今回はドッグフードの解説ではなく、ここ最近SNSなんかを見ていて感じる事。
愛犬が何かしらのアレルギー持ちである事はそう珍しくもないですが、稀に複数の原材料がアレルギー。動物性原料も植物性原料もアレルギーでペットショップで原材料表示を見漁っても愛犬に食べさせられるフードがない。
ネットには同じようなフードばかりオススメされているし、一応原材料を見てみるが当然ながらNGな原料ばかり・・・
どうすれば良いのか?と途方にくれてSNSで聞いてみる事にする。同じような悩みの人が何か解決策知らないかな?と期待を込めて投稿・・・
すると返信の多くは『手作りしたら良いんじゃないですか??』
いやいや、それはそうだが手作りが不安だから聞いている訳ですよね?そういう回答が欲しい訳じゃない・・・
犬に必要な栄養素を完全手作りで確保するのは非常に難しいです。栄養学的な知識が必要なのはもちろんですが、時間もお金も必要。それに今困っている。悠長に勉強している暇はない。だって『今』愛犬が困っている。飼い主としては一日でも早く解決したい。
『手作りしたら良いんじゃないですか??』
これは欲しい回答じゃない・・・
という訳で参考になるか分かりませんが、自称ドライフードオタクの私から伝えたい事を書いていきます。この記事内容でも解決しなかったらお気軽にDM下さい。100%解決できるとは言いませんが、何かしらのアドバイスはできるかと思います。
なぜ愛犬が複数のアレルギー持ちだと問題ないドッグフードが見つからないのか?その理由
例えば『鶏肉』がアレルギーとか『小麦』がアレルギー!こういうのは何とでもなります。
何なら『鶏、ラム、豚、牛、鹿』がアレルギー!そんな場合でも今は『新奇タンパク質』を使用したフードもありますので多少苦労はするものの見つかる。
新奇タンパク質とは??
これまで食べた事のないタンパク質。ドッグフードであればウサギ、カンガルー、ワニ、ウズラなど・・・
食物アレルギーは特定のタンパク質に免疫が過剰に反応するので、今まで食べた事がないものなら食物アレルギーを大幅に改善できる可能性がある
ですが、問題は肉や魚など動物性タンパク質と植物性タンパク質が同時に『複数』アレルギーの場合。これが困る。
なぜ困るか??
ドッグフード(ドライフード)って植物性原料を使う理由はタンパク質やビタミン・ミネラルなど栄養を摂取する目的が一番ですが、それ以外にも植物性原料に含まれる炭水化物、これが粘結剤のような役割を担っているので必須。これを知らない方が多い。
米を炊くと粘りが出るじゃないですか?それをイメージしてもらえば良いのですが、その粘りが粒の形にするのに必要。だから通常ドライフードには必ず炭水化物が含まれる原料が入っています。
小麦やトウモロコシ、米などの穀物。また最近ではグレインフリーのフードが増えていますが、その場合だと豆類や芋ですね。
これらの原料がアレルギーになると非常に困る訳ですよ。で、おまけに動物性原料までもが複数のアレルギーだと選択肢はほぼなくなる。
この『製造機械の特性上、炭水化物を含む原料が必要』これを知らないので、闇雲に探しちゃう訳です。これが今まで見てきた中で一番多いパターンですね。
ではどうすれば良いか??
炭水化物源を必要としない製造方法のフードから探せば良い。それが何か?ってなるとエアドライ製法とかフリーズドライ製法になります。
愛犬が複数のアレルギーの場合助かるエアドライ製法とフリーズドライ製法|価格が高いのがネックだが・・・
ではエアドライ製法とフリーズドライ製法のドッグフードについて。
これらフードははっきり言って値段が高くなります。一般的なドライフードに比べて製造コストが高くなる。これもそうなのですが、先ほども言ったように炭水化物源を必要としない。つまり原材料のほとんどが動物性原料になるからです。
そして炭水化物源を使用していないので、炭水化物量が極端に減ります。するとどうなるか??
ドッグフードの保証成分は『割合』なので何かが減れば何かが増えます。つまり超高タンパク・超高脂質な成分値になる訳ですね。ここがスペックが高すぎる・・・と心配になる方がいるかも知れませんが・・・
ちょっと推奨給餌量を見てみましょう。
国産プレミアムドッグフードとフリーズドライのK9で給餌量の比較
この画像を見て下さい。広告されまくっている国産プレミアムドッグフードの『このこごはん』ってフードありますよね?
このフード・・・私は好きじゃないのですが(広告やりすぎなだけで品質と価格合っていない)、まあこれくらいの価格帯のプレミアムドッグフードって普通にあります。
体重5kgとした場合、公式サイト上での推奨給餌量は『このこごはん』と『K9』を比べると倍以上違います。
そう、確かに単価だけ見ればフリーズドライとかエアドライって高いです。ただし先ほども言ったように炭水化物源を使っていないので、超高タンパク・超高脂質になる。しかしその分給餌量が少なく設定されているので、実質のごはん代としてはよくあるドライフードの高いものとそう変わらなかったりする。
そして超高タンパク・超高脂質が負担になるかな?って心配する方多いですが、これも普通のドライフードと同じ量食べれば栄養価高すぎて色々と問題はあります。でも給餌量少ないですからね。これ多くの方が勘違いしているポイント。
あと、炭水化物なのですが犬に必要か必要でないか?となると必須ではありません。それに関してはこちらの記事で解説しているので興味のある方は読んでみて下さい。
確かに高いは高いですよ?内容良く価格も適正範囲な良いドライフードっていくらでもあります。それらはもっと実質の単価は安くなりますが、複数のアレルギーだとそうも言ってられない訳で・・・
高いと言っても国産プレミアムドッグフードの実質単価とそう変わらない。悩んだらフリーズドライとかエアドライ検討する方が間違いなく手っ取り早いです。こっちのほうが品質も圧倒的に良い訳ですし・・・
今回の記事は『愛犬が複数のアレルギー』で悩んでいる方向けに書いていますが、別にアレルギーじゃなくても一緒ですね。
『このこごはん』みたいに謎に高いフードを選ぶ方って『可能な限り愛犬には良いものを』って考えの飼い主さんなんですよ。その想いが強すぎて広告に引っかかる。
ドッグフード(ドライフード)って熱との勝負、みたいなところがあって、熱加工すればするほど品質は悪くなります。もちろん衛生面など熱加工にメリットはない訳じゃないですが、いやどう考えてもその単価を受け入れられるならフリーズドライとかエアドライの方が良くない??
ってすごく思います。
広告の力って偉大ですよね。
まあ・・・フリーズドライやエアドライは嗜好性が高すぎる。ホイホイ使っていると偏食傾向を加速させるケースもあるので悩みどころですが、今回は愛犬が複数のアレルギーで悩んでいる場合、の話。最重要なのは愛犬が食べても問題フードなので、ここは目を瞑るしかないですね!
しかしエアドライやフリーズドライにも欠点はある|解決策はウェットフード
実質の単価として見れば国産プレミアムドッグフードとそう変わらない。だったらフリーズドライやエアドライ製法の高品質なもので良いんじゃない??
と言いましたがデメリットが全くない訳じゃないです。
その最大のデメリットは・・・給餌量が少なくなる、って点ですね。
フリーズドライやエアドライ製法のものってその最大のメリットは炭水化物源を使用しないでも作れる事。簡単に言えば栄養がめちゃくちゃ凝縮されたフード。と思って下さい。だから給餌量が少なくなる。
犬って基本食べるの大好きですよね?小食なワンコなら良いですが、食べるのが大好きなワンコなら飼い主的にはいっぱい食べさせてあげたい。
ですが栄養がめちゃくちゃ凝縮されたフードなので、好き放題食べさせちゃうと太る訳ですよ。
で、この解決策はウェットフードの併用です。ウェットフードって水分量が非常に多いので、ドライフードとは逆で給餌量が多くなります。それを利用してウェットでかさましするのも手です。
一例として当サイトでは国産のプレミアムドッグフードなら『金虎 おさかな』というフードをオススメしています。これドライフードなんですがウェットフードもあります。
見て頂いたらわかるように原材料はまぐろ、そして酸化防止剤としてビタミンEが入っているだけ。めちゃシンプルです。もちろんこれは総合栄養食ではなく『一般食』となりますのでこれ単独での給餌はオススメしませんよ?
でもフリーズドライやエアドライと併用すると役立ちますよね。魚がアレルギーってのはかなり少ないので。ちなみにかつおバージョンもあります。
おさかなウェットが使用原料シンプルなので紹介しましたが、アレルギーに引っかからなければ何でも良いです。給餌量を増やしてあげたい、って方はウェットフードの併用を検討してみましょう!
フリーズドライとかエアドライのフードはベースとして、推奨給餌量を気持ち減らしてあげる。そしてウェットでかさましする、みたいなイメージですね!!
アレルギー対策としてオススメなフリーズドライ・エアドライのフード一厳選4つ紹介!
ではオススメなフリーズドライ・エアドライ製法のフードを紹介していきます。と言ってもフリーズドライやエアドライの総合栄養食ってそこまで種類がないので、見た事あるフードも多いかとは思います。
フリーズドライ・エアドライ、どちらを先に探すか?となるとフリーズドライの方が良いかと思います。理由はエアドライは豆類が入っている事があるから。もちろん豆類が問題ないならどっちでも良いですが、愛犬のアレルギーで困っている方は豆類NGの場合が多いので。
フリーズドライ製法①:K9ナチュラル
K9チキン・フィースト | 容量:15g、400g、500g、1.8kg |
【原材料】 鶏肉、卵、フラックスシードフレーク、ホキ(白身魚)オイル、昆布、ニュージーランド緑イ貝、かぼちゃ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、リン酸ニカリウム、乾燥昆布、りんご、洋なし、塩化ナトリウム、ビタミンE、プロティネイト亜鉛、プロティネイト鉄、ひまわり油、酸化マグネシウム、セレン酵母、プロティネイト銅、プロティネイトマンガン、ベータカロチン、ビタミンB1、ビタミンD3 【保証成分】 タンパク質 48.0%以上、粗脂肪 34.0%以下、粗繊維2.0%以下、粗灰分9.0%%以下、水分8.0%以下 498.6kcal/100g |
やはりまず検討するとなるとK9ですね。チキンフィーストの原材料・保証成分を紹介していますが、チキンの他に『ビーフ』、『ラム』、『ホキ&ビーフ』、『ラム&キングサーモン』があります。
ペットショップなどでも取り扱い多いですし、まずはK9で問題ないフードを探せば良いかと思います。
フリーズドライ製法②:WOOF(ワフ)
【WOOF】ワフ フリーズドライドッグフード ワイルドゴート | 容量:50g、280g、1kg |
【原材料】 骨付きヤギ肉(野生)、ラムハート、ラムグリーントライプ、ラムレバー、ラムキドニー、チンゲンサイ、ニンジン、ブルーベリー、クランベリー、ケルプ、NZ緑イ貝、蜂蜜、ローズマリー、ココナッツオイル、ホキ油、塩、塩化コリン、亜鉛アミノ酸複合体、鉄アミノ酸複合体、ビタミンE、銅アミノ酸複合体、マンガンアミノ酸複合体、ビタミンB2、ビタミンB1、ビタミンD3 【保証成分】 タンパク質 44%以上、粗脂肪 26%以下、粗繊維3%以下、水分5%以下 453.4kcal / 100g |
フリーズドライを検討するならまずはK9で良いと思いますが、WOOF(ワフ)もあり。ただしこのフードはかなり高額です。K9の倍くらいしますね!
総合栄養食タイプだと『ワイルドゴート(野生のヤギ)』『ワイルドベニソン(野生の鹿)』『ワイルドブラッシュテイル(野生のブラッシュテイルポッサム)』、『ダッグ』『ラム』の商品ラインナップがあります。
ブラッシュテイルポッサムって何??ってなるかと思いますが、これはニュージーランドに生息する小型の有袋類のフクロギツネです。
主原料によりこだわったフリーズドライ・・・って感じではありますがさすがに値段が値段なのでオススメはしにくいですね!
ちなみにWOOFはトリーツが色々と販売されており、我が家はたまに緑イ貝のやつを買います。
エアドライ製法①ZIWI
【ZIWI】マッカロー&ラム | 容量:454g、1kg、2.5kg、4kg |
【原材料】 丸ごとマッカロー(サバ)、ラム生肉、ラムトライプ生肉、ラムラング生肉、ラムハート生肉、ラムレバー生肉、ニュージーランド緑イ貝、ラムキドニー生肉、ラムスプリーン生肉(脾臓)、ラムボーン、レシチン、パセリ、乾燥アップルポマース、イヌリン(チコリルート由来)、ミネラル類(リン酸二カリウム、硫酸マグネシウム、亜鉛アミノ酸複合体、鉄アミノ酸複合体、銅アミノ酸複合体、マンガンアミノ酸複合体)、乾燥オーガニックケルプ、海塩、ラムカーティリッジ(軟骨)、酸化防止剤(クエン酸、天然ミックストコフェロール)、ビタミン類(ビタミンEサプリメント、チアミン硝酸塩、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ビタミンD3サプリメント、葉酸) 【保証成分】 粗タンパク質 44%以上、粗脂肪 24%以下、粗繊維3%以下、灰分12%以下、水分14%以下 代謝エネルギー 450kcal/100g |
エアドライ製法のドッグフードならまずはZIWIで良いかと思います。一番一般的ではあるし、ペットショップなどでも取り扱い多く入手しやすい。フリーズドライの場合は主食として与える場合、水もしくはぬるま湯にふやかして与える作業があるので、そのまま与えるエアドライの方が楽と言えば楽ですね。
商品ラインナップとしては『ビーフ』『チキン』『ラム』『マッカロー&ラム』『トライプ&ラム』『ベニソン』があります。
エアドライ製法②アブソルート ホリスティックエアドライ
【アブソルート 】ラム&サーモン | 容量:20g、1kg |
【原材料】 ラム生肉、サーモン、ラムラング(肺)、ラムレバー、グリセリン(植物由来)、緑イ貝、乾燥チコリ、パセリ、塩化コリン、フラックスシード、ケルプ、炭酸カルシウム、亜鉛、タウリン、ビタミンE、鉄、ビタミンB3、硫酸銅、ビタミンB1、セレン酸ナトリウム、酸化マンガン、ビタミンB5、ビタミンA、ビタミンB2、ビオチン、ビタミンB6、ビタミンB12、ヨウ素、葉酸、ビタミンD3、ビタミンK、二酸化ケイ素、酸化防止剤(クエン酸、ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物) 【保証成分】 粗タンパク質 30%以上、粗脂肪 25%以下、粗繊維7%以下、灰分6%以下、水分19%以下 449.9kcal/100g |
ZIWI以外のエアドライだとおそらくペットショップでも最近よく陳列されている『iTI』というやたらオシャレな箱に入っているフードがありますが・・・
あれエンドウ豆入っていますからね。複数のアレルギーで困っている、ってなった場合、アブソルートの方がオススメできるかな、と。やや水分量が高い事もあってZIWIに比べるとタンパク質は低め。
これくらいであれば普段の主食にも使いやすいかな、と感じます。
商品ラインナップは『ラム&サーモン』、『チキン&ホキ』、『ビーフ&ベニソン』があります。
複数のアレルギーだとフリーズドライ・エアドライは有効だが手作りは検討した方が良い
さて、今回は愛犬が複数のアレルギー持ちで悩んでいる方への解決策としてフリーズドライ・エアドライのフードを紹介してみました。
フリーズドライ・エアドライで絞って探せばほぼ解決するはず。ただ将来的にアレルギーは増える可能性もありますし、手作りは学んでいった方が良いとは思います。手作りなら何とでもなりますからね!
例えばフリーズドライもしくはエアドライをベースにして、トッピングをウェットフードから徐々に手作りに移行。場合によっては完全手作りへの切り替え、とかですね。
当サイトでは普通のドライフード(いわゆるカリカリ)を主に紹介していますが、別に手作り否定派って訳ではなく一番重要なのは『愛犬に合っているか?』です。アレルギーという特殊要素があるなら手作りはやっぱり意識した方が良いかな、と。
ではこちらの記事がドッグフード選びの参考になりましたら幸いです!