今回紹介するドッグフードはネイチャーズテイスト。原産国はオーストラリアですね。
こちらは読者様より評価依頼が届いたので記事書いています。
このネイチャーズテイストってフードは原産国はオーストラリア。ただしオーストラリアでは販売されておらず、日本の会社(グローバルワン株)が企画してオーストラリアで製造委託、日本に輸入しているタイプのフード。
つまりは海外OEMのフードですね。当サイトではOEMに関してやや否定的な意見の記事を書くことがありますが、あれは中身ほぼ一緒で値段だけは立派なOEMのフードを批判しているだけであって、技術のある工場に製造委託、適正価格で販売しているフードは全く否定するつもりはありません。
海外OEMのフードに関してはそこまで変なものってない。国産に関しては・・・察して頂ければ、と。
で、このネイチャーズテイストですが内容的にはややタンパク質低め(成犬用で22〜24%程度)、使用原料は低アレルゲンなものが多く、バシッとハマる飼い主さんもいる気はします。
そして最大の特徴、と言いますかアピールポイントが『エミューオイル』の使用。ドッグフードは他と原料面で他と差別化するのは中々難しく、こういう他が使っていない原料を使用している、ってのは良いですね!
では解説していきます。
ネイチャーズテイスト・ドッグフードに使用されている『エミューオイル』について
さて、まずは依頼者さんも気になっている様子でしたが、ネイチャーズテイストの最大の特徴である『エミューオイル』について。
ネイチャーズテイストには『グロースサポート(ラム、ダック、フィッシュ)※パピー用』、『ヘルスマネジメント(ラム、ダック)』、『エイジングケア(フィッシュ)』、『ローアレルゲン(カンガルー)』、この4種類のラインナップがありますが、全てにエミューオイルが使用されています。
ちなみにエミューはオーストラリアの固有種で世界で2番目に大きな鳥です(1番大きい鳥はダチョウ)。
エミューの肉を原料としているフードだとアーガイルディッシュのグレヴィレア-アダルト、なんかもありますが、エミューオイルを使用しているフードはネイチャーズテイスト以外、今のところ聞いた事がないですね。
で、このエミューオイルについてネイチャーズテイスト公式サイトではこのように記載されています。
エミューオイルは、医薬品などが存在しない時代からアボリジニも薬代わりとして傷の手当、痛みの除去、筋肉痛の軽減、火傷や打撲などあらゆる炎症に、古くから利用されてきました。
現代でも医薬品として注目され、オーストラリア医薬品行政局(TGA)より「抗炎症剤・皮膚の改善薬」として認められています。
リノール酸(オメガ6)や、脳機能に関係が深いDHA・EPAに変わる、リノレン酸(オメガ3)の必須脂肪酸をバランス良く含み皮膚・毛艶・血流等の健康維持のサポートをします。
つまり犬にとっての必須脂肪酸(体内で合成できないので食べ物から摂取する必要がある脂肪酸)であるオメガ3、オメガ6脂肪酸供給源としてエミューオイルが使用されているって事ですね。
確かにオメガ6には皮膚や被毛の健康を維持する効果があります。オメガ3には抗炎症作用があり、脳機能の活性化が促進されるとも言われています。
ただひとつ引っかかるのはエミューオイルのオメガ3って『αリノレン酸』となりますので、これは体内でαリノレン酸→EPA→DHAと変換する必要があります。犬はこの変換が人間に比べると苦手です。なので最初からEPA・DHAを豊富に含む魚系のオイルなどを使用した方が良いかと思います。
ちょっとこの話は長くなるので、より詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみて下さい。
ただエミューオイルは抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれており、酸化しにくい。オメガ3供給減としてみた場合、どうなのかな?とは感じますが、オメガ6供給源として考えた場合は非常に良いものだとは思います。
冒頭にも言いましたが、こういう特徴ある原料を使用するのって個人的には非常に好きですね!
ではエミューオイルについてはこのくらいにして、原材料・成分値について見ていきましょう。
ネイチャーズテイスト・ドッグフードの使用原料および保証成分を評価
ネイチャーズテイストにはいくつかの商品ラインナップがありますが、今回の依頼内容は『エンド豆を避けたいので、あえてネイチャーズテイストの子犬用』を与えるのはどうだろうか??
ですので、子犬用を中心に解説していきたいと思います。
先に言っておくと子犬用をあえて使う、ってのは全然良い。子犬用は成犬用に比べてスペックが高くなっていますが、これはあくまで同一ブランドで比べた場合の事。
AAFCO基準値においても成犬(維持期)より子犬(成長期)の方が栄養要求量が高く設定されていますが、成犬用で販売されているフードで子犬の基準値を満たしているフードなんていくらでもあります。(全年齢対象として販売されているものがそう)
では使用原料および保証成分はこちら。
ネイチャーズテイスト グロースサポート | 内容量:800g、1.5kg、3kg、12kg |
【原材料】日本表記 ラム、ダック、魚(ニシン)、玄米、オート麦、鶏脂、ライ麦、亜麻仁、エミューオイル、乾燥ブロッコリー、ビール酵母、乾燥ニンジン、鮫軟骨、乾燥ケルプ、天然チキンエキス、塩化コリン、チコリー、アスコルビン酸カルシウム、亜鉛(アミノ酸キレート)、ユッカエキス、乾燥ブルーベリー、タンポポ、ペッパーミント、ローズマリー、トマトミール、ビタミンE補給物質、グルコサミン、コンドロイチン、鉄(アミノ酸キレート)、マンガン(アミノ酸キレート)、コバルト(アミノ酸キレート)、D-ビオチン、ビタミンAアセテート、L-カルニチン、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、チアミン硝酸塩、ビタミンB12補給物質、ビタミンD3補給物質、リボフラビン、DL-メチオニン、葉酸、銅(アミノ酸キレート)、亜セレン酸ナトリウム、ヨウ素酸カルシウム
【保証成分】 粗たんぱく質 28%以上, 粗脂肪16%以上, 粗繊維 4,5%以下, 粗灰分 9%以下, 水分 10%以下 カルシウム 1.45%以上, 0.8%以上
代謝エネルギー365kcal./100g |
当サイトはドッグフードに関する相談を受けていますが、実はこの『豆が苦手』って相談はまあまあ多い。最近のフードってグレインフリーが多く、そのため豆類が使われている傾向が高い。
豆類が使われてないフードとなると品質がどうか?となると怪しいものも多く困る、って感じですね。・
当サイトでこのような相談が届いた場合、よくオススメしているフードが『ピナクル』なのですが、ネイチャーズテイストの子犬用を使う、これも良いかと思います。
では細かく見ていきましょう!
タンパク質源について
まずタンパク質源について。ネイチャーズテイストの子犬用が良いな、って感じるのはここですね。
ドッグフードは使用している原料で重量の多い順から記載する、というルールがあります。一番最初に記載されているものを『第一原料』と呼びますが、このフードだと『ラム』が第一原料ですね。
そしてダック、魚(ニシン)、と続きます。ここが主な動物性タンパク源となります。これらはすべて生の状態のもの。当サイトでは何度も言っていますが、生の原料というのは品質としては素晴らしいが、水分量が多いため、実質のタンパク質の割合は非常に少なくなります。
そのためタンパク質を濃縮したような状態となる乾燥原料(〇〇ミール)などを使用してタンパク質を補強する事が多いのですが、このフードにはそれがない。
もちろん玄米、オーツ麦、ライ麦、亜麻仁などには植物性タンパク源は含まれます。含まれますが、この配合内容であれば植物性タンパク源の割合はそう高くないと予想できます。
つまり生原料でタンパク質を確保するのは難しいが、ラム、ダック、魚(ニシン)をかなり多く配合している、って事ですね。
乾燥原料を使わずしてタンパク値28%は限界レベルと感じます。これ以上高タンパクにするにはチキンミールやエンドウ豆粉などを使用せざるを得ない。非常に良い内容です。
脂質源について
次に脂質源について。
冒頭でエミューオイルで簡単に脂肪酸について説明しましたが、ドッグフードにおいて必須脂肪酸となるのはオメガ6とオメガ3です。
オメガ6(リノール酸)は鶏脂、そしてオメガ3は亜麻仁が供給源に。エミューオイルは両方の補助的な感じで使用されていますね。エミューオイルの説明時にも言いましたが、亜麻仁、そしてエミューオイルに含まれるオメガ3はαリノレン酸となり、犬が利用しにくいオメガ3脂肪酸となります。
この話は別記事で詳しく解説していますので、興味のある方は読んでみて下さい。
ただこのフードには魚(ニシン)が配合されている。また若干カルシウムの数値が高い事から配合量も多いと推測できます。ニシンにはEPA・DHAが豊富に含まれていますのでここは期待して良いかと思います。
その他原料および使用原料まとめ
その他原料で特筆すべき点は効果があるかは微妙なところですが、関節サポートに効果がある(かもしれない)グルコサミン・コンドロイチン源として『鮫軟骨』の使用。これも悪くないですね。※グルコサミン・コンドロイチンに関しては科学的に効果が実証されている訳ではない。
添加しているミネラルについても吸収性が良い『キレート加工』されていますし、トータルで見ても非常に良い配合内容と言えます。
豆を避けて高タンパク・高脂質の品質の良いフードでこれを見つけた。依頼者さんは非常にセンスが良い!!
実はネイチャーズテイストの『成犬用』は簡単に調べた事ありますが、子犬用がこのような配合内容になっているとは知りませんでした。依頼を受ける事はこういう気付きもあるので非常に勉強になります!
成犬用で『カンガルー・サーモン』が主原料のローアレルゲンって商品があるのですが、そっちにはエンドウ豆が使われており、全部に使われていると思っていました・・・
しっかり調べてみると、成犬用でも『ヘルスマネジメント(ラム・ダッグ)』と『エイジングケア(ニシン)』についてはエンドウ豆フリーでした。タンパク値はやはり子犬用よりは低く22〜24%。高タンパクじゃなくても良い、って場合はこちらを検討すれば良いかと思います。
ネイチャーズテイストの価格について|
では次に価格について。内容に対して妥当な価格なのか??公式サイトの価格を見ていきましょう。
グロースサポート | 価格(税込) | kg単価 |
800g | 2,464円 | 3,080円/kg |
1.5kg | 3,762円 | 2,508円/kg |
3kg | 6,853円 | 2,284円/kg |
12kg(3kg×4袋 ) | 25,047円 | 2,087円/kg |
この価格ですが、悪くないですね!内容に対して妥当なラインと感じます。ちなみに上記はグロースサポートの価格となりますが、成犬用は価格がこれと同じではなく若干の上下があります。
数々のドッグフードを調べてきましたが、正直ドッグフードって内容に対して高すぎるものってあります。ネイチャーズテイストについては心配しなくて良いかと思いますよ。
ネイチャーズテイストの実物を画像で紹介!
ではせっかくなのでネイチャーズテイストの実物を画像で紹介しておきます。
と言ってもご依頼にあった『グロースサポート』ではなく、たまたま家にあった『ローアレルゲン・サーモン、カンガルー』なんですけどね。私・・・すぐにサンプルを買い込む癖があって、嫁さんによく怒られています・・・笑
記事にできていないフードが山ほどあってですね・・・これもその一つですね!
左はイタグレハッチ君、体重は5kg弱です。サイズを測定したところ大体9㎜弱ですね!小粒表記のものって10㎜くらいのものが多く、小型犬向きではあると感じます。
ネイチャーズテイストのまとめ|豆フリーの高タンパクフードとしてはかなりアリ!!
今回のご依頼内容は『エンドウ豆を避けたい。そしてタンパク質高めにしたいので、あえてネイチャーズテイストの子犬用を与えてみるのはどうか?』でした。
内容も非常に良いフードですし、良いかと思います。
これ以上高タンパクなフードでエンドウ豆フリーのものとなると・・・思い付かないですね!エンドウ豆以外の豆でも良いならありますけど。
またエンドウ豆要素抜きにしても全体的に低アレルゲンな原料を使っており、アレルギーに悩んでいる方も検討する価値のあるフードだと思いますよ!
で、ちょっと宣伝ですが、当サイトの公式Instagramにて『ドッグフードの原材料の読み方講座』を行っています。これ読んで頂けるとブログの内容もより理解しやすく、また自力でもドッグフードの内容を読み解けるようになるので、ぜひ一読してみて下さい。ついでにフォローして頂けるとテンション上がります!
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では今回はこの辺で。ドッグフード選びに悩んだらこちらの記事も参考にしてみて下さい。当サイトが高評価しているフードをまとめています。