今回紹介するのは国産のドッグフードでBODYBALANCE(ボディーバランス)というフード。国産のプレミアムドッグフードとしては独自性があり中々興味深い配合設計になっていますね!
なおこの記事は当サイトのInstagramのフォロワーさんよりご依頼頂き執筆しています。
こちらの方は愛犬がドッグフードへの食いつきがあまり良くなく、動物性タンパク源の多いフードを色々と試してみたがイマイチ・・・そんな時にお試しで与えてみたボディーバランスの食いつきが凄く良かった。
そこで内容的に良いなら継続して与えてみても良いかな・・・と、当サイトにご依頼頂いた形です。こんな感じでドッグフードに関する疑問や質問を受け付けていますので、良かったらメッセージ下さいね!
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で、ボディーバランスの特徴を端的に言うと『国産の高タンパクで低脂肪なフード』、内容的に合っているのは公式サイトにも記載されていますが、運動不足なワンコですね。
例えば我が家には当サイトマスコットキャラクターであるウィペットのゴマちゃんがいます。この子は物凄く運動量が多い。なので暇さえあればドッグランで走らせています。
そんな場合は高タンパクはもちろんですが、ある程度の『脂肪分』も必要。じゃないと痩せます。
しかし性格的に運動嫌い。もしくは運動できる環境をあまり与えれない、そんな場合はゴマちゃんと同じように『高タンパク・高脂肪』のフードを与えると太ります。
海外製プレミアムドッグフードの場合、高タンパクなものはいくらでもあります。ただ高タンパクで『低脂質』のものは少ない。意外と需要がある配合内容かも知れませんね。
ただ高タンパクではありますが、そのタンパク質はどんな原料由来なのか?そしてボディーバランスの大きな特徴である主原料が『パンガシウス』という白身魚である事について。これらを記事本文で詳しく解説していきます!
ボディーバランスの主原料であるパンガシウスについて!筋肉が付きやすいHMBとは??
ボディーバランスというフードはタンパク値30%、脂質7%の設計になっており、高タンパク、そして超低脂肪と言っても良いレベルの設計です。
で、その主原料ですが動物性タンパク源として『パンガシウス』という白身魚が使用されています。ナマズの仲間でこんな姿をしています。
パンガシウスという名前自体は日本じゃあまり馴染みないかと思いますが、おそらく知らないうちに食べていると思います。白身魚のフライは大体これですからね!
ちなみに結構美味しい。業務スーパーとかで売っているので興味のある方は買ってみて下さい。ムニエルがオススメ。あとたまに我が家のワンコ達のトッピング用にも買ったりしています。
このパンガシウスという魚にはHMB(ベータ・ヒドロキシ・ベータ・メチル酪酸)という物質が含まれており、これが筋肉の合成促進に効果があると言われております。人間用のサプリメントもあり、ボディービルダーとかアスリートが服用していたりもします。
ボディーバランスって日本は海外のように思いっきり運動できる環境ではない。運動不足な日本のワンコに合ったものを!みたいな考え方なので、運動不足でも筋肉が付きやすい食材としてパンガシウスが採用されている。そこは理解できますし、良いと思います。
ただパンガシウスに含まれるHMBは微量です。HMBは必須アミノ酸であるロイシンから体内で合成される物質なのですが、ロイシンって動物性タンパク源(肉や魚)に多く含まれるもの。
パンガシウスが入っているからと言ってそこまで効果に期待できるかと言うと・・・若干の疑問はあります。それだったら明確に動物性タンパク源が豊富なフードの方がわかりやすい。
後で詳しく解説しますが、ボディーバランスって確かに主原料(第一原料)はパンガシウスです。ただ植物由来のタンパク源も結構多い。
パンガシウスは原料として悪いものではない。むしろ良いものですがHMBの効果に期待し過ぎるのはどうかな・・・って印象ですね。
ではここからは細かく使用原料や栄養成分を見ていきましょう!!
ボディーバランスの原材料品質・原料表示の情報量(27点/30点)
ではここからはボディーバランスの製品性能について詳しく解説していきます。
ちなみに当サイトの評価基準ですが6つの項目を採用し100点満点形式にて評価しています。詳しい評価内容を知りたいという場合はこちらの記事を読んでみて下さい。
→ドッグフードランキングサイトが信用できない理由|当サイトが信用されるよう取り組む事
ボディーバランスの使用原料について(15点/15点)
ボディーバランスの使用原料はこちらになります。
原料表示
パンガシウス(淡水白身魚粉)、脱脂大豆、エンドウ豆、乾燥おから、タピオカ澱粉、ポテトプロテイン、乾燥マッシュポテト、ビール酵母、ブドウ糖、ポークパウダー、ポークミール、ビートパルプ、アルファルファミール、動物性油脂、かんしょ粉末、酵母抽出物、酵母エキス、亜麻仁、精製魚油(EPA・DHA源)、オリゴ糖、ゼオライト、グルコサミン、酵母細胞壁、たもぎ茸粉末、野菜ミックスパウダー、低分子コラーゲン、L-カルニチン、コンドロイチン、パン酵母(セレン源)、植物性乳酸菌K-2、アミノ酸類(DL-メチオニン、BCAA(ロイシン、バリン、イソロイシン))、ミネラル類(リン酸一水素ナトリウム、炭酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウム、硫酸コバルト、ペプチド鉄、炭酸マンガン)、ビタミン類(E、コリン、C、パントテン酸、A、B₂、B₁₂、D₃)、酸化防止剤(ミックストコフェロール)
動物性原料およびタンパク質源について
ドッグフードの原料表示にはルールがあり、配合割合の高いもの(重たいもの)から順に記載するルールがあり、一番最初に記載されているものを第一原料と呼びます。
ボディーバランスの場合は『パンガシウス(淡水白身魚粉)』が第一原料となります。
これ自体は良いのですが、注意すべきは全体に対して何%かわからない(表記されていない)って事です。パンガシウスに続いて【脱脂大豆、エンドウ豆、乾燥おから、タピオカ澱粉、ポテトプロテイン、乾燥マッシュポテト】と乾燥させたタイプの植物性原料が続きます。
これらはタンパク値が高い植物性原料。例えば脱脂大豆はその名の通り、大豆に含まれる油分を抽出して残ったもの。畜産の飼料なのでもタンパク値を補うためよく使われているものです。
第一原料は確かにパンガシウスが使われている。成分値がタンパク値30%ではあるが、そのうち植物性由来のタンパク質がかなり多いと思われる・・・って事ですね。
またパンガシウス以外の動物性原料として『ポークパウダー、ポークミール』が使用されていますが、これは大した配合量じゃないです。もう一度言いますが、ドッグフードの原料は配合割合の多い順に記載されています。
ビール酵母、ブドウ糖より下に記載されているって事はそこまで大した量ではありません。
よくドッグフードを解説しているサイトで『第一原料が肉類のものが良い』とか書いていますが、あれは正しい。でも見た目だけ良くするのは簡単に操作できます。図で説明するとこんな感じ。
このように複数の原料を使って割合を分散させてしまえば見た目の表示は何とでもなります。
国産のプレミアムドッグフードで中身大した事ないけど広告の力だけで売れているタイプのフードって大体これです。しかもその手のタイプのフードってほぼ間違いなく『生肉』をアピールしてきます。生肉は水分量が多いので当然ながら重い。より簡単に第一原料にしやすい。
そういう意味ではボディーバランスのパンガシウスは魚粉状態に加工されたものなので、そこまで酷くないと思いますが・・・それでもやはり植物性由来のタンパク質は思っている以上に多いでしょうね。
このように書くとマイナスなイメージを持たれるかもしれませんが、太りにくい高タンパクなフードとしては良く考えられた配合設計だと思います。
アミノ酸でBCAAが添加されているのもこれが理由でしょう。BCAA(分岐鎖アミノ酸)というのはロイシン、バリン、イソロイシンの総称となるのですが、これらは筋肉の合成を促進する効果があると言われています。
BCAA自体は肉類や大豆に多く含まれるので通常ならあえて追加で添加する必要はない。それを添加している理由が筋肉量を増やすためですね!
脂質源について
次に主な脂質源ですが、動物性油脂と亜麻仁、精製魚油が使用されてます。動物性油脂というのが何の動物??ってやや不親切な表示ですが、オメガ6脂肪酸源として。そしてオメガ3脂肪酸源として亜麻仁と精製魚油が使用されています。
亜麻仁+魚油というのは非常に良いですね!亜麻仁に含まれるオメガ3脂肪酸はαリノレン酸となり、これは犬が利用しにくいオメガ3脂肪酸です。どちらかと言えば魚に多く含まれるEPAやDPAの方が良い。
国産のドッグフードってこの脂肪酸についてイマイチなものばかりなんですよね。ここしっかり考えられているのは高評価です!
その他原料について
その他特徴的な原料として『たもぎ茸』、これはβグルカンを目的に配合されていますが、βグルカン系のキノコって最近ちょっと流行っていますよね。霊芝(サルノコシカケ)やアガリクスなどをアピールしているフードよく見かけます。
βグルカンの効能としては免疫力を高める事。このβグルカンが癌の予防効果がある・・・ってアピールしているものをたまに見かけますが、これはちょっと誇大表現な気がします。一応βグルカンの癌抑制効果に関する研究発表がありますが、あくまでもマウスでの試験結果です。
そこまで誇大表現をしておらずβグルカンの効能を『健康な免疫力を維持と抗酸化作用』、公式サイトではこの程度に留めているのも好感持てますね。
あとは関節サポートとしてコンドロイチン・グルコサミン、腸内環境を整える酵母類、この辺りはプレミアムドッグフードなら定番のもの。
ゼオライトは天然の鉱物なのですが、体内のアンモニアを吸着する性質があり便臭を抑える効果があります。畜産の業界では良く使われるものですね。
コンセプトに合った使用原料、これと言って粗悪な原料も使われていないので点数は15点/15点の満点評価としておきます。
使用原料についての総評
使用原料全体について。ボディーバランスのコンセプトは『運動不足なワンコを理想のボディバランスを』、なのでコンセプトに合った使用原料。国産のプレミアムドッグフードとしては珍しく面白いフードです!
ただ高タンパクなフードを求めている飼い主さんって、愛犬が活発で運動量多いからだと思います。そんなタイプには合っていませんので、広くオススメできるフードとは言いにくい。
ただ愛犬の性格的には運動大好きだがフードの与え方を失敗して太ってしまった、運動する環境を十分に与えられず太ってしまった。そんな場合は試してみる価値ありなフードと思います。
ボディーバランス原料表示の情報量について(12点/15点)
ドッグフードの原料表示は多いものから順に記載するルールがあります。ただし各原料が何%配合されいるかの割合までは記載する義務はありません。
海外製プレミアムドッグフードには%表示しているものはあると言えばありますが、国産のものはまずない。
ボディーバランスについても先ほども言いましたが、パンガシウスが第一原料なのは良いがそれが何%なのかわかりませんよね??ここは残念なポイント。
ただ評価できる点として分析値ではなく、あくまでも計算値ですが公式サイトに栄養成分値(アミノ酸や脂肪酸の数値)が記載されています。ここは高評価!
当サイトでは原料表示が%表示しておらず必要最低限の事しか記載されていない場合は10点/15点評価しています。ボディーバランスについては少し加点して12点/15点としておきます。
ボディーバランスの栄養成分値・バランス(20点/20点)
次に栄養成分について。保証成分はこちらとなります。
保証成分
タンパク質:30%以上、脂質:7%以上、粗繊維:5.0%以下、灰分9.5%以下、水分10.0%以下
カロリー:320Kcal
リノール酸:1.66%、αリノレン酸:0.42%、EPA:0.09%、DHA:0.07%
基本的に当サイトは栄養バランスについて満点評価となります(総合栄養食の場合)。犬にとっての最適な栄養バランスなんてものは存在しません。ライフステージや性格、飼育環境によって最適な数値は変わってきます。
内容としては高タンパク・超低脂質、そして低カロリーとなっているのでこのようなタイプを求めている方には良いって事ですね。
あと脂肪酸バランスが非常に良い。そもそも脂肪酸数値は記載されていない事の方が多いですが、ボディーバランスは公式サイトに計算値が記載。そしてその数値も悪くない。国産のフードでここをしっかり記載されているものは非常に少ないのでこの点は非常に高評価できます。
ボディーバランスは安全への取り組みを行なっているか?(15点/20点)
当サイトでは安全への取組について①アレルギーの対策、②安全性に関わる認証制度など取得しているか、この2点を特に重要視しています。
まずアレルギーについてですが、ボディーバランスはグレインフリーのフードとなります。ただグレインフリーである事は今となっては珍しいものではない。特別評価すべき事ではないかな、と感じます。
例えば国産のプレミアムドッグフードで『おさかな』というフードがあります。これは原料のコンタミ(原料が混ざってしまう事)を防止するため工場を一から作った。だから高評価しています。
ドッグフードって基本的にはライン作業で製造されます。様々な原料を扱っていいると原料表示にないものが混ざる可能性は0とは言えません。
次に『安全性に関わる認証制度』について。最近ではドッグフードを製造する工場も人間の食品工場と同じく認証制度を取得する流れになってきました。これは世界的に見てもそうですね。有名なプレミアムドッグフード だと大体何かしら認証制度は取得しています。
ボディーバランスもISO9001認証取得国内工場で生産と公式サイトに記載されており、ここは評価できるポイントです。
ちなみにISO9001とは『製品の品質向上を目的としたマネジメントシステム』の規格となるのですが、わかりやすく言うとドッグフードの製造過程において国際基準の管理体制を敷いている工場で生産されている、って事ですね。
ただISO9001を取得しているからと言って内容が良いかは別です。国際基準の管理体制の下で製造されているってだけなのでここは勘違いしないようにして下さいね。
評価としては15点/20点としておきます。
ボディーバランスの製造方法について(5点/10点)
当サイトはドッグフードをどのように製造しているか?これについても重要視しています。
ボディーバランスは間違いなくどこかのOEMドッグフードだとは思いますが、どこで作っているかはちょっとわかりませんね。
こちらの記事を読んで頂ければ分かるのですが、国産のプレミアムドッグフードって中身ほぼ同じでパッケージだけ違うものが多い。私のように様々なドッグフードの原材料表示を見ていたらどこの工場か大体分かります。
→国産のプレミアムドッグフードが信用できない理由|これ読んでも信用できますか?
工場が分かればドッグフードを製造している機械などから品質についても判断できるのですが・・・という訳で今サンプルを取り寄せていますので、現物を見て判断しようと思います。
暫定的に5点/10点としておきます。(当サイトの製造に関する評価の平均点が5点なので)
ボディーバランスは人工の酸化防止剤・着色料を使用していないか(10点/10点)
これについては問題ありません。使用されている酸化防止剤はミックストコフェロールで自然由来のもの。
その他危険とされている添加物系は使用されていません。
ボディバランスはスペックに見合った価格であるか?10点/10点
最後に価格について。当サイトでは単純な価格ではなく、スペックに見合った価格なのか?これを考慮して採点しています。
先に価格を言ってしまうと4kgで6,930円(税込)、10kgで14,080円(税込)、10kgだとkg単価で1,408円/kg・・・お得だと思いませんか??
タンパク値30%のフードでこの価格は中々ないと思います(脂質は低いですけど・・・)
もちろん原材料の項目で説明したようにそこそこ植物性原料が多いとは思います。でも価格面でも安く設定されているのであれば全然問題ない。国産のプレミアムドッグフードは原価めちゃくちゃ安いはずなのに平気で3,000円/kgくらいするフードも多いですからね・・・
で、このフードって『中・大型犬向け』で販売されています。ただ粒のサイズ自体は(8mm x5mm)と小型犬でも全然問題ないサイズ。
おそらくあえて狭い層をターゲットにしている。そんな気がします。
何度も言っていますが、このフードって『高タンパク・超低脂質』です。高タンパク・高脂質であれば海外製プレミアムドッグフードで良い。ここと勝負しても知名度的にしんどい。
かと言って日本で多く飼育されている小型犬向けプレミアムドッグフードはライバルが莫大な広告料を費やしているのでこれはこれで難しい。
では中・大型犬向けの高タンパク・超低脂質なら・・・??
需要自体も少ないがライバルも少ない。ここを狙っている気がします。
中型犬以上になると小型犬に比べて食べる量も半端ない。価格もより重要な判断要素となるので、植物性原料を多めに使用し原価を抑えて良心的な価格。太りにくいフードとして展開した。
良いと思います!こういうの求めていたって飼い主さんは案外多い気もします。似たようなスペックのフードってパッと思い浮かばないですからね。
という訳で色々とフードを試してみたが太る、って場合は試してみてはいかがでしょうか。
ボディバランスの総合評価は87点!広くはオススメできないが需要はありそう。
さて、ボディーバランスの総合的な評価ですが87点となりました。悪くはないです。こういう独自性のあるフードは個人的に好き。
太り気味、運動不足、価格を抑えて品質の良いもの、国産が良い、そんな方はぜひ試してみて下さい。
で、今回の依頼者である方への回答なのですが、この方は別にダイエットを目的としている訳ではなく、愛犬も運動量多そうなんですよね。ただフードへの食いつきがあまり良くない。すぐ飽きてしまう。そんな悩みを抱えています。
単純な栄養スペックだけで言えばオススメはしません。もう少し脂質もあった方が良いかと思います。
たまにいるんですよ。基本的にはワンコは肉や魚が好きなので、動物性原料が豊富なフードほど食いつきが良くなる。ただその手のフードは脂質も多く、その脂質を嫌がり植物性原料を多く使用している安いフードの方が食い付きが良かったりする。
今回の依頼者以外にも似たような相談は何件かありました。
そうなると正攻法としてはトッピングで調整。それでもダメなら・・・飽きる前にフードを頻繁に変えてローテションする、これくらいしか手はない・・・
そう・・・フードジプシーってやつですね・・・
もしこのフードを与えていて機嫌よく食べているのであれば、アカナやオリジンのような高タンパク・高脂質なフードを少し混ぜてみるのも手です。
あまり参考になる情報を提供できなくて心苦しいのですが、何か合いそうなフードを見つけたらお知らせするようにいたします!
では今回はこの辺で。こちらに当サイトで評価が高かったフードをまとめていますのでフード選びに悩んでいる方は参考にして頂ければ幸いです。
→ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています