今回は『CHUPS & STELLA』という国産の『手作り風』ドッグフードを取り上げたいと思うのですが・・・
この『手作り風』という言葉が正しいか微妙なところですが、ドッグフードでって様々な製造方法がありますが、大きな工場で製造されていないもの。そういうジャンルがホームメイド・・・つまり『手作り』みたいな表現で販売されています。
代表的なものだとランフリー(Runfree)ですね。
実はこのランフリーの記事、深く考えずサラッと書いたものですが反響が大きかった。当サイトのInstagramに参考になった!っと複数のDMが届きました。で、ちょっとこの『手作り風』ジャンルに興味が出てきてですね、色々調べた結果、『CHUPS & STELLA』というフードを見ると闇が見えてくる・・・
ちなみに『CHUPS & STELLA』の販売元は『犬や猫と暮らす人のライフスタイルショップ、『we_original』でInstagramフォロワー2万人いました。ほう、オリジナルとな?
では見ていきましょう。
『CHUPS & STELLA』も結局のところOEM|オリジナルとは一体・・・
さっそくですが『CHUPS & STELLA』のドッグフード、原材料と保証成分を見てみましょう。いくつか種類があるのですが、今回は「チキン&グリーン(ウェイトコントロール)」を見ていきましょう。
CHUPS & STELLA チキン&グリーン(ウェイトコントロール) | 容量:500g |
【原材料】 うるち米、鶏ささみ肉、おから、小麦粉、大麦粉、マッシュポテト、かぼちゃ、ふすま、スキムミルク、鶏肝、キャノーラ油、ひまわり油、オートミール、まぐろ、削り節、乾燥全卵、昆布、卵殻、ビール酵母、うるめいわし、きくらげ、椎茸、ほうれん草、にんじん、カマンベールチーズ、クマササ、ドクダミ、ローズヒップ、オリーブの葉 【保証成分】 タンパク質 16%以上、脂肪 5%以上、灰分4%以下、粗繊維3%以下、水分10%以下 ナトリウム:0.12%以下 カルシウム:0.8%以下 リン:0.6%以下 362kcal/100g |
このように療法食もびっくりな低い成分値。一応これ体重管理用ですが、通常製品もかなり成分値は低めです。
で、このフードのお値段いくらだと思います??
500gで税込1,870円、つまりkg単価だと3,740円/kg。しかも送料を考慮すると全国一律990円なので実質kg単価は4,730円/kg。まあ高いですよね。
この成分値と価格を覚えておいて下さい。このフードってどこで作られているの??ってのを調べてみた訳ですが・・・
フェアリーs.ガーデンという山口県にあるドッグフードの製造販売、あとドックランやしつけ教室なんかをやっている会社があります。
ここのフードで『鶏ベースフード・ライトタイプ(チーズ風味)』ってのがあるのですが、それがこちら。
チーズ風味なのに原材料にチーズ要素入っていなかったり謎ではありますが・・・
『CHUPS & STELLA』とどう考えても一緒ですね。見た目も一緒。成分値も一緒。原材料表示は順番変えたり微妙に誤魔化しているが、成分表示のルールは使用している原料の重い順から記載する。つまり同じ重さの原料なら順番は入れ替えられる。
ちなみにこちらが『CHUPS & STELLA』フード。インスタの埋め込み機能で紹介しておきます。一緒でしょ??
では価格は??ってなるとフェアリーs.ガーデンのものは税込2,310円/kgです。『CHUPS & STELLA』との差額は1,430円/kg。かなり違いますね。
そもそもですがフェアリーs.ガーデンの単価自体が安いとは思いませんよ?ほとんど穀物のこのフードに2,310円/kgはどう考えても高すぎます。
OEMというのは『委託生産』です。ドッグフードって特に国産のプレミアムドッグフードはほとんどのものがOEMで製造されており、中身が同じで名前だけ違うものが蔓延しています。そして基本的に高い。内容と価格が合っていません。
手作り風ジャンルでも同じ事が起こっている、って事ですね・・・
『CHUPS & STELLA』はハッキリ言って評価しようがないくらい滅茶苦茶
OEMってつまりはこの図のような感じですが、これには工場を持たずしてオリジナルブランドが販売できる、技術力のある工場で製造できる(国内の工場って基本レベル高くないけど)、などメリットもあります。
スーパーでPB商品ってあるじゃないですか?あれもOEMの親戚みたいなものですが、カルビーのポテトチップスは美味しい。カルビーの工場で作ったPB商品も美味しい。じゃあPB商品が安かったら消費者としても嬉しい。
ってなるじゃないですか?
ドッグフードは違うんですよ。OEMのって品質に対して価格が合っていないもの『しかない』と言っても過言じゃないです。
ペット用品ってちょっと特殊で『高いければ良いもの』って思ってしまう風潮がある。愛犬のためには自分以上に体に良いもの食べさせたい、って気持ちありますからね。それで引っかかる。
では一応『CHUPS & STELLA』を評価しておきましょう。先ほどは体重管理用だったので通常タイプを紹介しておきます。
CHUPS & STELLA(鶏肉とカマンベールチーズのハーブ添え)を評価
CHUPS & STELLA 鶏肉とカマンベールチーズのハーブ添え | 容量:500g ※成犬用一般食 |
【原材料】 鶏ささみ肉、うるち米、小麦粉、大麦粉、おから、マッシュポテト、ふすま、キャノーラ油、スキムミルク、鶏肝、オートミール、ひまわり油、まぐろ、削り節、乾燥全卵、昆布、卵殻、ビール酵母、うるめいわし、きくらげ、椎茸、ほうれん草、カマンベールチーズ、クマササ、ドクダミ、ローズヒップ、オリーブの葉 【保証成分】 タンパク質 21%以上、脂肪 6%以上、灰分5%以下、粗繊維4%以下、水分10%以下 ナトリウム:0.12%以下 カルシウム:0.8%以下 リン:0.6%以下 395kcal/100g |
こちらが体重管理用ではなく、一般用に販売されているもの。
まず日本ではAAFCOの基準を満たしたものが『総合栄養食』として販売する事が可能ですが、これはその基準を満たしていないので『一般食』として販売されています。それはまあ良いとして・・・
ドッグフードは原材料の重い順から記載するルールがあります。そして一番最初に記載されている原料を『第一原料』と呼びますが、このフードだと『鶏ささみ肉』が第一原料です。
でもこれ生肉ですからね?70%くらいが水分の生肉は実質のタンパク質ってそこまで多くないです。しかも『うるち米、小麦粉、大麦粉、おから、マッシュポテト、ふすま』と植物性タンパク源を分散させて配合していますよね?そりゃ鶏肉が第一原料に簡単になる。
タンパク質が21%と低めな設計。これは別に高タンパクが正しい!って訳でもないので良いですが、その内訳はほとんど植物性由来と推測できます。
つまりアミノ酸バランスが非常に悪い。
脂肪酸バランスも悪い。犬にとって食べ物から摂取しなければならない必須脂肪酸は『オメガ6』と『オメガ3』になりますが、オメガ6はキャノーラ油が供給源です。でもオメガ3は??ってなります。
一応『まぐろ』が入っていますが、これも生原料、しかも後ろの方の位置。配合割合的にどう考えても期待できるレベルではない。皮膚や被毛などの健康状態が悪化しないか心配です。
そもそもミネラル源が足りているかも怪しいですし、冒頭で少し触れました『ランフリー』ってフード。似たようなタイプのフードですが、あのフードって公式サイトに詳細な分析結果が公開されています。
それを見てみましたが、やはり色々と不足している・・・
このフードも必須アミノ酸の一部、オメガ3、ビタミン・ミネラルなど、安心してこのフード単独で与えれるレベルのものじゃない。当サイトとしてはこう判断します。
『CHUPS & STELLA』の問題点はフードの品質というよりはその販売スタンス
でね、結構ボロクソ書いていますけど、私は別にOEMで中身が一緒でも良いとは思っているんですよ。
フードの成分値には正解ってありません。低タンパクなものが合っている場合もあれば高タンパクが合っている場合もある。
そしてOEMにするとパッケージを変えたり、酸化防止のため内容量を少なくしたり、当然外注費も必要。割高になって当然。そのフードに惚れ込み、犬達の健康のため『このフードを広めたい!!』って想いがあれば別にOEMで中身一緒でも良い。
ですが・・・
『CHUPS & STELLA』にはそれが一切感じられない。公式サイト上にはこんな一文があります。
犬たちにとって、本当に安心で信頼できるフードとは? その答えを長年追求してたどりついたのが、CHUPS & STELLAです。
意味不明ですよね。中身一緒やん?ってなるし、長年追求した??製造元のフード(フェアリーs.ガーデン)、わたし10分くらいで見つけましたけど??ってなる。
で、さらに公式サイト上には『ドッグフードの選び方』みたいなページがあるのですが・・・
→https://www.we-original.com/apps/note/feature-dogfood/
「総合栄養食」として、それだけで必要な栄養が全てまかなえるとされているドライフードですが、すべてが完璧とはいえません。たとえば、犬が生きていくために不可欠な「酵素」や「水分」は、加熱処理をして作られるドライフードには残らない成分だということも知っておいてほしい事のひとつです。
酵素に関しては色々と議論はあります。ここはまあ良いとしても、加熱処理して水分が残らないとは??意味不明です。水分が0なフードなんて存在しません。
ドッグフードは大きく分類すると、「オーガニックフード」「プレミアムフード」「エコノミーフード」「リサイクルフード」の4種とされています。
前者2つは人間用の食材を使用するなど、安全性に気を遣った質の良いフードといえますが、 後者2つは市販の安価なフードに多い、低質で、 時に大きな危険をはらんだフードです。
『エコノミーフード』と『リサイクルフード』って何?初めて聞いたが・・・勝手に言葉作るな!!
主原料を穀物としているフードは、本来肉食の犬にとって、胃腸に負担をかけたり、肥満の原因となりうることもあります。
CHUPS & STELLAってゴリゴリの穀物主体だけど自分で自分の首絞めてないですか??
と、言っている事が意味不明なんですよね。
無添加の手作り風フードを良いように見せてやたらと高いOEMのフードを売り込む。総合栄養食ではないリスクは?など不都合な部分は一切触れない。
フードって愛犬の健康に直結するものじゃないですか?販売するならするでプライド持ってやって欲しい訳ですよ。
こういう茶色い無地のオシャレな袋に包装されていたら『なんか良さそう・・・』って感じる現象ありません??これ別に『手作り風』のフードに限らず、工場で作っているタイプのフードでも同じようなの滅茶苦茶ありますからね・・・
ボロクソ言っていますがCHUPS & STELLAに限らずOEMのフードってマジでプライドのカケラもないフードばっかなんですよ。売れれば良い。儲かれば良い。
ビジネスなのでそりゃ儲けるのは否定しませんよ?でももう一度言います。フードは愛犬の健康に直結するもの。プライド持って商売してくれ!!
と、殴り書きみたいな記事になりましたが、たまにはこういうのも良いでしょう。
ちなみに国産プレミアムドッグフードだと名前がある程度売れていてOEMではないフードって『金虎 おさかな 』、『ドッグフード工房』、『ワンフー』、『ドットわん』くらいです。
CHUPS & STELLAみたいなフードに魅力を感じる方って『無添加』を重視する方だと思うんですよね。で、手作り風、無添加(完全無添加)を重視すると確かにCHUPS & STELLAみたいなフードになりがち。それはあります。
ただやはり当サイト的にはオススメはできない。
だったら『完全無添加かつ総合栄養食』で販売している『ドッグフード工房』とかの方が良いと思いますよ。
では今回はこの辺で。こちらに当サイトで評価の高かったフードをまとめたランキング記事を作成しています。フード選びに迷ったらこちらもぜひ参考にしてみて下さい。
ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています