今回は『ピュリナ(プロプラン)』について読者様より評価して欲しいとの依頼がありました。ピュリナは世界最大の飲料メーカーであるネスレが販売しているブランドですね。
チョコレートとかコーヒーなどでおなじみのあのネスレです。
ペッツファーストから子犬をお迎えした。お迎えした時の初期セットにピュリナ・プロプランが入っており、お店で与えていたフードでもあるらしい。これって良いフードなのか?そんな内容ですね!
最初のフード選びってワクワクしますが、何が正解かよく分からず不安でもありよね。と言う訳でピュリナ・プロプランについて解説していきます。
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ピュリナはネスレというスイスの巨大企業が販売しているブランドである
ピュリナ・プロプランについて解説する前に、販売している会社の『ネスレ』についてちょっと紹介しておきます。
みなさんネスレって聞くとどんなイメージありますかね?ネスカフェとかキットカット・・・ってイメージする方多いと思います。もちろんそれで間違い無いのですが、ネスレは世界最大の飲料メーカー。
2022年時点での時価総額は約3763億ドル(約54兆4700億円)、世界ランキング23位。食品部門だと世界1位の巨大企業となります。
ペット業界においてもゴリゴリ他社を買収しており、マースとかとバチバチにやり合っている会社です。ちなみに『ピュリナ』ってブランドもこれ元々はアメリカの『ラストン・ピュリナ社』を買収したもの。
世界的に見るとペットフード産業って買収しかけまくる、みたいな感じで最近だとアカナ・オリジンで有名なカナダのチャンピオンペットフーズ社がマースに買収されたのが記憶に新しいですね(2022年11月)
で、この手の大手メーカーが販売しているフードって価格面ではメリットがある。そりゃ当然ですね。スケールメリットってものがあります。原料を大量に扱うので原価が安くできる。工場も大量生産できるので加工賃も安い。
ただ問題は品質が良いか?と言われるとそうとも言えない・・・ここで悩む。
ではピュリナ・プロプランについて評価していきます。
ピュリナ・プロプラン(パフォーマンス子犬期からのケア)についての評価
今回の依頼者さんは子犬からお迎えした、って事なのでおそらく子犬用で販売されている『ピュリナ・プロプラン パフォーマンス子犬期からのケア』を使用中なのかな、と思います。
その使用原料および栄養成分値はこちら。
ピュリナ・プロプラン パフォーマンス子犬期からのケア | 原産国:オーストラリア 内容量:600g 2kg |
【原材料表示】 チキン、鶏脂、米、小麦、小麦タンパク、大麦、オーツ麦、ビートパルプ、タンパク加水分解物、フィッシュミール、魚油(DHA源)、コロストラム、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、マグネシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン、ゼオライト)、ビタミン類(A、D、E、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、B12、コリン、C)、アミノ酸類(メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール) 【保証成分】 タンパク質 : 28%以上、脂質 :20%以上、灰分 : 8.5%以下、粗繊維質 :3%以下、水分 :11%以下 オメガ6脂肪酸 : 2.0%、オメガ3脂肪酸 : 0.5% カロリー:390kcal/100g 税込価格:2,178円/600g(3,630円/kg)、5,808円/2kg(2,904円/kg) ※ペッツファーストオンラインショップ価格 |
価格はせっかくなので依頼者さんがお迎えしたショップのペッツファーストオンラインショップの価格にしておきました。
結論から言います。
あまり魅了を感じません!!
悪いフードとは言わないですよ。良い点も多々ある。でもこれにするなら・・・他の選びますかね。ざっくり解説していきます。
タンパク質源について
まずドッグフードは使用割合が多い(厳密には重い)順番に使用原料を記載するルールがあります。一番最初に記載されているものが『チキン』です。つまり生の鶏肉ですね。これはまあ良い。
2番手に鶏脂がいますが、脂質源としてのものなので、2番手にこれがくる、って事は『チキン』の配合割合はまあまあ多いはずです(ここは良いポイント)。
ただし生の鶏肉は7割くらいが水分ですので、ドッグフードに加工すると実質の栄養素として特にタンパク質の確保が難しい。なので『小麦タンパク』と『タンパク加水分解物』で補強している、ってイメージです(ここが悪いポイント)。
特に『小麦タンパク』ですが、これは小麦由来のタンパク質を濃縮したもの。これ由来のタンパク質が結構多いはず。当然ですが動物性由来のタンパク質よりは消化吸収性劣ります。
あと個人的には『グレインフリー』にこだわる必要はない、そう考えています。ただ小麦は避けた方が良い。小麦は明らかにアレルギーの傾向高いですし、原料品質面で使用するメリットがないからです。
つまりグレインフリーである必要はないが『小麦グルテンフリー』を出来れば選んで欲しい。って事ですね。
脂質源について
脂質源については結構良い。魚油使ってオメガ3脂肪酸をDHA・EPA確保されていますし、成分値もしっかり公開されている。
日本のフードはこの脂肪酸数値が記載されているものってほぼないですし、海外製でも数値公開されているものって少ない。ここは評価できますね。【オメガ6脂肪酸 : 2.0%、オメガ3脂肪酸 : 0.5%】のバランスも良いと思います。
その他良い点
あと良い点として『コロストラム』が使用されているって事。
これはコロストラムとは『哺乳類の初乳』の事です。おそらく牛由来のものだとは思いますが、出産直後の母乳(初乳)から分泌されるもので、これは免疫力を高める効果があり、サプリメントなんかでも使われています。
ここは独自性があって良いですね。
全体の総評として
チキンの配合割合はまあまあ多いと予想できますし、小麦系を気にしないのであればアリかな・・・とは思いますが、お値段がそこそこ、いやかなり高い。
チキンの配合割合から値段が高くなるのも理解はできますが、この単価なら他にいくらでも選択肢はある・・・ってのが正直な感想です。
初めてドッグフードを選ぶ人に知っておいて欲しい事|私が記事書く理由
ピュリナ・プロプランについて、あまり魅力を感じないかな、って話をしてきましたが、今まで食べてきたフードなので、これが合っているって事も十分考えられます。
でね、ちょっと知っておいて欲しい事。
今って格安のドッグフードであってもそれなりに品質は良いです。添加物、着色料がガンガン入っているカラフルなフードでも健康で長生きする事はもちろんあります。
ドッグフードに正解なんてない。
じゃあなんでこんなブログで色々なドッグフードを紹介しているのか??
品質の良いドッグフードを選んで欲しい、って気持ちはもちろんあります。でもそれよりも『納得できるフードを見つけて欲しい』って思いがあるからです。
もし万が一将来的に病気になった時など、『もっと良いフードあげていれば良かったかな・・・』と後悔する人多いんですよ。フードが原因でなかったとしてもそう思い込んで後悔してしまう。
だから納得できるフードを見つけて欲しい。自分が納得してるフードであれば後悔する事はない。納得して与えているなら別にカラフルな格安フードでも良い、って思っています。
でもね、ドッグフードって自分で品質が良いから大丈夫!って判断するのが不可能です。これは開示されている原材料情報、栄養成分情報が少なすぎるから。
私は飼料メーカーで働いていた経験があり、実務で配合設計もしていました。だからある程度の予想はつく。それでも100%確実な評価が出来るかと言うと不可能。
ドッグフードでよく使われている原料で『チキンミール』がありますが、低温乾燥させ栄養素の劣化を抑えた高品質なもの、加工残渣を熱加工しまくってタンパク質が熱変性したもの、これどちらも表示上は『チキンミール』です。
どれだけ乾燥させてタンパク値が何%なのか?そんなのわかるはずがないし、予想でしかできない。
普通の飼い主さんが品質良いフードって判断するの不可能だと思いません??
なので『納得できるフード』探しのお手伝いができたら良いな、と記事書いています。これが私が記事書く理由の1つ。
もう1つは・・・
ネット上には嘘ばっか書いて不安を煽り、コスパ激悪の広告費まみれフードに誘導するお金儲けしか考えていないクソみたいなサイトが多すぎるので、そいつらに勝ちたいという野望があるから・・・です(笑)
ではでは今回はちょっと短めでしたがこの辺で。オススメするパピー用フードはこちらの記事でまとめています。良かったら参考にしてみて下さい。
この記事内でも紹介していますが、迷ったら『ブラバンソンヌ』なんかが良いと思いますよ。癖が強くないし、安全性に関して抜群に信頼度高いですからね。