燥チキンが分けられている事から『チキンミール』はいわゆるレンダリング原料。つまり人間用の食品加工場などから発生した副産物由来のもの。『乾燥チキン』は生肉を乾燥させたもの、と考えられます。
チキンミールってよく危険な原料と言われますが、ここは判断の難しいところ。
危険かどうか、と言われると危険じゃない。ただ製造工程で熱加工されまくっているので、やはりタンパク質の変性もあり消化吸収性は悪くなります。
コストも重要な要素ですし、一概には悪と言えない。そう考えています。
その他、えんどう豆や乾燥ポテト、亜麻仁などにもタンパク質は含まれており、植物性由来のタンパク質もありますが、大部分は動物性由来(チキン)と判断して良いかと。そんなに悪くはない印象です。
ワイルドレシピ:脂質
ワイルドレシピはオメガ6脂肪酸として鶏脂、オメガ3脂肪酸として亜麻仁が配合されています。
犬にとっての必須脂肪酸・・・つまり食べ物から摂取しないといけないものがこのオメガ6とオメガ3になり、このバランスが非常に重要。
なのですが、ここちょっと引っかかります。
というのもニュートロナチュラルチョイスの方には『フィッシュオイル』が使用されている。でもワイルドレシピは亜麻仁だけ。ここが勿体ない。
海外製ドッグフードを購入する大きなメリットってこの脂肪酸バランスが良い、だと考えています。日本の工場って製造技術・・・というか設備的に魚系オイルが使いにくい。なので基本は亜麻仁のみの設計です。これが国産の弱点。
当サイトでは国産なら『金虎 おさかな』ってフードをオススメしています。色々と理由はあるのですが、その一つが魚メインで高品質な原料を使用している。魚にはオメガ3(EPA・DHA)が豊富に含まれており、これらは熱に弱いとは言え魚主体なので原料由来のものが期待できるから。
海外製でこの脂肪酸バランスはなんか損した気がする。これがあるので正直どうかな、、、と。
ミネラルについて
栄養添加物としてビタミン・ミネラルが添加されている。これは基本的にどのドッグフード も同じなのですが、プレミアムドッグフードだとミネラルのキレート化がされている事が多い。
キレート化について説明すると物凄く長くなるので、要点のみ簡単に説明しておきますね。
ミネラルのキレート化
ミネラルってそれ単体だと吸収されにくいので、アミノ酸や有機酸によってカニバサミのようにはさみ込んで、吸収されやすい形に変える事。犬は鉄や亜鉛などの要求量が多いので、高品質なフードはこれらがキレート化されている事が多い。
ワイルドレシピはキレート化されていないので、やや吸収性は劣るはずです。
ただこのキレート化については賛否あり、不自然な形で吸収されすぎて逆に良くない、って意見もあります。ただその辺はメーカーも配合量考えた上で添加していると思うので当サイトではキレート化されている方が望ましい、そう考えています。
以上ざっくりですが、このような理由から悪いフードとは言いませんが、2,448円/kgという単価も考慮するとこれじゃなくても良いかな、と。
ニュートロワイルドレシピとアーテミス・フレッシュミックスを比較してみる
せっかくなので今回の依頼者さんが今使用しているアーテミス・フレッシュミックスと比較しておきましょう。おそらく犬種的にアーテミス・フレッシュミックススモールアダルトだと思います。使用原料と保証成分がこちら。
アーテミス・フレッシュミックススモールアダルト | 原産国:アメリカ 内容量:1kg、3kg、6kg、13.6kg |
【原材料表示】 フレッシュチキン・ドライチキン・フレッシュターキー・玄米・黍・えんどう豆・えんどう豆粉・卵・鶏脂肪(混合トコフェロールによる保 存処理済)・トマト搾り粕(リコピン)・フレッシュダック・フレッシュサーモン・フラックスシード・チキンスープ(天然風味料)・サーモン オイル(DHA 源)・塩・塩化カリウム・塩化コリン・乾燥チコリ根・ケルプ・人参・リンゴ・トマト・ブルーベリー・ほうれん草・クランベリ ー・ローズマリーエキス・パセリフレーク・グリーンティエキス・大麦エキス・L-カルニチン・ラクトバチルスアシドフィルス菌・ビフィド バクテリウム アニマリス・ラクトバチルスロイテリ・ビタミン E・キレート鉄・キレート亜鉛・キレート銅・硫酸第一鉄・硫酸亜鉛・硫酸 銅・ヨウ化カリウム・チアミン硝酸塩・キレートマンガン・酸化マンガン・アスコルビン酸・ビタミン A・ビオチン・パントテン酸カルシウ ム・硫酸マンガン・亜セレン酸ナトリウム・ピリドキシン塩酸塩(ビタミン B6)・ビタミン B12・リボフラビン・ビタミン D・葉酸 【保証成分】 タンパク質 25.0%以上、粗脂肪 15.0%以上、粗繊維 4.5%以下、灰分:6.8%以下、水分 10.0%以下
オメガ6脂肪酸 2.4%以上、オメガ3脂肪酸0.4%以上 代謝エネルギー:3,683kcal/kg
価格:5,060円/3kg kg単価:1,687円/kg(公式サイト価格) |
比較と言ってもタンパク値が違うので比較しにくいのですが、タンパク質源の構成はワイルドレシピとそう変わりませんね。
脂質については鶏脂肪がオメガ6脂肪酸源、これはワイルドレシピと同じ。そしてフラックスシードに加えてサーモンオイルが使用されています。どう考えてもこちらの方が良い。
※フラックスシードとは亜麻仁の事。
ミネラルもキレート化されており、ワイルドレシピにはない要素として乳酸菌系のプロバイオティクス類も含まれている。
プロバイオティクスとは?
乳酸菌など善玉菌そのものを摂取する事。似た言葉でプレバイオティクスがあるが、これは善玉菌のエサとなるものを摂取する事
それでいて価格は5,060円/3kgとそこまで高くない。(大容量のものはもっと安くなります)
タンパク25%くらいのフードでアーテミスって品質・価格共に非常に優秀だと感じます。大袋があるのも嬉しい。
成分値が違うものなので比較はしにくいですが、正直こっちの方がオススメ・・・
ニュートロワイルドレシピと違い成分値でオススメのフードは?
で、今回の依頼者さんは今のフードより高品質なフードを探している、とありますがおそらく高タンパクなフードが気になっているんじゃないかと。
という訳でワイルドレシピくらいの高タンパクフードで高品質なものを紹介しておきましょう。
で、やはりオススメするとしてまず思い浮かぶのはアカナですね。犬種的に一番粒の小さいスモールブリードでしょう。ただアカナあるあるなのですが、ものは良いけど粒が大きい。スモールブリードもやや大きめです。
まずは少量の袋でサイズが問題ないか試してみてからが良いと思います。(サンプル以外だと340gのがあります)
アカナ アダルトスモールブリード | 原産国:カナダ 内容量:340g・2kg・6kg |
【原材料表示】 新鮮鶏肉 (16%), 乾燥鶏肉 (15%), 丸ごと赤レンズ豆, 丸ごとグリーンピース, 丸ごとヒヨコ豆, 乾燥七面鳥肉 (4.5%), 鶏脂肪 (4%), 新鮮鶏内臓 (レバー, 心臓) (4%), 乾燥ニシン (4%), 卵 (4%), 生カレイ(4%), フィッシュオイル (4%), 丸ごと緑レンズ豆, 丸ごとイエローピース, エンドウ豆繊維, エンドウ豆スターチ, 生七面鳥レバー (0.5%), 塩, 乾燥ケルプ, 新鮮丸ごとカボチャ, 新鮮丸ごとバターナッツスクワッシュ, 新鮮丸ごとニンジン, 新鮮丸ごとリンゴ, 新鮮丸ごと洋梨, 新鮮丸ごとズッキーニ, 乾燥チコリールート, 新鮮ケール, 新鮮ホウレン草, 新鮮カブラ菜, 新鮮ビートの葉, 新鮮丸ごとクランベリー, 新鮮丸ごとブルーベリー, 新鮮丸ごとサスカトゥーンベリー, ターメリック, オオアザミ, ゴボウ, ラベンダー, マシュマロルート, ローズヒップ 酸化防止剤: 植物油から抽出したトコフェロール: 121mg, クエン酸: 40mg, ローズマリーエキス: 80mg 添加栄養素(1kgあたり): 3a890 塩化コリン: 700mg, 3b606 (亜鉛: 75mg), 3b406 (銅 : 11mg), 3a821 ビタミンB1: 25mg, 3a841 ビタミンB5: 8mg, 3a831 ビタミンB6: 7.5mg, 3a672a ビタミンA: 1875 IU, 3a671 ビタミンD3: 250 IU, 3a700 ビタミンE: 115 IU 添加腸球菌: 4b1707 エンテロコッカスフェシウム菌 NCIMB 10415 2.2x10^6 CFU 【保証成分】 タンパク質 31%以上、脂肪 17%以上、粗繊維5%以下、粗灰分:7%以下、水分 12%以下
オメガ6脂肪酸 2.6%以上、オメガ3脂肪酸1.0%以上(DHA/EPA 0.3%以上/ 0.3%以上) 3510kcal/kg
価格:7,480円/2kg kg単価:3,740円/kg(公式サイト価格) |
アカナに関してはドライフードだとほぼ完成系なんじゃないか、と本気で思っています。
3,740円/kgと単価は高いですが、これは公式サイトでの価格。アカナってなんか公式サイトとペットショップなど店頭価格が高い。我が家がよく利用している楽天のサクラソーケンネルってショップがあるのですが、今みると4,862円/2kgでした。kg単価だと2,431円/kg。
ワイルドレシピとそう変わらない単価なのでまずはこれですね!
あとタンパク値かなり高めですが、ノースパウのチキン&ニシン(小粒)なんかもオススメ。
→【North Paw ノースパウ】カナダ産プレミアムドッグフードは『自社工場』が魅力
購入のしやすいさで言えばペットカインドとかもありですね。ペットショップでの取り扱いも多いし。
→トライプで有名なドッグフード『ペットカインド 』を徹底解説!
ただ今回の依頼内容的にはアーテミス・フレッシュミックスは十分高品質でコスパの良いフードです。体重の増減等なくワンコも機嫌よく食べているのであれば継続するのも良いかな、と感じます。
変に高タンパク・高脂質のフードに切り替えると太る事多いですしね。
ではでは今回はこの辺で。こちらに当サイトで評価の高かったフードをまとめたランキング記事を作成しています。フード選びに迷ったらこちらもぜひ参考にしてみて下さい。
→ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています