今回はランフリー(Runfree)のドッグフードについて。国産で『自家製手作り』をウリにしているフードですね。
実はこのフード、当サイトのSNSに『このフードどう思いますか??』とDMが届いた事何度かあったのですが、記事にはしなかった。というのも失礼な言い方ですが、マイナーなので記事にする必要はないかな?とも思っていたのですが・・・
先日、スレッズってSNSで『あなたがイメージする国産プレミアムドッグフードはなんですか?』と質問したところランフリーと答えた方が数名いました。
もしかして私が認識していないだけで結構人気している??とも思い記事書いてみる事に。東京だと実店舗が2店ありますし思ったよりも有名なのかも?私関西勢ですので・・・笑
ランフリーではオヤツやウェットフードも取り扱っていますが、当サイトはドライフードを中心に記事書いていますので、記事内容はドライフードのみの解説となります。
ランフリーの『自家製手作り』という意味を正しく知ろう!要するにOEMではない
ランフリーの『自家製手作り』とはどういう意味か?これはOEMではない、って意味。つまり自社で製造し販売している、って事ですね。
当サイトの記事を読んで頂いた方ならOEMって何なのかご存知かとは思いますが、初めて聞いた!って方のために簡単に説明すると『委託生産』です。実は有名どころの国産プレミアムドッグフードはほぼ全てOEMで製造されたフードです。
OEM自体は工場という莫大な設備投資をせずにオリジナル商品を販売できる、などメリットはあるのですが、今のドッグフード業界はOEMで中身同じ。ブランド名だけ違うフードが蔓延しています。そしてかなり高額な広告費が上乗せされて内容に対して価格が合っていないフードが多過ぎる・・・
国産プレミムアムドッグフードで自社生産は『金虎 おさかな』、『ドッグフード工房』、『ワンフー』、『ドットわん』有名どころだとこれくらいじゃないですかね。あとは大体OEMです。
別に自社生産だから良いフード、って話でもないのですが、当然ですがOEMだと外注費は必要ですし割高になる。またオリジナリティのあるフードを委託しているのならまだしも中身大体一緒ですからね。何と言いますか・・・OEMのフードって魅力があまりない。
で、今回紹介するランフリーですが自社での製造。そしてより手作りに近いような原料、製造方法、そんなフードです。
これはランフリー公式サイトのQ&Aにもしっかり記載されています。
Q:ランフリーフードはOEMですか?
A:当店の商品は全て自社で開発・製造・販売を行っておりますので、OEMでは御座いません。
https://www.runfree-inc.com/page/70
ここに魅力を感じている方もいるのかな、と感じますが実際内容はどうなのか??見ていきましょう!!
ランフリーのドライフード懸念点は『総合栄養食』でない事と『手作り製法の弱点』
詳しい原料・保証成分を見る前にまずランフリーのドライフードの懸念点を理解しておきましょう。
ランフリーは総合栄養食ではありません。公式サイトのQ&Aにはこう記載されています。
「総合栄養食」とはAAFCO(全米飼料検査官協会)の栄養価基準に沿う様に作られたドッグフードの事で、一般的なドッグフードに記載されている「総合栄養食」や「一般食」は、「ペットフード協会」に加盟しているペットフードを作るメーカーのみが使用できる表示となります。
当店のフードは人間用の食品として流通している食材を使用し、「手作り食」の栄養価を参考に栄養バランスを整え、日本で暮らすワンちゃんに合わせて提携の動物病院が統計した結果と監修の基お作りしています。
一般的な「総合栄養食」と呼ばれるフードよりも栄養価が低い傾向がございますが、当店のお食事は消化吸収率が良く、ドライフード・ウェットフードのみでもワンちゃんの健康を維持するのに必要な総合的な栄養素を含むお食事となっておりますのでご安心ください。
https://www.runfree-inc.com/page/70
日本ではAAFCOの基準値をクリアしたものが『総合栄養食』として販売する事が可能。ただ総合栄養食だから良いフードって訳じゃなく、あれはあくまでも最低限の品質をクリアしている目安・・・みたいなものです。
ただし総合栄養食として販売されていないものには一般成分値がどう考えても良くないもの。ビタミン・ミネラルがどう考えても犬の要求量に足りていないもの・・・これは普通にあります。
なので普段の主食については『総合栄養食の方が安心』なのは事実。当サイトとしてもできれば総合栄養食を推奨しています。
ランフリーの良い点として詳細な分析結果が公開されている。ここは評価できるのですが・・・見てみると必須アミノ酸の1部、そして特にミネラルですね。正直不安な内容ではあります。亜鉛欠乏症にならないか心配。
もしランフリーを使用していて、皮膚の調子が悪い、毛が抜けやすい気がする・・・などを感じれば素直に総合栄養食に切り替えた方が良いと思います。
手作りのような製法で総合栄養食なフードとして『ドッグフード工房』があるので、そちらを検討しても良いかもですね。お試し500円あるし。
で、次に『手作り製法』ってのは一般的なドライフードの製造方法に比べて低温での処理となる。タンパク質の熱変性がしにくい、などメリットもあるのですがサルモネラ菌など有害菌のリスク。そしてデンプンのα化はしっかりされているのか??などデメリットもあります。
デンプンのα化についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
この時点でオススメできるのか??ってなると・・・微妙なところなのですが、原材料・保証成分を見ていきましょう!!
ランフリー・桜姫鶏&シリアル・五穀の使用原料および保証成分を評価
ランフリーのドライフードって結構種類が豊富なのですが、今回は『桜姫鶏&シリアル・五穀』を見ていきます!
ちなみに『桜姫鶏』ってのは日本ハムが販売しているブランド鶏でビタミンEが一般の鶏と比べて3倍!!が売り文句ですね。
ランフリー 桜姫鶏&シリアル・五穀 | 容量量:100g、800g、800g×6 |
【原材料】 香麦(小麦粉)・桜姫鶏むね肉・桜姫鶏レバー・にんじん・栗かぼちゃ・さつまいも・トマト・ブロッコリー・小麦胚芽・ホタテカルシウム・アマランサス・キヌア・はとむぎ・あわ・きび・利尻昆布・干ししいたけ・白ごま・ひまわり油・キャノーラオイル・魚油・抹茶 【保証成分】 タンパク質 20%以上、脂質7%以下、食物繊維3%以下、灰分1.9%以下、水分9%以下、炭水化物:65%以下 代謝エネルギー:359kcal |
タンパク質源について
まずはタンパク質源について。
ドッグフードは原料表示は使用している原料のうち『重い順』から記載するルールがあり、一番最初に記載されている原料を『第一原料』と呼びます。このフードだと第一原料は『香麦(小麦粉)』ですね。
まずここ!ここがよろしくない。
プレミアムドッグフードと呼ばれる価格帯のフードは必ずと言って良いほど第一原料は動物性原料・・・つまり肉や魚です。そして肉や魚の生原料って水分値が多い。大体70%くらいは水分です。つまり重い。重いので第一原料にするのって簡単なんですよ。
このフードの第一原料って小麦粉ですよね。小麦粉は水分量14.0~14.5%程度で、肉に比べると水分量が圧倒的に低い。イメージしたら分かりますよね。同じ体積の肉と小麦粉を並べたらどっちが重いか?圧倒的に肉の方が重い。
その小麦粉が第一原料になっているって事は・・・ほとんど小麦粉のフードって事です。
ドッグフードとしては珍しく炭水化物量が記載されていますが、65%と滅茶苦茶高い。これは小麦粉が多過ぎるからです。だからアミノ酸バランスも悪い。
おまけに生の肉は先ほども言った通りほとんどが水分です。という事は実質のタンパク質ってそれほど多くありません。だからドライフードってドライチキンなど乾燥させてタンパク質を濃縮した原料を使います。
小麦粉がほとんどで鶏肉由来のタンパク質も少ないとなると、ただでさえ低めの保証成分20%、このタンパク質の内訳はほぼ小麦粉由来のタンパク質・・・
ちょっとオススメできる内容ではないですね。
脂質源について
次に脂質源について。
犬にとって必須脂肪酸、つまり食べ物から摂取しなければならないのはオメガ6脂肪酸(リノール酸)とオメガ3脂肪酸となります。
このフードではオメガ6をキャノーラオイルから。オメガ3を魚油から供給していますが、ここは良いですね。保証成分値の7%は低脂質な部類ですが、公開されている分析値を見てもその脂肪酸バランスは悪くないです。
ここは安心して良いかな、と。
その他使用原料およびランフリーの総評
このフードって栄養添加剤としてビタミン・ミネラルが入っていない『完全無添加』と言えるフード。その他野菜系などからビタミン・ミネラルを供給しているのですが・・・主原料がどう考えても良いとは思えない。
しかもこのフードって価格がかなりお高い。800g容量で税込2,991円。kg単価だと3,739円/kg。さすがにほとんど小麦粉のフードにこの価格はオススメできないです。
ただ公開している情報量も多いし、むしろこの手のフードって成分値を曖昧にして誤魔化している事が多い。値段は高いとは言えすごく正直な印象を受けます。原料にもこだわりは感じられるし、フード全体として見るとオススメはできない。が、オヤツなんかは良いかも知れませんね。
ランフリードッグフードのような『手作り風ドライフード』は仕方ない面もある
さて、ちょっと酷評になってしまいましたが、この評価ってあくまでも一般的なドライフードの視点で見た場合です。
一般的なドライフードとは簡単に言えば『物凄く栄養素を濃縮したもの』、そんなイメージをして下さい。記事内でも言いましたがドライ〇〇とか、〇〇ミール、〇〇豆タンパク、こういうものって水分を飛ばしてタンパク質を濃縮したものです。筋トレする人が飲むプロテインと同じようなものですね。
一般的なドライフードというのは少量でも栄養素を摂取するため、このような乾燥原料を使用。そして足りない栄養素(ビタミン・ミネラル)は人工的に合成したものを添加。このように不自然なものではあるんですよ。
人間が食べるものと同じ自然なものでフードを作ろうとするとランフリーのような感じにはなる。これは当然だったりします。
なのでこの評価はあくまでもドライフードを推奨する当サイトだから酷評になっていまうって事ですね。自然なものを与えたい、そういう考えの方ならまた評価は違ってくるはずです。
とは言え・・・どうでしょう。やはりミネラルが特に気になってしまう・・・これ単体で与えるのは・・・あまりオススメしません!!
だったらコンセプト的には同じで総合栄養食でもある『ドッグフード工房』の方が良いと感じます!!詳細記事書いているので良かったら読んでみて下さい。
では今回はこの辺で。何か記事にして欲しいフードがあればリクエストお待ちしております!!