エンパイアは2023年8月より商品リニューアルしています。配合内容・成分値など大幅に変わっているので、こちらの記事も修正いたしました。最新の内容となっているのでご安心下さい。
さて、今回紹介する『エンパイア』ですがポーランド産のプレミアムドッグフード。大きな特徴としては主原料に『ジビエ』を多く使用している事ですね。
ジビエとは
ジビエとは『野生鳥獣肉』という意味で、要するに畜産ではなく狩猟によって捕獲した肉の事。
ジビエは高タンパク、低カロリーでビタミン・ミネラルが豊富。特に犬にとって不足しがちな鉄・亜鉛が豊富に含まれる。さらに摂取しにくいDHAなどオメガ3脂肪酸も含まれているし、低アレルゲン!犬にとっては理想的な動物性タンパク源と言えます。
鹿肉などを使用しているフードは他にも多数ありますが、エンパイアは鹿意外にもイノシシやキジ、ヤマウズラ、鴨など様々な種類のジビエ肉を原料として使用しています。しかもそれらの肉は冷凍すらしない生の状態のものを原料にするというこだわり・・・
原材料や成分値について公開されている情報量も多く、素晴らしいフード。これ以上のドッグフードを探す方は難しい・・・そんなフードです!
ただこのフードは2023年8月にリニューアルされており、販売当初に比べるとフードのコンセプトが違っています。
おそらくですが、販売当初からエンパイアを知っている方は『ジビエ肉が80%くらい使用されており、高タンパク・高脂質なかなり運動量多めのわんこ向けフード』、こんなイメージではないでしょうか??
リニューアルしてからはかなり内容変わっており、タンパク値はやや下がっています。高タンパクだから選んでいた方はアカナ・オリジンあたりに移行するのが良いかもですね!
アカナ・オリジンを購入するなら楽天のこのショップがオススメです!価格も安いし、倉庫が温度管理されている。アウトレット商品(賞味期限が近いもの)などもあってお得に購入できる場合も。私自身このショップのヘビーユーザーです!!
アカナ・オリジン以外にも品質の良いフード多数扱っているのでぜひチェックしてみて下さい。
ただ逆に言えば高スペックすぎるフードではなくなったので広くオススメしやすいフードにもなったと言えます。という訳で今回はリニューアル後のエンパイアについて解説していきます!
エンパイアにエンパイア・プライムという商品が新発売されました。こちらはラム使用率約90%、単一プロテインのフード。これについては別記事で紹介しておりますので、興味のある方はこちらの記事を読んでみて下さい。
EMPIRE(エンパイア)はどんな会社が販売しているドッグフードなのか?
当サイトではドッグフードの原料や栄養成分などから製品性能を評価しています。
ただどんな会社が販売しているドッグフードなのか?これを知っていた方が安心できますよね??なので評価点には加味しませんが、販売している会社情報もお伝えするようにしています。
エンパイアを販売している会社はリードバディ株式会社が販売元となります。この会社は神戸にある会社でペットフードの輸入販売などを行っている会社ですね。エンパイア以外にもトライプ原料にした『ペットカインド』のシリーズを販売しています。
トライプとは
牛や羊など4つの胃を持つ動物を『反芻(はんすう)動物と呼びますが、その胃の事です。焼肉で言うと第1胃:ミノ、第2胃:ハチノス、第3胃:センマイ、第4胃ギアラ。ドッグフードには第1胃、第2胃が原料として使われている事が多い。

ペットカインド トライプシリーズ
ペットカインドはペットショップなどでも販売されているドッグフードなのでパッケージをみた事ある方も多いのではないでしょうか?エンパイアはこれを販売しているのと同じ会社が販売元。
ペットカインドについての記事はこちら↓↓
エンパイアはリニューアルしてどう変わったのか?ポーランドの公式サイトも見ると面白い事が・・・
さてではエンパイアはどのようなリニューアルをしたのか??旧配合と新配合を見比べてみましょう!
成犬用の『アダルトデイリー小粒』という商品を例に説明していきますね!旧配合がこちら
旧配合
新鮮な鹿肉、乾燥ラム肉、新鮮なイノシシレバー、スイートポテト、新鮮なイノシシ心臓、乾燥イノシシレバー、鹿脂肪、キクイモ、乾燥イノシシ心臓、グリーンピース、すりおろしリンゴ、パイナップル、カシス、甜菜繊維、アザミ、タンポポ、イラクサ、ビール酵母〘MOS源〙、サーモンオイル・亜麻仁油〘DHA&EPA源〙(ローズマリー抽出物にて酸化防止)、ユッカシジケラ、クコの実、チコリ、クロレラ、コンドロイチン、グルコサミン、タウリン、L-カルニチン、ミネラル類(鉄、銅、マンガン、亜鉛、セレン、ヨウ素)、ビタミン類(A、D3、 E、ナイアシンアミド、B1 、B2 、B6 、B12 、C 、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビオチン、塩化コリン)、ローズマリー抽出物(天然の酸化防止剤として)
粗蛋白質 : 30.8%以上、粗脂質 : 16.5%以上、粗灰分 : 7.7%以下、粗繊維質 : 4%以下、水分 : 10%以下 ※粗蛋白のうち動物由来のタンパク質 : 85%以上
その他の含有成分 : カルシウム : 1.4%、リン : 1%、オメガ6脂肪酸 : 3%以上、オメガ3脂肪酸 : 1%以上、DHA : 0.3%、EPA : 0.2%
で、実は公式サイトから削除されているのですが、このような表記が旧配合にはありました。
79.5%(新鮮な鹿肉:41%、乾燥ラム肉:17.4%、新鮮なイノシシレバーと心臓:11.4%、乾燥イノシシレバーと心臓:5.3%、鹿脂肪:4.4%)
つまり全体に対して79.5%の肉類が使用されていて、成分値のタンパク質のうち85%が動物性由来のもの、そんな尖った内容だった訳です。これが旧配合。
では新配合はどうなったか??こちらが新配合です。
新配合
鹿肉、イノシシ肉、鹿レバー、乾燥ラム肉、ジャガイモ、乾燥キジ肉、乾燥ヤマウズラ肉、乾燥ガチョウ肉、乾燥鴨肉、乾燥七面鳥肉、鹿脂肪、イノシシレバー、乾燥鹿レバー、イノシシ脂肪、乾燥イノシシレバー、エンドウ豆、甜菜繊維、すりおろしリンゴ、イラクサ、タンポポ、ガーデンパセリ、オオアザミ、アルファルファ、リン酸二水素ナトリウム、サーモンオイル、ビール酵母〘MOS源〙、フラクトオリゴ糖、ユッカシジゲラ、L-カルニチン、グルコサミン、コンドロイチン、パイナップル、ミネラル類(鉄、銅、マンガン、亜鉛、セレン、ヨウ素)、ビタミン類(A、D3、 E、ナイアシンアミド、B1 、B2 、B6 、B12 、C 、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビオチン、塩化コリン)、ローズマリー抽出物(天然の酸化防止剤として)
粗蛋白質 : 25.0%以上、粗脂質 : 16.0%以上、粗灰分 : 7.9%以下、粗繊維質 : 3.0%以下、水分 : 10%以下
その他の含有成分 : カルシウム : 1.5%、リン : 1.0%、オメガ6脂肪酸 : 3%以上、オメガ3脂肪酸 : 1%以上、DHA : 0.3%、EPA : 0.2%
かなり大幅に変更されています。もはや全く違う内容になっているのですが、注目すべきは動物性原料の配合割合が消えたって事。ここすごく残念に思いますよね??
タンパク値が30.8%→25.0%に減っているので動物性原料の割合は減ったと思われるが、ではどのくらい減ったのか??気になると思います!
実はこれポーランド本国の公式サイトを見るとわかるんですよ。ポーランドでの原材料表示がこちら
ポーランドの表示
dried poultry meat 17%, fresh game meat 15%, fresh liver 10%, dried lamb 4%, dried liver 3.5%, fat 5% VEGETABLES, FRUITS AND WILD GROWING BOTANICAL HERBS: potatoes, peas, sugar beet pulp, apple, a mixture of herbs (Stinging Nettle, Dandelion, meadows and glades, garden parsley, milk thistle, alfalfa), sodium dihydrogen phosphate, salmon oil, brewer‘s yeast, fructooligosaccharides, Yucca shidigera L-Carnitin, glucosamine, chondroitin sulfate, rosemary extract.
crude protein 25 %, crude oils and fats 16 %, crude fibres 3 %, crude ash 7,9 %, calcium 1,5 %, phosphorus 1 %.
でもなんか表示が違うと思いませんか??
そう・・・違うのです。ではわかりやすいように動物性原料の部分だけ和訳して新配合の原料表示を比較してみましょう。
日本の新配合原料表示
鹿肉、イノシシ肉、鹿レバー、乾燥ラム肉、ジャガイモ、乾燥キジ肉、乾燥ヤマウズラ肉、乾燥ガチョウ肉、乾燥鴨肉、乾燥七面鳥肉、鹿脂肪、イノシシレバー、乾燥鹿レバー、イノシシ脂肪、乾燥イノシシレバー
ホーランドの新配合表示
乾燥家禽肉 17%、新鮮ジビエ肉 15%、新鮮レバー 10%、乾燥子羊肉 4%、乾燥レバー 3.5%、脂肪 5%
表示の仕方が全然違うだけでこれ内容は一緒なんですよ。日本のものは各原料については詳しく記載されているが配合割合(%)がわからない。ポーランドのものは原料がまとめて記載されているが配合割合まで記載されている。
なんと言いますか・・・良いとこ取りはできなかったのでしょうかね??笑
なんでこうなったのか??それを説明する前にこちらの画像を見てください。どっちがイメージ良いですか??
どう考えても『新鮮な鹿肉』が第一原料になっている方が良いイメージありますよね?
これはあくまでも予想なのですが、ポーランド本国の原料表示をそのまま和訳してしまうとイメージが悪くなる可能性があった。なので各原料を詳細に記載する事で原料表示順を変えた。そんなマーケティング的な事情があった!じゃないかな・・・と。
では結局のことろリニューアルしてどうなったのか?これはポーランド本国の表示があるので正確に判断できます。動物性原料トータルが79.5%→54.5%に減った。これは水分値が高く重い生肉の割合を減らして鳥系の乾燥肉に変更しています。なので重量としては軽くなるのは当然。動物性原料の割合がガクッと落ちた。
それに伴ってタンパク値が30.8%→25.0%に落ちた。
こんな感じですね。これだけ見ると悪くなってように思ってしまいますが、乾燥肉を使用することって悪くはない。特にエンパイアって肉は冷凍すらしないスタイル。乾燥も自社でやっているので粗悪な原料言われるミールとは異なります。
50%くらい動物性原料が入っているのは十分高品質と言って良いでしょう。
むしろ旧配合は高スペック過ぎて合うワンコが少なかったと感じます。(私は好きだったけど)
結論・・・リニューアル後も非常に良い配合内容です!ただ高タンパクフードとは言えなくなった。別物として評価する必要がある!!
エンパイアのリニューアルについて販売者のリードバディ株式会社に聞いてきた!
エンパイアのリニューアルに関して解説してきましたが、それ本当なの??って疑問に持たれるかもしれません。
ポーランドのものと日本のものって同じなのか?とか疑問を持たれるかも知れませんし、某ドッグフード系YouTubeチャンネルでは微妙に違う事言っているし・・・
てな訳で実際に話聞いてきました!
タイミング良く愛知県岡崎市で『犬市場』ってイベントがありまして(2023年10月7日〜8日開催)、そこに『ペットカインド』『エンパイア』を販売しているリードバディ株式会社が出店している。もうね、めっちゃ質問してきました!!
結論から言いますと上記解説した内容で合っています。ポーランドのものと中身は一緒。担当してくれた方もスペックは全く別物になっており、今までとは別のフードと捉えて欲しい、との事。
少し補足するとリードバディ株式会社は原料の表示で『新鮮な』という表記を無くしており、それに対する問い合わせが非常に多いと言っていました。ただ原料の品質は全く変わっていないので安心して欲しいとの事。
これ海外のドッグフードだと『fresh』を直訳して『新鮮な〜』と表示されている事って結構あります。オリジンとかアカナもそうですよね。
ただ原料の品質状態を記載するのってグレーな部分があるし、エンパイアの肉類は冷凍すらしていないと多くの飼い主さんに認識されだした、なので『新鮮な〜』と表示するのはやめたようです。
でね、何となく想像できるかと思いますが、私がこの手のペットイベントに行くとめちゃくちゃ質問します。多分ウザい客だと思います・・・笑
ただね、質問に対してマトモに回答できるかって非常に重要で、ドッグフードってOEMが多いのでちょっと突っ込んだ質問をすると答えられない事多いんですよ。今回対応してくれた方は抜群に良い対応だった。ここまで的確で納得できる回答してくれたのはちょっと他では思い浮かばない。
自社の販売する商品に対しての愛が感じられました!
ドッグフードのOEMについて。この記事・・・かなり気合入れて書きました。国産のドッグフード興味ない方も知ってて損ない内容となっているのでぜひ一読してみて下さい。
エンパイアの原材料品質・原料表示の情報量について(30点/30点)
エンパイアにはパピー用(パピーグロース)、成犬用(アダルトデイリー)、ダイエット用(スペシャルバランスダイエット)と3つのラインナップに加えて、パピー、アダルトデイリーには大型犬用の25+シリーズがあります。
ただパピーもアダルトも大型犬用も原材料表示は同じですね。今回は『アダルトデイリー』解説していきます。
エンパイアの使用原料について(15点/15点)
ではこちらがエンパイア(アダルトデイリー)の原料表示となります。
原材料表示
鹿肉、イノシシ肉、鹿レバー、乾燥ラム肉、ジャガイモ、乾燥キジ肉、乾燥ヤマウズラ肉、乾燥ガチョウ肉、乾燥鴨肉、乾燥七面鳥肉、鹿脂肪、イノシシレバー、乾燥鹿レバー、イノシシ脂肪、乾燥イノシシレバー、エンドウ豆、甜菜繊維、すりおろしリンゴ、イラクサ、タンポポ、ガーデンパセリ、オオアザミ、アルファルファ、リン酸二水素ナトリウム、サーモンオイル、ビール酵母〘MOS源〙、フラクトオリゴ糖、ユッカシジゲラ、L-カルニチン、グルコサミン、コンドロイチン、パイナップル、ミネラル類(鉄、銅、マンガン、亜鉛、セレン、ヨウ素)、ビタミン類(A、D3、 E、ナイアシンアミド、B1 、B2 、B6 、B12 、C 、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビオチン、塩化コリン)、ローズマリー抽出物(天然の酸化防止剤として)
動物性原料およびタンパク質源について
ドッグフードでは配合量の多い順に原材料を記載するルールがあり、最も最初に記載されているものを『第一原料』と呼びます。このフードだと『鹿肉』が第一原料となります。
ただ先ほども説明しましたが、ドッグフードの配合順は記載方法によって変えれる。特に生肉は重いので操作しやすい。国産のプレミアムドッグフード で生肉をアピールしているけど、実際は大した量入ってないだろ!ってのは結構あります。
先ほどポーランド本国の原料表示で動物性原料を産出してみましたが、その数値が動物性原料トータルで54.5%。十分な量があり問題ないと思います。ただ日本の表示だとジャガイモが5番にいますので、そこからのタンパク質も多少はありますね。
とは言えほぼほぼ動物性由来のタンパク質と判断して良いかと多います。
鹿肉の特性として低アレルゲンである事に加え高タンパクで低カロリーである事。また犬にとって必要不可欠な鉄分が豊富(体への吸収率が高いヘム鉄が非常に多く含まれている)、などドッグフードの原料としては非常に良い原料となります。
イノシシも高タンパク、低カロリー、ビタミンB群も豊富に含まれており非常に良い原料。
そしてリニューアル後は鳥系原料が使われる様になりました。おそらくアレルギーの関係で鳥系原料が入っているのを避けてた、って方も多いと思いますのでここは注意が必要ですね。
鶏肉(チキン)は使用していませんが、アレルギーには交差反応というものがあり、チキンアレルギーの場合はガチョウ、ウズラ、キジ、鴨と違うものではありますが避けた方が良いでしょう。
交差反応
異なるアレルゲンであっても構造が似ているとアレルギーを発症する場合があり、これを交差反応と言う。
脂質源について
次に脂質源について。主な脂質源としては『鹿脂肪』と『サーモンオイル』となっています。オメガ6とオメガ3脂肪酸について十分考慮されていると判断でき、実際に成分値も【オメガ6脂肪酸 : 3%以上、オメガ3脂肪酸 : 1%以上、DHA : 0.3%、EPA : 0.2%】と良い数値。これについては全く問題ないですね!
ちなみにリニューアル前はオメガ3脂肪酸源として『亜麻仁』も使用されていましたが、削除されています。これは気にしないで大丈夫。サーモンオイルをしっかり配合しているなら亜麻仁は不要です。
その他原料と原料全体まとめ
その他わかりにくであろう原料の説明をしておきます。
- 甜菜繊維:サトウダイコンと呼ばれる野菜から砂糖を作る過程で発生する副産物。繊維質としてドッグフードによく利用されており腸内環境を整える効果がある。
- ビール酵母(MOS源):MOSとはマンナンオリゴ糖の事。腸内環境を良好に保つ効果がある。
- ユッカシジゲラ:ユッカという植物から抽出されたもの。腸内環境を整える効果があり、便臭を抑える効果があるという研究発表がある。
- コンドロイチン&グルコサミン :関節へのサポート効果が期待できる。
- タウリン:心臓への健康維持に効果があるが、犬はタウリンを体内で合成する能力が人間に比べ低く食事から摂取するのは非常に良い。
- L -カルニチン:アミノ酸の一種。脂肪燃焼作用に効果があると知られており、肥満の予防、疲労回復にも効果あり。
野菜、ハーブ類に関してもトレーサビリティ可能なものとオーガニック認定を受けたものを使用されており、原料トータルとして十分満点評価して良い内容と言えます!
評価項目 | 点数 | 備考 | 採点 ※満点は15点 |
【タンパク質】 | |||
高品質と納得できる原材料を使用しているか? | -5〜5 | 冷凍原料不使用・ジビエのこだわり | 5点 |
動物性原料が主なタンパク質源と納得できるか? | -5〜5 | 4点 | |
乾燥系原料の品質は良いものを使用しているか? | -5〜3 | 自社での乾燥 | 4点 |
その他オリジナリティなど加点要素 | 0〜3 | 0点 | |
【脂質】 | |||
オメガ3脂肪酸について考慮された原料か? | -3〜3 | 3点 | |
その他オリジナリティなど加点要素 | 0〜1 | 0点 | |
【その他】 | |||
機能性原料を使用しているか?(プロバイオティクスなど) | 0〜1 | 十分な内容を満たしている | 1点 |
その他オリジナリティなど加点要素 | 0〜1 | 0点 | |
17点/15点 15点満点評価 |
エンパイアの原料表示の情報量について(15点/15点)
次に原料表示の情報量について。ドッグフードは原料表示は多いものから順に記載するルールがありますが、各原料が何%配合されいるかの割合までは記載する義務はありません。
国産のプレミアムドッグフードは特にほとんどが%表示されていません。ネット上でどのサイトも高評価している『このこごはん』もこんな程度の情報量です。
鶏肉(ささみ、レバー)、玄米、大麦、ビール酵母、鰹節、米油、乾燥卵黄、鹿肉、まぐろ、青パパイヤ末、モリンガ、さつまいも、わかめ、昆布、乳酸菌、セレン酵母、L -トレオニン、ミネラル類(牛骨未焼成カルシウム、卵殻未燃焼成カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グルコン酸亜鉛、ピロリン酸第二鉄、グルコン酸銅)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB 12、パンテトン酸カルシウム)
鶏肉が原材料全体のうち何%入っているのかわからないでしょ?
先ほどポーランドの表示と日本の表示を比較しましたが、工夫すれば表示順はどうとでもなる、ってのがわかって頂けたかと思います。『このこごはん』だと鶏肉の配合割合が大して高くなくても玄米、大麦で植物性原料を分散させれば・・・水分値の高い生の鶏肉であれば簡単に第一原料に表示できる、って事です。
だから当サイトでは各原料の割合(%)表示が重要!
そうお伝えしております。%表示しなければ誤魔化しはいくらでも可能。だって私が飼料メーカーで働いていた時に『人間好み』の原料表示作っていましたからね・・・笑
で、エンパイアの情報量なのですがこれ悩みました。日本とポーランド両方見れば十分な情報量ある。でも普通そんな事しない・・・日本のものだけだと満点評価はしにくい・・・
悩みましたが、まあネット上に公開されている、って事でおまけで満点評価にしておきます。
エンパイアの栄養成分値・栄養バランスについて(20点/20点)
次に栄養成分について。保証成分はこちらになります。
保証成分
粗蛋白質 : 25.0%以上、粗脂質 : 16.0%以上、粗灰分 : 7.9%以下、粗繊維質 : 3.0%以下、水分 : 10%以下
その他の含有成分 : カルシウム : 1.5%、リン : 1.0%、オメガ6脂肪酸 : 3%以上、オメガ3脂肪酸 : 1%以上、DHA : 0.3%、EPA : 0.2%
359kcal/100g
当サイトでは栄養成分値の項目に関しては基本的に満点評価となります。これはベストな栄養成分なんてものはワンコそれぞれによって違いますので。
どうしてもエンパイアは高タンパクなイメージがまだ残っているので違和感がありますが、タンパク質25.0%は中タンパクな部類。高タンパクなフードではなくなりました。
当サイトの看板犬、ウェペットのごまちゃんみたいに寝ている時以外は暴れている系の犬には不向きになりましたが、多くのワンコにはこのくらいのスペックが合うと思います。
で、評価なのですが栄養成分に関しては基本的に満点評価していますが、脂肪酸バランスについての記載があるか?またそのバランスは??これらについては評価項目に入れています。
評価項目 | 点数 | 備考 | 採点 |
【脂肪酸数値】 | |||
オメガ3およびオメガ6の数値について記載がある | 2 | 成分表示表に記載あり | 2点 |
オメガ3およびオメガ6脂肪酸のバランスが良いと判断できる。 | 3 | オメガ6脂肪酸 : 3%以上、オメガ3脂肪酸 : 1% DHA : 0.3%、EPA : 0.2% | 3点 |
エンパイアは安全への取り組みを行なっているか(20点/20点)
当サイトでは安全への取り組みについて『アレルギーへの対策』、『ISOなど安全性に関わる認証制度の取得』この2点を重要視して採点しています。
まずアレルギーへの対策について。エンパイアは穀物不使用のグレインフリーとなっています。
グレインフリー とグルテンフリーについて。最近ではよく聞く言葉となったので聞いた事がある人も多いかと思いますが、どいう意味かをおさらいをしておきましょう!
グレインフリー :穀物全般使用していない
グルテンフリー:小麦、大麦、ライ麦を使用していない
グレイン(穀物)、例えばトウモロコシとか米がそれに該当しますが・・・当サイトではそこまで重要視する必要はないと考えています。米やトウモロコシってアレルギーの原因となる率って実はそこまで高くない。グレインフリー って一種の流行みたいなもので、グレインフリーの方が聞こえが良く売れやすい、ってのはあります。
ただグルテン、特に小麦ですがこれはアレルギーになりやすい原料の1つです。プレミアムドッグフードで『小麦グルテンフリー』と表示されているもが多いのがこの理由ですね。こちらロイヤルカナンが発表してた犬のアレルギーの原因物質についての統計結果です。『wheat』が小麦です。
またエンパイアの大きな特徴として低アレルゲンである『ジビエ』の使用。今回リニューアルによって鳥系原料も使われるようになりましたが、とは言え鶏肉よりはアレルギーの発症率は低い。(チキンアレルギーなら万一に備え避けるべきとは思うが・・・)
※当サイトでは小麦を使用していない事に関しては評価項目に入れています。
ちょっと余談ですが、エンパイアって実は動物性タンパク源が単一のフードもあるって知っていました??日本じゃ販売していないけど、これ売れると思うんですけどね・・・
リードバディさん!ぜひこれも日本で販売して下さい!需要あると思いますよ!!
その後販売されてました!
次に安全性に関わる認証制度について。よく『徹底した安全管理のもと製造されています』とか書いているものも多いですが・・・その根拠は??ってなりますよね。納得するには安全性に関する認証制度を取得しているなど理由がないと納得出来ません。
エンパイアを製造している工場は①国際食品規格(IFS)と②ISO9001を取得しています。
- 国際食品規格(IFS):食品および製造工程の安全性と品質に関する認証
- ISO9001:品質マネジメントシステムに関する国際規格
さらに倉庫から出荷する際は微生物研究所にて品質に問題ないかチェックする機能もあり!安全への取り組みは十分評価できる内容となっています。
ただ少し厳しめな事も言っておくと、ISO9001というのはどんな業界でも取得できる品質を管理するための規格で、食品系であるならISO22000の方が信頼度は高くなります。とは言えドッグフード工場ではこの手の認証を受けているところはまだまだ少ないので満点評価にしておきます。
評価項目 | 点数 | 備考 | 採点 ※20点満点 |
【食物アレルギー】 | |||
小麦を使用していない | 5 | グレインフリー | 5点 |
その他何かアレルギーに関する取り組みなど | 0〜5 | 低アレルゲンのジビエ | 5点 |
【安全に関わる認証制度】 | |||
安全に関わる認証制度を取得しているか? | 0〜5 | IFS及びISO9001 | 5点 |
安全性に関わる独自の取り組みなど | 0〜5 | 微生物研究所のチェック機能 | 5点 |
20点/20点 |
エンパイアは人工の酸化防止剤・着色料を使用していないか(10点/10点)
ここまで品質にこだわっているフードであるなら当然ですが人工の酸化防止剤、着色料などは使用していません。
ちなみにエンパイアで使用している酸化防止剤はローズマリー抽出物ですね。これは天然由来のものですので安心して良いです。
エンパイアの製造方法について(5点/10点)
多くのドッグフード評価サイトではドッグフードの製造方法について全く触れていませんが、当サイトではドッグフードがどのように作れているかについても重要視しています。
ただ残念な事に製造方法についてまでしっかり情報公開しているドックフードってほぼないですけどね・・・笑
エンパイアについても製造方法についてまではしっかりした情報は公開されておりません。ただ私は飼料メーカーで働いていましたので実物を見ればあるある程度予想はできます。
形状からしてエクストルーダーという機会で造粒されたフードです。エクストルーダーのシステムを図で説明するとこんな感じ。
あと油分は外添・・・つまりドッグフードの粒を作った後に油でコーティングしています(正確には浸透させている)。
これよく『オイルコーティング』と表現しあまり良くないものとして言われる事が多いのですが、サーモンオイルなどに含まれるオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は熱に非常に弱い。なので粒を作ってからオイルを添加して方が良い。意味があってやっています。
そしてなぜ粒にしてからオイルを添加できるのか?これは押し出された時に1気圧になって粒内部の水分が飛ぶ。その時に無数の小さな穴が形成されます。この穴にオイルを浸透されているのですが、実はこれエクストルーダーだから出来る製法です。エクストルーダーじゃないと無数の穴が形成されませんからね。
どう考えても配合するオイルは魚系のDHA・EPAが含まれるオイルの方が良いのに国産プレミアムドッグフード って使われていない事多いでしょ?オイル添加する設備がないからやりたくても出来ないんですよ。
『オイルコーティング』は意味があってやっている。別に悪いものじゃない、って知っておいて下さいね。
とは言えこれは世界的に見れば普通です。海外製プレミアムドッグフードは大体がエクストルーダーで作られています。当サイトではエクストルーダーによる製造の場合、基礎点として5点。その他何か工程で工夫している。公式サイト上で製造方法に詳しく説明している、などあれば加点しています。
エンパイアについては基礎点5点のまま採点しておきます。
エンパイアはスペックに見合った価格であるか?5点/10点
当サイトでは単純な価格ではなく、スペックに見合った価格なのか?これを考慮して採点しています。良い原料使っていたら高くなるのは当然ですからね。
エンパイアの価格はこちら。公式サイトの定価です。
価格(税込) | kg単価 | |
300g | 1,650円 | 5,500円/kg |
800g(400g×2) | 3,520円 | 4,400円/kg |
1.8Kg(450g×4) | 6,600円 | 3,667円/kg |
12Kg | 30,800円 | 2,567円/kg |
ドッグフードって容量が多くなればなるほど単価は安くなります。300gと800gはお試しサイズみたいなものですので、単価として1.8kgの3,667円/kg〜ですかね。
これがスペックに対して妥当かどうかですが・・・良くも悪くもない。妥当と言えば妥当ではあるが・・・そんな印象です。
実は販売当初ってあの肉モリモリの尖った配合内容で12kgなら2,200円/kgだったんですよ。当時から原材料高騰等でドッグフードメーカー各社値上げしていますし、単純な比較は出来ないのですが高くなっている。
前の配合内容ならこの価格でもメリットを感じますが、今は普通といった所でしょうか。
12kgの2,567円/kgであれば単価的にはメリットを感じます。でもほとんどの方は多すぎる!!ってなりますよね?そんな場合はぜひこちらの記事を参考にしてみて下さい。真空保存用容器を使えば大袋のフードが買いやすくなって、割とすぐに元取れる・・・って内容です。
リニューアル前は8点/10点で評価していたのですが、ちょっと減点しておきます。5点/10点
エンパイア総合点は90点|このスペック帯のフードでは間違いなく優秀なフード!!
リニューアル前は93点で評価していたのですが、価格の部分でちょっと減点し90点となりました。
ただこれ改悪なのか?と言えばそうとも言えない。リニューアル前はなんと言いますか独自性の塊みたいなフードで尖りまくっていた。売れているかどうかは知らないがそれが良かった・・・
でもリニューアル後は間違いなく広くオススメしやすいフードになったと言えます。
というかここまで大幅な変更しているのに同じ名前で販売するのも珍しいですよね。中タンパク値の新商品として販売して、旧配合は残して欲しかったです(笑)
全く違うフードになっているのに旧配合の印象が強すぎて評価しにくい。これ新商品だったなら素直に絶賛してオススメできたのですが・・・
ちなみに購入するのであれば公式サイトより楽天とかAmazonの方が良さそうですね。値段同じですが、ポイント等考慮するとそっちの方が安い。
では今回はこの辺で。こちらに当サイトで評価の高かったフードをまとめたランキング記事を作成しています。フード選びに迷ったらこちらもぜひ参考にしてみて下さい。
→ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています