今回紹介する『レオレア』というドッグフードですが、国産のプレミアムドッグフードです。
このフードの最大の特徴は『マイカルテ』という機能があるという事。マイカルテとは『独自のシステムでワンちゃんのライフスタイルにあったフードをご提案するとともに、必要な栄養価と給与量も算出するもの』です。
要するにドッグフードって一般的には裏面表示なので体重に対する給餌量など記載されています。しかしこれはあくまでも一般的な給餌量なので、体型や年齢に応じた給餌量を算出してくれるシステムがある。これがマイカルテですね。
ただこれ勘違いしてはいけないのが、あくまでも給餌量のみです。愛犬に必要な栄養素を算出してオリジナルのフードを提案してくれる訳じゃありません。レオレアって『牛肉』『鶏肉』の2種類あるのですが、そのそれぞれ給餌量だけです。
価格もかなり高いフードですし、正直な意見としてあえてレオレアを選択するメリットを感じにくい。
ではその理由を解説していきましょう。
愛犬の健康に直結するドッグフード。動物栄養学に関して素人が製品評価しても信用できないでしょう。私は大学では動物営業学を専攻。その流れで飼料メーカーに入社し毎日のように飼料の配合設計をしてきた実務経験があります。もちろんペットフード案件にも多数関わっています。なので安心して下さいね。
レオレア販売しているのはどんな会社か?マイカルテの機能について詳しく紹介
当サイトではドッグフードの評価はあくまでも使用原料や栄養バランスなどから評価しますが、販売している会社やメーカーの情報は知っておくべき。そう考えています。
まずレオレアを販売している会社ですが、株式会社ワントモが販売元となります。東京にある会社で小規模のベンチャー企業みたいな会社ですね。レオレアの販売が主な事業となります。
特徴は『データやテクノロジーを活用し「愛犬(わんこ)たちの健康を改善/向上』これを目標としているって事ですね。レオレアには『マイカルテ』という機能がありますが、ドッグフード×テクノロジーでより良いサービスを提供する。面白い取り組みであるとは思います。
しかし残念ながら、現時点では・・・あまりメリットがあるように感じないですね。
冒頭でも少し紹介しましたが、このマイカルテですがあくまでも給餌量しか算出されません。ワンコってドッグフードを与える量によって短期間で体型変わったりしますよね?
重要なのは普段からしっかり様子を見て、給餌量を調整してあげる事。給餌量を自動で算出する事が大きなメリットなのか?とやや疑問を感じます。
こちらが実際に登録してみた『マイカルテ』なのですが・・・
鶏肉ベースのフードで218gのカロリー、価格、一般成分値が算出されているだけです。
ちなみにこのような項目から必要な給餌量を算出しています。我が家の愛犬の場合、運動量がかなり多い。なので必要なカロリーが高くなり、それに伴って給餌量も多く算出されているって事ですね。
レオレアは『鶏肉』『牛肉』の2種類しかありません。ただ『パピー期』『成犬期』『シニア用』とライフステージによって配合内容・成分値の違う商品ラインナップはあります。この点は非常に良いと思います。
しかし『関節トラブル』について選択項目がありますけど、じゃあ関節サポートのため何か機能性原料を使用しているものを紹介してくれるのか?
『涙やけ』について、涙やけってフード由来の原因となるのはだいたいアレルギーが原因です。鶏肉・牛肉はアレルギーの原因となりやすい動物性タンパク源。この2種類しかないのに、一体何のための項目なのか?
皮膚・皮毛のコンディションは脂質が大きく影響します。しかし脂質(脂肪酸)バランスについて決して考えられている内容とも思えない。そもそも選択肢が2種類しかなく、どちらも同じような設計です。
これ、例えば多くの商品を扱うネットショップなんかだと活用できそうな機能ですが、ライフステージ別に2種類しかないのにはたして意味があるか?というのが正直な意見ですね。
ちなみにレオレアのもう1つの特徴として、『写真入りオリジナルパッケージ』というものがあります。つまりドッグフードに愛犬の写真がのっているって事ですが・・・
これってどうなんでしょうね?こんな事にコスト使うならドッグフードの内容を少しでも良くする、または価格安くする方が良い気が・・・
プレゼント用のおやつとかには良さそうですけど、主食のドッグフードでこれってどうなんでしょう?個人的には無駄だと感じます。
ではより原料表示や成分表を見ながらより詳しく解説していきます。
レオレアの原材料品質・原料表示の情報量について(20点/30点)
当サイトではドッグフードの評価基準として6つの項目を採用し100点満点形式にて評価しています。詳しい評価内容を知りたいという場合はこちらの記事を読んでみて下さい。
→ドッグフードランキングサイトが信用できない理由|当サイトが信用されるよう取り組む事
※レオレアには『パピー期』『成犬期』『シニア用』の鶏肉ベース、牛肉ベースがありますが、今回は成犬用の鶏肉ベースを中心に解説していきます。
レオレア(成犬用・鶏肉)の使用原料について(10点/15点)
ではまず使用原料について
原料表示
原材料名: 鶏胸肉/皮なし、玄米、丸麦、ポークエキス、乾燥おから、豚肉粉、ポークオイル、ビール酵母、かつおエキス、かつお節、にんじん、昆布、食用豚骨カルシウム、鶏レバー、卵殻カルシウム、米粉
※ビタミン類(A・B1・B2・B6・B12・D・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・コリン)、ミネラル類(亜鉛・カリウム・クロライド・鉄・銅)
ドッグフードの原料表示は使用割合の多いものから記載するルールがあり、最初に記載されているものを『第一原料』と呼びますが、このフードの場合『鶏胸肉/皮なし』となります。
動物性原料およびタンパク質源について
まず第一原料が鶏胸肉(皮なし)となっています。これは良い。公式サイトにも『徳島県を中心とした国産鶏生肉を使用』と記載があります。ただし生肉は約7割ほどが水分です。ドッグフードに加工されるとほとんどの水分は飛びます。
実質的なタンパク源は第一原料ではあるが、思ったより少ない。国産で生肉使用アピールしているフードってだいたいこんな感じですね。
要するに玄米、丸麦など植物原料からタンパクを補っています。特に乾燥おから由来のタンパクが多いはずです。これは水分を飛ばしているのでタンパク値の割合が高いため。豚肉粉も同じような感じですが、記載順から予想するにそこまでの量ではないはず。鶏レバーは微々たるもの。
植物性タンパク源が悪いとは言いませんが、犬にとって理想的なアミノ酸バランスのものは何か?となるとやはり動物性タンパク源(肉や魚)が望ましい。安いフードならともかくレオレアはかなり高いので、もう少し動物性由来からのタンパク質がある配合内容にして欲しいですね。
脂質源について
次に脂質源について。このフードの1番の問題点として脂肪酸バランスがどう考えても悪い。
使われている原料は『ポークオイル』となりますが、豚油の脂肪酸組成ってオメガ9系のオレイン酸が多く、犬にとって必須脂肪酸となるのはオメガ6とオメガ9です。
オメガ6に関してはあまり気にする必要はないのですが、オメガ3はしっかり考えて配合設計しないと不足します。そのためドッグフードの場合、植物由来のオメガ3なら亜麻仁、動物性由来ならサーモンオイル・フィッシュオイルなど添加しますが、そういったものがない。
※脂肪酸バランスについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみて下さい
→ドッグフードの『総合栄養食』とは?飼い主として知っておくべき重要な事
脂肪酸については栄養バランスの項目で評価しますが、使っている原料は悪いものじゃないけど配合内容として良いか?と問われるとオススメできる内容ではないですね。
使用原料の総評
使用原料全体的な評価ですが、国産プレミアムドッグフードによくあるタイプの設計です。使用原料自体は悪いものではない。産地を公開しているなど評価すべき点もある。
しかしドッグフード全体として考えられた内容かと言うと・・・微妙なところ。総合栄養食として販売されているのでAAFCOの基準はクリアしているようですが、価格を考慮するともう少し工夫が欲しい、そんな印象を受けます。
国産のプレミアムドッグフードで有名な『このこごはん』ってフードがあります。どのドッグフード評価サイトでもSランクだの絶賛されているフードです。当サイトではあまり評価していませんけどね・・・笑
レオレアはこのこごはんよりも工夫が感じられない。このこごはんを使用原料12点/15点で評価していますので10点/15点評価にしておきます。
レオレアの原料表示の情報量について(10点/15点)
次に原料表示の情報量について
ドッグフードの原料表示は多いものから順に記載するルールがありますが、各原料が何%配合されいるかの割合までは記載する義務はありません。実際にプレミアムドッグフードとして販売されている多くのドッグフードも%表示まではしていません。
ではもう一度原料表示を見てみましょう。
原料表示
原材料名: 鶏胸肉/皮なし、玄米、丸麦、ポークエキス、乾燥おから、豚肉粉、ポークオイル、ビール酵母、かつおエキス、かつお節、にんじん、昆布、食用豚骨カルシウム、鶏レバー、卵殻カルシウム、米粉
※ビタミン類(A・B1・B2・B6・B12・D・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・コリン)、ミネラル類(亜鉛・カリウム・クロライド・鉄・銅)
鶏胸肉が第一原料なのは良いですが、全体に対して何%配合されているかわかりませんよね?
あとこの配合設計だと脂肪酸バランスに疑問がありますが、その脂肪酸についても記載がない。例えばネットだと有名なドッグフードで『モグワン』というフードがあります。どのドッグフード評価サイトでも高評価されているフードですね。
モグワンに関しては動物性タンパク源の割合表示もされていますし、脂肪酸バランス(オメガ6とオメガ3)についても記載されています。なので評価されている理由はわかるんですよ。
→あのモグワンを当サイトが評価するとこうなる!なぜ売れているか徹底解説
当サイトではこのように必要最低限しか記載されていない場合、10点/15点で評価しています。
レオレアの栄養成分値・バランス(15点/20点)
次に栄養成分について。保証成分はこちらになります。(成犬用・鶏肉ベース)
保証成分
たんぱく質:22%以上、脂質:10%以上、粗繊維:1.6%以下、灰分:7%以下、水分:7%以下
カロリー:372kcal / 100 g
当サイトでは栄養バランスについては基本的には満点評価になります。ドッグフードはこの栄養バランスが正解!ってのはありません。愛犬に合っているか合っていないかが重要です。
ただし高タンパクと言いながら高タンパクではない。脂肪酸バランスが悪い。このような場合は減点しています。
問題の脂肪酸バランスについて。これは表示されていないので判断ができませんが、使用原料から判断するにどう考えてもバランスが良いとは言えません。そもそもまともなオメガ3脂肪酸の供給源がありませんからね。−5点
内容的にはタンパク値はそこまで高くなく、低脂質。運動量が多いワンコにはオススメしません。
おやつやトッピングで栄養素を補うのであれば良いかと思います。その場合は魚系のものをオススメします。オメガ3(EPA・DHA)の供給源として。
レオレアは安全への取り組みを行なっているか(10点/20点)
当サイトでは安全への取組について①アレルギーの対策、②安全性に関わる認証制度など取得しているか、この2点を特に重要視しています。
まずアレルギーについて。使用している原料自体は高品質なものだとは思いますが、製造工場でのアレルギー対策、または低アレルゲンの商品ラインナップ、そういったものが一切ない。−5点
あと安全性に関わる認証制度ですが、レオレアは間違いなくOEM製品です。OEMを知らない方はこちらの記事を読んでみて下さい。
→国産ドッグフードは『OEM×広告』で信用できない!その理由を『実例』付きで解説
OEM自体が悪いとは言いませんが、どこの工場で製造しているのか?その工場が信頼できる工場なのか?そういった情報が基本的にない。これがOEMのデメリットですね。
国産OEMだと『DOZO(ドウゾ)』ってフードはOEMでありながら製造工場を公開しています。こういうフードもあるので、もう少し情報を公開して欲しいところ。−5点
→DOZO(ドウゾ)|馬と鹿を使用した国産プレミアムドッグフードを徹底解説
実を言うとどの工場で製造しているか予想はつきますけどね。100%自信がある訳じゃありませんが、多分ここだろなーってのはあります。これは私がドッグフードを調べまくっているから予想が付くだけで普通はわからないと思います・・・笑
レオレアは人工の酸化防止剤・着色料を使用していないか(10点/10点)
こちらについては問題ありません。危険とされている人工の酸化防止剤や意味のない着色料などは使用されていません。
レオレアの製造方法について(5点/10点)
当サイトではドッグフードをどのように製造しているか?これについても重要視しています。
どのようにドッグフードが製造されているか?飼い主としては知っておきたいですよね。ただレオレアについては製造方法に関する情報が一切ない。公式サイトには記載されていません。
先ほど安全への取り組みの項目で、間違いなくOEMでどこの工場で製造しているか分からないが、予想はできると言いました。その理由がこの丸い形状です。
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ドッグフードってほとんどのものがエクストルーダーという機械で作れれていますが、エクストルーダーではこの形にならない。
で、丸い形状で国産のプレミアムドッグフードといえば・・・ドットわんってフードがあります。
ドットわんは株式会社ピュアボックスというところが製造・販売しており、マルメライザーというドッグフードではかなり珍しい機械を採用しています。
株式会社ピュアボックスはOEMも受けているので、ここな気がする。
ドットわんの場合だと、エクストルーダーではなくマルメライザーを使用している意図(デンプンのα化など)がわかるのですが、レオレアに関しては一切の情報がないので評価しにくいですね・・・
いずれにせよ公式サイトの情報量が少なすぎます。あえてエクストルーダーじゃない製法ならばそこをしっかり説明しておくべきでしょう。
レオレアはスペックに見合った価格であるか?2点/10点
最後に価格について。当サイトでは単純な価格ではなく、スペックに合った価格なのかを評価しています。良い原料やこだわった製法で高くなら仕方ない。しかし大したフードじゃないのに高すぎるものが多いので。
レオレアの価格ですが、800gで2,700円。kg単価だと3,375円/kg。どう考えても高すぎますね。一応定期購入すれば10%オフまで安くなりますが、それにしても高い。
この内容でこの価格はコスパ悪い。価格に関しては2点/10点評価とします。
レオレアの総合的な評価は62点!あえてこれをオススメする理由がない
さて、レオレアの総合的な評価は62点となりました。
正直あえてこれをオススメする理由がありません。この価格ならもっと内容的に良いものいくらでもあります。
国産のプレミアムドッグフードでよくあるパターンのフードですね。原材料に生肉を使用。産地なども表示してヒューマングレードをアピール。それ自体は良いが、全体的な内容としては良いものとは言えない。それでいて高すぎる価格設定。
この手のフードはいくらでもあります。なので差別化するために『マイカルテ』機能を搭載してのだろうと思いますが、そのマイカルテも機能としては微妙・・・
公式サイトにこんな記載があるんですよ。
- 愛犬の写真と名前がパッケージに! カルテ作成で届く良質ドッグフード
- 愛犬に合ったドッグフードを つくってくれるサービス
- レオ&レアは、「選ばない(提案してもらう)」という選択肢を提示してくれる 新たなドッグフードだ
これを読むと、愛犬に合ったオリジナルフードを配合設計してくれる、そんな印象を受けませんか?
しかし実際のところは2種類しかない商品ラインナップから適正給餌量を算出してくれるだけ。ちょっと誇大表現な気がしますよね。やろうとしている事は理解できますし、面白いと思いますが・・・今の時点ではむしろ悪い印象を受けます・・・笑
今後に期待ですね!
では今回はこの辺で。こちらに当サイトが紹介したフードで評価点が高かったものをランキング形式にて紹介しています。よかったらこちらも参考にしてみて下さい。