ドッグフードの知識

コールドプレス製法のドッグフードとは?エクストルーダー製と比較

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※当サイトではアフィリエイト広告を利用している場合があります。

 

ドッグフードにおける広告についてこちらの記事で説明しておりますので、良かったら読んでみて下さい。

ドッグフード評価サイトにも『ステマ規制』!当サイトの広告について改めて説明しておきます!

 

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今回はドッグフードの製法について。先日このような質問がコメント欄にありました。

ケンネルズフェイバリットというドッグフードの評価依頼ではあるのですが、この質問者さんが本当に悩んでいる事って、ケンネルズフェイバリットが良いか悪いか?って以前に、コールドプレス製法が気になっているのだがどうだろう??

だと思います。

品質の良いドッグフードを与えてあげたい。そして特に消化吸収性の良いものを重要視している。色々と調べるとドッグフードはエクストルーダーという機械で作られている事がほとんど。それは高温・高圧で加工されているためタンパク質の変性など栄養素の劣化というデメリットがある。

さらに調べていくと『コールドプレス』という製法があるって知った。エクストルーダーに比べて低温だし、メリットが多そう!!これ良いのではないか!?

で、コールドプレス製法で日本だと最も有名な『トライバル』ってフードについて当サイトの記事を読んだが、あまり積極的にオススメしてなくてちょっとへこんだ。

ではケンネルズフェイバリットはどうなんだろう??おそらくこのよう流れ。

今回いつものようにケンネルズフェイバリットについて細かく評価していこうかとも思ったのですが、依頼者さんの本質的な悩みは『コールドプレス製法がどうなのか?』と感じます。

という訳でケンネルズフェイバリットには簡単に触れるとして、コールドプレス製法について解説していきます。

お知らせ:試験的にYouTube始めました!今回のコールドプレスやエクストルーダーの特徴については動画投稿しましたので、こちらの方が分かりやすいかもです。

https://youtu.be/PTGaHLJ0bck?si=ukbnxQUjpU1IRV1e

コールドプレスvsエクストルーダーという議論は海外でよく活発に行われている

日本だとドッグフードについて飼い主さんへの訴求方法・・・つまり商品(ドッグフード)の良さをどのように感じてもらうかのアピール内容(広告内容)は原材料の品質、無添加、獣医師推奨・・・とかまあこんな感じが多いですよね。

ドッグフードがどのように作られたものなのか??ってのはあまり重要視されていません

海外だとドッグフードを調べていると・・・『cold pressed dog food VS extruded dog food(kibble)』みたいな感じでどの製法が良いのか?って議論がよくされています。

ちなみに『extruded dog food』とはエクストルーダーで作ったドッグフードって意味で、その粒は『kibble(粒)』と呼ばれています。

正確な数値かは不明なのですがドライフードのうち95%がエクストルーダーと言われています・・・まあほとんどがエクストルーダーであるのは間違いない。

で、ほとんどがエクストルーダーですので、それに対抗する製法としてコールドプレス製法が出てくているって事ですね。実はこのエクストルーダーとコールドプレス、私がいた飼料業界ではそれぞれEP、DPと呼ばれていたのですが、その簡単な違い、特徴は過去記事で既に説明しております。記事はこちら↓↓

 

 

国産でプレミアムドッグフードに限定するとエクストルーダーとコールドプレスは良い感じで拮抗してます。私の予想では今後国内で『コールドプレス』は増えてくるはず。

皆さんうすうすお気づきかと思いますが、ドッグフード業界は広告色がかなり強い。これは海外でも同じで、広告の有効な手段として『不安を煽る』ってのがある。ほとんどのものがエクストルーダー製なのでそのデメリットを強調する。

不安を煽ってコールドプレスに誘導していく訳ですね。海外ではそんな傾向があって、日本は海外の後追いする事が多く、同じような流れになるんじゃないかなーと。

最近販売されたドッグフードでWITHMEALの『きほんの馬肉ごはん』ってのがあるのですが、これがまさにそんな感じ。多分こういうフード増えてくると思う。

 

『コールドプレス製法』って名称がマーケティング要素強い|ドッグフードに実際どうなのか?

思う事があってですね、誰が言い出したのか知りませんが、『コールドプレス製法』って名称自体がマーケティング要素・・・つまり広告ちっくな気がする。

というのも、そもそも本来の『コールドプレス製法』って熱を加えずにオイルや果汁(ジュース)を搾り出す製法のことを言います。これは『低温圧搾製法』とか『冷間搾汁』とも言いますが、日本だと30℃以上の熱をかけない事が条件。

海外(EU)だと『27℃以下で圧縮、抽出された事を証明する』品質保証として使われています。

多分これとごっちゃになっている人が多い。

ドッグフードにおける『コールドプレス製法』は70〜100℃くらの温度にはなります。エクストルーダーは200℃近くになる場合もあるのでそれと比べれば低温ですけどね。

※低温で加工しているエクストルーダーもあるにはある

さらに言うと『コールド』と言う表現が凍らせているような誤解を生んでいるケースがある。今回の依頼者さんから評価依頼のあった『ケンネルズフェイバリット』ですが、とある販売サイトで販売者すら認識間違っています。

 

 

フリーズドライってドッグフードの加工の中では一番加工賃高いです。わざわざフリーズドライにしてから再加工する訳ないですよね・・・

(一部ドッグフードにはフリーズドライを混ぜ込んでいるものもあるにはありますが)

販売者ですらこんな感じ。一般の飼い主さんだと勘違いしても仕方ない。

では実際に製法的にどんなものか?ってなると原料を乾燥させて粉砕し粉状にし混ぜる。それをローラーによって押し固めているだけです。

こう表現するとショボイと感じるかもしれませんが、今は流行りのフレッシュフードとか調理して冷凍しただけ。生肉なんて何も加工していない。そのまま。でしょ?

加工度が低いって事は別に悪くないです。実際にメリットも色々とある。

 

コールドプレス製法のドッグフードの利点は?エクストルーダーとの比較

ではコールドプレス製法の利点とは何なのか?利点というかエクストルーダーと比較した場合、何がメリットなのか??ですね。

先に言っておきます。これはどっちが良い、悪いかではなく、どっちにもメリット、デメリットがある。

ドッグフードに正解なんてものはありません。

 

コールドプレス製法をアピールする動画としてよく出てくるコップの動画について

まずコールドプレス製法をアピールする動画で必ずと言って出てくる動画がコップにそれぞれフードを入れた比較動画ですね。これ↓↓

 

ちなみにこれはGuruってドッグフードでイギリスのプレミアムドッグフードです。そこが提供している動画。日本では売っていないフードです。結構良いフードだと思いますが残念。

で、この動画で言いたい事はコールドプレス製法だと水に入れたらすぐバラバラになる。エクストルーダー製はずっと形が残っているので消化されにくい。って事です。

これなんですが、確かにコールドプレス製法は先ほども言った通り『 押し固めているだけ』ですので簡単にバラバラになります。

でも動物の体内でこんな静止状態ってことはあり得ないですよね。口から肛門までの消化管では食べたものを移送し、消化するため運動を行っています。蠕動(ぜんどう)運動で食べたものを運び、腸内では分節(ぶんせつ)運動で食べたものを砕き消化液と混合、粘膜との接触を増やして消化吸収しやすくする・・・と。

つまりこれだけ見てコールドプレスが消化しやすい・・・と思うのはどうなんだろう、と。

全く同じ成分値のフードを比較するのであればコールドプレスの方が消化吸収性は良いかも知れませんが、気にするべきは品質の良い原料、そして消化吸収しやすい原材料なのか?そちらの方が重要です。

あとたまに『水に浮かぶドッグフードは品質悪い』って書いているサイトありますが、これは間違い。エクストルーダーは高温・高圧で加工されますが、圧力かかっているので1気圧になると膨化・・・つまりちょっと膨らみます。

 

ドッグフードを製造するエクストルーダーのシステム図解

 

なので比重が軽くなる。圧力は調整できるので比重を重くすれば沈みます。ただそれだけの事。

エクストルーダーは魚の養殖用飼料でもよく使われる機械ですが、ヒラメの餌は浮きます。マダイの餌は沈みます。圧力を調整する事で何とでもなる。

つまりこの動画だけでコールドプレスが良い・・・ってのは判断できない、って事ですね。

 

コールドプレスの低温について|栄養素の劣化が少ない、これは事実

エクストルーダーは高温・高圧で加工されるためタンパク質の変性など栄養素の劣化がある。コールドプレスなら低温での加工になるので栄養素の劣化は少ない。これは事実です。

ただこれもあくまで全く同じ原料・成分スペックであった場合の話です。

コールドプレスって加工自体は単純なので水分の多い生原料を加工するのには向いていません。つまり動物性タンパク源をガッツリ配合した内容のフードは製法上厳しい。

エクストルーダーって先ほど図でどんなものか説明しましたが、スクリューがついていて原料を練りながら押し出す、そんな機械です。2軸のエクストルーダーと言いますが、スクリューが2本ついていて加工能力が非常に高いものもある。

海外製だと8割以上動物性タンパク源を使用しているフードも珍しくないですが、これは2軸のエクストルーダーを使っているから可能なんですね。

植物性のタンパク質と動物性のタンパク質・・・どっちが犬にとって消化しやすいものかと考えた場合、そりゃもちろん動物性タンパク源。

同一スペックで考えた場合、コールドプレス製法のものは検討する価値あります。ただ高スペックのフードってコールドプレスじゃ作るの不可能。高タンパク、高脂質のガッツリしたスペックで品質の良いもの・・・ってなるとエクストルーダーの方が強い。

またエクストルーダーは高温・高圧で加工するため植物性原料に含まれるデンプンがα化し犬が本来吸収しにくものが吸収しやすくなる。そんなメリットがあります。コールドプレスはそれがないため、例えば米なら事前に炊いて調理しα化させてから加工しないと消化吸収性が非常に悪くなります。

原料の事前調理を行なっているか?ってのはメーカーによって説明しているものもあれば、不明なものもある。

このように原料面でもコールドプレスが優っている・・・とは言いにくく、結局のところ高品質な原料を使用しているか?こっちの方が重要になってきます。

 

コールドプレスとエクストルーダーを比較した場合、安全性と安定性は間違いなくエクストルーダー

ドッグフードを選ぶ時に最も重要視する事って『安全性』ではないでしょうか?

私たち人間は少々腐ったもの食べても良いが、愛するワンコ達にはそういう訳にいかない!!

って思っているのは私だけでしょうか・・・笑

エクストルーダーの最大のメリットって高温で加工されるので殺菌効果がある、って事です。

食中毒の有名どころ・・・サルモネラ、病原性大腸菌、カンピロバクターは75℃以上、1分間以上の加熱で死滅。ノロウィルスは85℃以上、1分間以上で死滅します。

さっきチラッと紹介した『Guru』ってドッグフードなんか加工温度が50℃とめちゃ低温。これ自体は凄い事ですが・・・ちょっと怖くないです??

もし変な原料混ざっていたとしてもエクストルーダーであればややこしい菌はほぼ死滅する。これが最大のメリットと思っています。

ただ消化酵素なども失活しちゃうんですけどね。まあこれは安全性に比べれば些細な問題。

 

酵素ってよく議論されますが、酵素ってそもそもタンパク質なので酵素を食べたからといって体内でうまく機能するか?となると正直微妙なところ。タンパク質なので消化分解されてアミノ酸になる・・・と考えるのが普通です。

また参考になる文献・論文などあれば紹介していくようにします!

 

言葉は悪いですが、エクストルーダーなら少々安価でよろしくない原料を使っていてもそれなりの仕上がりになる。フードの安全性、安定性ってなった場合、これは間違いなくエクストルーダーの方が強い。

これが当サイトが特別な理由がなければエクストルーダーを推奨する最大の理由です。

 

コールドプレス製法でオススメするフード|国産も検討する価値あるがトライバルかな、と

ではコールドプレス製法でオススメするフードは何か?

ってなるとやはり海外製ならトライバル一択かな、と。ただし炭水化物の割合多いフードとも言えるし、もう少しタンパク質多くしたいのであれば国産も検討する価値あり。

今回依頼者さんから評価依頼のあった『ケンネルズフェイバリット(プティ)』がありますが、この原料および成分はこちら

ケンネルズフェイバリット(プティ) 日本表記原産国:オランダ
【原材料表示】

調理済ヤングコーン 調理済みのお米 脱水鶏肉 調理済みオートフレーク 動物性タンパク質抽出物 乾燥ビートパルプ(ペクチン豊富)全卵粉 イースト(マンナンオリゴ糖の天然源)鶏脂肪(ビタミンEの天然源 混合トコフェロールで保護)プレミアムピュアサーモンオイル ミネラル 深海サメ軟骨(グルコサミンとコンドロイチンの天然源)コンドロイチン硫酸塩 甲殻類と軟体動物のエキス(グルコサミンとコンドロイチンの天然源)ユッカ抽出物 酸化防止剤で天然由来のトコフェロールリッチエキス

【保証成分】

タンパク質 : 28%以上、脂質 :8%以上、灰分 : 5.6%以下、粗繊維質 :4.5%以下、水分 :8%以下

カロリー:3568kcal/kg

 これ保証成分値上の脂質が8%なんですが、AAFCOの幼犬基準値は8.5%(乾物時)なんですが、このフードを水分のない状態の乾物状態に計算しなおすと・・・

(8)÷(100-8)=8.695

ギリギリクリアしているのですが、流石にこれはパピー用として少ない

 成犬用も見ておきましょう。

ケンネルズフェイバリット ラム&ライス
【原料】

調理済みライス、調理済みオート麦フレーク、脱水ラム肉、調理済みヤングトウモロコシ、動物性タンパク質エキス、乾燥ビートパルプ(ペクチンが豊富)、家禽脂肪(ミックストコフェロールで保存、天然のビタミンE源)、酵母(マンナンオリゴ糖(プロバイオティクスMOS)の天然源)、ブドウ糖、プレミアムピュアサーモンオイル、イヌリン(チコリの根から抽出、 フラクトオリゴ糖(プレバイオティクスFOS)の栄養源)、ミネラル、純粋なニュージーランド緑イ貝Perna canaliculus(グルコサミンとコンドロイチン硫酸の供給源)、深海鮫軟骨(グルコサミンとコンドロイチンの天然供給源)、コンドロイチン硫酸、甲殻類と軟体動物の抽出物(グルコサミンの天然供給源)、ユッカシジゲラ抽出物。

【保証成分】

タンパク質 : 22.0%以上、脂質 :8.00%以上、灰分 : 6.50%以下、粗繊維質 :3.00%以下、水分 :9.50%以下


カルシウム:1.35% リン:0.80%

低タンパク・低脂質のフードとなりますが、22%の保証成分値あれば生肉主体でも設計できますし、タンパク質と脂質が少ないって事は炭水化物が多くなるって事(このフードは51%が炭水化物)。

 まあ・・・脱水ラム肉というのは要するにラムミールの事ですが、これは水分飛ばしてタンパク質を濃縮したような原料。動物性タンパク質源としては優秀なものですが、ミールにしているって事は既に熱加工されているものって事でもあるんですね。

低温加工がウリのコールドプレス製法なので、だったら生肉主体のトライバルの方が良いかな、とは感じます。

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実は本音を言うとコールドプレスならビルジャックがオススメなのですが、あれは賛否ありますからね・・・

よかったらこちらの記事も読んでみて下さい。

では今回はここまで。こちらに当サイトで評価の高かったフードをまとめたランキング記事を作成しています。フード選びに迷ったらこちらもぜひ参考にしてみて下さい。

ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています

 

当サイトでは主にドライフードに関する記事を書いていますが、こちら1記事だけオヤツに関しての記事書きました。

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