ドッグフード評価記事

宿南章獣医師の開発したドッグフード|デイリースタイルについて解説

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※当サイトではアフィリエイト広告を利用している場合があります。

 

ドッグフードにおける広告についてこちらの記事で説明しておりますので、良かったら読んでみて下さい。

ドッグフード評価サイトにも『ステマ規制』!当サイトの広告について改めて説明しておきます!

 

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さて、今回紹介するドッグフードは獣医師の宿南章先生が開発した『デイリースタイルプレミアムドッグフード』です。国産の無添加をウリにしているドッグフードですね。

 

たまにInstagramでも広告見かけるし気になっている方もいるのではないでしょうか?

 

 

プレミアムドッグフードって大体が獣医師『監修』ってもの多いですが、監修って結局名前を貸しているだけで獣医師自体が開発した訳ではありません。このフードに関しては獣医師自体が開発しているのでそこの信用がある、って考える方も多いかと思います。

 

ただ獣医師がドッグフード に詳しいのか?となるとちょっと疑問な点もありますけどね。

 

実際に『デイリースタイルプレミアム』の公式サイトや楽天などネットショップに記載されている情報を調べてみましたが、間違っている事。ちょっと誇大な表現、など多い

 

ちなみに何で間違っているとわかるか?私は飼料メーカーで働いていた過去があり、配合設計段階から実務でやっていたからです。

 

では解説していきますね。

 

宿南章のドッグフード『デイリースタイル』はどんなフードか?原材料および保証成分

まずは原材料と保証成分を見ておきましょう。

 

DailyStyle(デイリースタイル)プレミアムフード 原産国:日本 内容量:1kg
【原材料表示】

鹿肉(生)、牛肉(国産)、焙煎玄米、小麦、動物性油脂(牛脂、バター)、大豆、麹、酵母、ココナッツ油、白身魚、クマザサ(天然)、海藻、L-メチオニン、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、クロール、ナトリウム、亜鉛)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、E、D、ナイアシン、パントテン酸Ca、コリン、葉酸、ビオチン)

【保証成分】

タンパク質 30%以上、粗脂肪10%以上、粗繊維2%以下、粗灰分:9%以下、水分 10.5%以下

 

価格:4,752円(税込)/1kg

 

成分的にはそこそこタンパク質は高く、やや低脂質。主原料は丹後産の国産鹿肉を使用しているらしいです。製造方法はタンパク質の変性を防ぐ低温調理・低温1気圧製造・・・と言っていますが、これは低温押し出し式、海外だとコールドプレス製法とか呼ばれるもので、別に珍しい製法ではありません。

 

この製法について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみて下さい。

 

 

価格はかなり強気な4,752円/kg。プレミアムドッグフードの中でも高い部類ですね。一見良さそうではあるが、悪いとは言わないけど、コスパは悪いフード。だと感じます。また冒頭にも言いましたが、公式サイト上に間違った事を書いているのはよろしくないですね。

 

デイリースタイルのタンパク質について|生肉のデメリット

まずタンパク質について。このデイリースタイルは丹後産の鹿肉を使用。ドッグフードの原材料表示は使用している原料のうち重いものから記載するルールがあります。一番最初に記載されるものを第1原料と呼んだりしますが、このフードの第1原料は鹿肉(生)です。

 

私がこのフードの原材料・保証成分を見たときにまず感じたのは『これでタンパク質30%になるか??』でした。

 

この鹿肉って乾燥などされておらず『生』の状態です。で公式サイトにはこのような表記がある。

 

 

40%使っていれば40%と書くでしょうし、これは30%と見たら良さそうですね。

 

生肉って動物の種類や部位によって若干数値は違いますが、7割くらいは水分です。つまりほとんど水なのでタンパク質や脂質などはそこまで多くない。では100g中に含まれる鹿肉のタンパク質はどれくらいかと言うと、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によれば100g中に含まれるタンパク質は23.9gとなります。ちなみに水分は71.4g。

食品成分データベース

 

これ100g中なので30gだったら・・・7.17gとなる。保証成分の30%に遠く及ばないですよね?

 

もちろんタンパク質供給源は鹿肉だけじゃなく、その他の原料もなんですが、牛肉も生肉ですのでそこまで多くない。多く見積もっても動物性由来のタンパク質は100g中10gくらい。

 

では足りない20%はどこから供給しているのか?となると主な供給先は『焙煎玄米』でしょう。小麦や大豆からも供給されていますが、割合として多いのは焙煎玄米と予想できます。

 

『焙煎』というのは熱を加えて水分を蒸発させている。つまり乾燥しているので、当然ですがタンパク質の割合は高くなります。ここでタンパク質の補強を行っている訳ですね。

 

別に植物性のタンパク質が悪い・・・とは言いませんが、商品紹介ページにはこんな事書いていました。

 

 

生肉自体は良い原料なんですよ。ドッグフードって熱との勝負みたいなとこあって、熱を加えれば加えるほど栄養素は劣化します。ただし水分が多いのでタンパク質を確保するのは難しい。

 

で、どうするかと言うと高タンパクの海外製プレミアムドッグフードの場合、乾燥させた動物性原料を同時に使って動物性タンパク質を確保します。高品質なものですと乾燥工程も低温で行いタンパク質の変性を出来るだけ防いでいるものもあります。

 

このフードの保証成分タンパク質は30%。推定動物性タンパク質が10%とすると10÷30×100=33%。つまり全タンパク質中の動物性タンパク質は3割くらいと予想できますが、海外製だと80%以上のものもありますからね・・・

 

ついでに言えば植物原料も穀物多いし、小麦使っているけど、小麦ははっきり言ってメリットない。栄養的にもアレルギー傾向的にもね。

 

ロイヤルカナンの発表した犬の食物アレルギー原因原料グラフ

royal canin grain free diets or badより

 

Wheatが小麦ですが、まあまあ傾向高いです。

 

デイリースタイルの脂質について|オメガ3脂肪酸源が弱い

次に脂質源について。犬にとって必須脂肪酸、つまり食べ物から摂取しなければならないものはオメガ6脂肪酸(リノール酸)とオメガ3脂肪酸(αリノレン酸、EPA、DHAなど)になるのですが、品質の良いドッグフードはこのオメガ6、オメガ3のバランスについて考えられています

 

このフードの脂質源は動物性油脂(牛脂、バター)がオメガ6(リノール酸)源となっています。ココナッツオイルは中鎖脂肪酸(MTC)を多く含み素早く消化・吸収されエネルギーなるって特徴があって少量配合するには良いと思います。

 

が、オメガ3供給源がイマイチなんですよね。脂肪酸の話を詳しくすると長くなるので興味のある方はこちらを読んでみて下さい。

 

 

国産のドッグフードってオメガ3が弱点と考えています。それでも亜麻仁を使ったりとプレミアムドッグフードでは一応考慮されているが、このフードは亜麻仁すらない。

 

脂質源については・・・あまり評価できない内容ですね。

 

全体的な仕上がりとしてはそこまで悪くはないと思うのですが、値段が値段ですので・・・正直オススメはできない。これが当サイトの見解です。

 

宿南章のドッグフードで間違っている事|誤解されやすい表現まとめ

では公式サイトや販売サイトの間違っている事、やや誇大広告っぽい表現などを紹介していきます。

 

ドッグフードって無数に種類ありますが、公式サイトに書いている事、実は平気で間違っている事多いです。獣医師って事で期待しましたが、このフードもまあ・・・同じような感じですね!

 

無添加の見分け方は完全に間違っている|圧力調整で何とでもなる

これは完全に間違いです。

 

ドッグフードって多くのものはエクストルーダ〜という機械で製造されています。その特徴は高圧で加工されるので、粒が膨化する(ちょっと膨らむ)。つまり比重が軽くなります。だから浮きます。

 

ただし圧力を調整すれば沈ます事も可能。エクストルーダーって魚の養殖用資料でも使われる機械ですが、室内養殖のヒラメの餌は浮くよう比重を軽く、海上養殖のブリの餌は浮かぶと波に流されて食べれないので沈むように、と圧力を調整しています。

 

添加物なんぞ関係ない。

 

続けてこんな事言っていますけどね。

 

沈まないという事は、食刺激香味や油脂類の吹きかけ、かさ増しのため発泡剤の使用、高温・加圧加工されている可能性があります。

さらに水を入れてから10分ほど経過してからフードの形状を確認して下さい。

フードの形状がほぐれてきていないものは、食材の炭水化物が糊化、タンパク質は溶融性変性している可能性が高いです。

 

この中で高温・高圧加工されている可能性があります・・・は確かにそう。エクストルーダー製は浮く場合が多い。ただそれが悪とは言えず、オイルの後添加には色々とメリットがある。これについて詳しく知りたい方はこちらの記事を↓↓

 

 

炭水化物の糊化、つまりデンプンのα化と呼ばれる現象ですが、α化させないと犬にとって消化めっちゃ悪くなりますからね??エクストルーダーは高温・高圧で加工されるのでα化されますが、この手の低温押し出し式はα化されないので、事前に調理してα化させたものを原料として使うのが鉄則です。

 

このフードはα化しているのか不明。下痢にならないかちょっと心配になります。

 

『かさ増し』って言葉を使いたがるサイト多いですが、ドライフードって多少の炭水化物源は必要です。ハンバーグのつなぎのような役割も担っているので、粒を形成するためには使わざるを得ない。これが高タンパク・高脂質で炭水化物否定派の海外製ドッグフードでも豆とか芋が使われている理由ですね。

 

そもそもこのフードも『焙煎玄米、小麦』使っているじゃないか・・・と。

 

ちょっとこの説明は低温押し出し式をよく見せるための表現でしかない、と感じます。

 

そもそもこのフードは『完全』無添加ではない

こう書かれると『完全無添加のフード!』って思いませんか??

 

これね、言葉遊びみたいなもので、無添加って表現を使う時は〇〇が無添加、って感じで使われます。この場合だと油脂や原材料【に関しては】完全無添加って事。

 

栄養添加物のビタミン・ミネラルについては人工的に作られたものです

 

ビタミン・ミネラルについて人工のものが悪い、って事ではなく、ビタミン・ミネラルに関しては原材料由来のものだけで犬の要求量満たすのは困難。なので例外はありますが、基本どのドッグフードも栄養添加としてビタミン・ミネラルは人工のもの使っています。

 

ちょっとこの書き方は・・・フード自体が『完全無添加』と誤解を生むのではないでしょうか??

 

ドッグフードの『無添加』とか『ナチュラル』ってこういうの多く、こちらの記事で詳しく説明しておりますので興味のある方は読んでみて下さい。

 

 

獣医師監修ではなく、『開発』という信頼性で売れるだろうが・・・当サイトが伝えたい事

このフードって獣医師『監修』ではなく、『開発』ってのがポイント。その信頼性は高くおそらく結構売れている気がします。

 

でも今回の記事内容を信じるか信じないかは読者さん次第ですが、別にそんなに良いフードとは思わない訳ですよ。まあ国産のプレミアムドッグフードってなんの工夫もない中身一緒のOEMフードが蔓延していますので、それらと比べれば同じかちょっと良いくらいかな。そんな印象。

 

公式サイトに『一切妥協はしません』みたいに書いていましが、まあまあ妥協していると感じます。価格も重要な要素ですので妥協する事は悪いとは言いませんが、このフード高いですからね。

 

でね、いきなり話変わるのですが、最近スレッズってSNS始めてみました。Instagramの親戚みたいなTwitterっぽいSNSです。そこで自称犬の専門家みたいな人がマジで訳のわからん事投稿していました。

 

何を目的にやっているんだろ、って調べてみると超高額なカウンセリングやっている。そこに誘導しようとしている訳ですね。

 

我々愛犬家は自分は多少腐ったもの食べても良いけど、ワンコには可能な限り安全で品質の良いもの与えたい。そんな方が多い。そこにつけ込んでいる。

 

獣医師開発でさえこんな感じですので・・・1つの情報源だけを信じないようにして下さい!

 

もちろん当サイトもです!当サイトではドッグフードのお悩み相談をしていますが、バシッとアドバイスした事がハマると、完全に信用してくれる。嬉しい事なんですが、『この人、私がオススメしたもの全部買うんじゃないだろうか・・・』みたいな事、結構あります。

 

これはよろしくない。

 

身も蓋もない言い方になりますが、どのワンコにも合うフードなんてないし、このフードを与えてたら病気にならない、とかもあり得ない。しつけ方法とかもそう。絶対に正解の方法なんてない。

 

必ず複数の情報をリサーチして、どの情報が信用できそうか?って考えてみて下さい。その時に当サイトが選ばれる存在になりたい。そう考えています。

 

ではでは今回はこの辺で。こちらにオススメのフードをまとめておりますので、良かったら参考にしてみて下さい。

ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています

 

当サイトでは主にドライフードに関する記事を書いていますが、こちら1記事だけオヤツに関しての記事書きました。

アレルギーを除き全てのワンコにオススメ。特に肉系のオヤツ を与えている方はぜひ魚系も取り入れてやって下さい!

金虎はおさかなドッグフードだけじゃない!オヤツもオススメな理由

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