当サイトのInstagramではドッグフードに関する疑問・質問などを受けており、場合によっては記事にして公開しています。
今回こんな内容のDMが届きました。
当サイトのInstagram:https://www.instagram.com/wanko.blog/
ペルシアというドッグフードを過去に与えていたが調子が悪くなったのでフードを変更した。成分的にどうなのか教えて欲しい!そんな内容ですね。
ペルシアというのは『薬膳』ドッグフードとして販売している国産のプレミアムドッグフードです。パッケージが斬新ですし広告もされているフード。見たことあるって方も多いのではないでしょうか?

ペルシアドッグフード
で、いつものように使用している原材料や成分、製造方法などの項目で評価していこうかなと思いましたが・・・やめました。
理由はですね・・・同じようなOEMドッグフードが乱立しているのにそれをする意味あるのかな・・・って思ったからです。過去に『このこごはん』を例にOEMドッグフードとはどういうものか?それについて記事を書きました。
この記事は予想以上に反響が大きかったのですが、この記事内で紹介しているドッグフードってエクストルーダーという機械で製造されたものなんですよ。
ペレット状のフードには大きく分けて2種類あります。エクストルーダーで作ったものをEP(エクストルーデットペレット)、もうひとつをDP(ドライペレット)、専門用語ではこんな風に呼ぶ場合もありますが、簡単な見分けがDPは細長くてボソボソしている。
比較画像をお見せしますので、あなたが愛犬に与えているフードがEPかDPどちらか見てみましょう!
EPの国産プレミアムドッグフードはOEMと広告だらけ。内容ほとんど同じものが超高額な値段で販売されている現状。これを過去記事で紹介しました。
じゃあDPはどうなのか??
もちろんOEMばっかです。何ならEPよりもえげつないとすら感じますね!!
という訳で今回はDPタイプの国産プレミアムドッグフードについてなぜ信用できないか?それについて紹介していきます。記事全部読んでみて『それでも国産プレミアムドッグフードを信用できるか??』、ぜひコメント欄で感想聞かせて下さい!!
ドッグフード工場の火事によって露見したOEMドッグフードの闇・・・
2022年8月、兵庫県神戸市にあるフィールドゲインズというドッグフードを製造している工場で火災が発生したって事件ご存知でしょうか??
フィールドゲインズというのは株式会社スパットという会社が製造・販売しているフードなのですが、ここはドッグフードメーカーというよりは他社からの受託・・・つまりOEMが主力の会社です。
過去記事でも解説しましたが、もう一度OEMについて簡単に説明しておくと・・・
図で説明するとこんな感じです。
ドッグフードって企業が自社で配合設計を考えて、自社工場で製造、そして販売している・・・って思っていませんか??もちろん自社製造している企業もありますが、OEMがめちゃくちゃ多い!
使用原料など配合設計もOEM工場に丸投げできます。つまり動物栄養学など専門的な知識がなくても企業は『オリジナルブランド』のドッグフードを販売できる。これがOEMです。
IT企業であろうが飲食店だろうが、どんな企業でもお金さえ出せばドッグフード販売できる、って事ですね!


ドッグフードに限らずOEMはどの業界でも行われている事。これ自体は問題ないのですが、特に国産のプレミアムドッグフードはOEMで中身ほぼ同じものが乱立している。そしてどう考えても高すぎるものばっか・・・・
これが問題なんですよ。
さて、ではOEM工場が何か事故など発生して機能が停止したらどうなりますか??当然ですがドッグフードを販売している会社は供給がストップするので販売できなくなりますよね??
まさにこれが起こったのです。フィールドゲインズの工場で火災が発生した事によって・・・
有名どころの国産プレミアムドッグフードで言うと・・・まずは『ナチュロル』、最高級プレミアムドッグフードとアピールしているかなりお高いフードですが・・・
公式サイトにこのようなお知らせがあり、欠品しました。2023年1月現在、今も欠品しており新規受付を停止しています。
この度、国内製造工場にて発生した火災により、「ナチュロル」の生産が一時停止となり欠品が発生することが予想されます。
そのため、新規のご注文につきまして、受付を一時停止させていただいております。
次に『犬心』というプレミアムドッグフード。これもかなりお高いフードですが、公式サイトにてこのようなお知らせがありました。
今年8月末、弊社ドライフードの製造委託工場において、同じ建物内事業者からの出火が原因となり、火災事故が発生いたしました。
すでに別拠点において緊急生産を進めておりますが、現在のところ「犬心」ドライフードシリーズ全品(トリーツ・サプリを除く)が欠品となっております。
8月と明言している以上、フィールドゲインズの工場である事は間違い無いですよね。
とりあえず2つのドッグフードを紹介しましたが、この火災によって他にも多くのドッグフードに影響が出ています。PRIMO(プリモ)とかもそうですね。
このようにドッグフードは違うブランドでも同じ工場で製造されている事があります。
ただもう一度言いますが、OEM自体は悪くありません。品質が良く適正価格のドッグフードならどの工場で作っていても関係ないですよね?
ではここからOEMドッグフードの中身について見ていきましょう!
中身ほぼ一緒でも値段が違う国産プレミアムドッグフード|その大きすぎる価格差
先ほどフィールドゲインズ工場の火災によって2つのプレミアムドッグフードを紹介しました。『ナチュロル』と『犬心』です。
使用原料はこちら。
もちろん全く同じではないですが、なんかこう・・・似ていると感じませんか??ちなみに『犬心』でホエイと表示されているものは『ナチュロル』の乳清と同じです。ヨーグルトの上澄みですね!
で、冒頭に話に出た『ペルシア』ですが、これはフィールドゲインズの工場って確信はないのですが・・・
なんか似ているでしょ??
各社独自性を出したいので犬心の場合は『ハナビラタケ・冬虫夏草』、ナチュロルは『持続性ビタミンC』、ペルシアは『クコの実』、と一応特殊原料を使ってきてはいますが・・・
ベースほぼ同じでそこまで変わる??って話です。
でね、じゃあフィールドゲインズ・・・つまりOEM工場で製造・販売しているドッグフードはどんな感じ??って気になりませんか??
それがこちら・・・
どう考えても似ているでしょ??ちなみに保証成分も似たような感じです。
ドッグフードで使える原料なんて無数にあります。それがここまで似る?って思いません??
犬心は公式サイトにて商品開発の紹介でこんな一文があります。
「犬心」で扱う商品は、全て動物栄養学などの裏付けがあるラインナップです。一般的な科学知見に止まらず、大学・医療機関との連携を含め、自社の研究工房で蓄積したノウハウをベースとしています。
蓄積したノウハウが行き着いた先はフィールドゲインにキノコ入れたもの??
ナチュロルの公式販売ページの売り文句はこれ・・・
ずっと一緒にいたい。楽しく、幸せに暮らしたい。そしてワンちゃんにもそう思っていてほしい。そんな想いから健康と食いつきを追求したプレミアムドッグフードが誕生しました。
そんな想いから誕生したのがフィールドゲインズとほぼ同じ配合内容。犬の体内で合成できるビタミンCをやたら配合したフードが最適??
ペルシアにはこう書いています。
こだわりの配合・製法だから専門家も推奨。専門家が試行錯誤し出来上がった、納得のフード。家族の一員であるペットのカラダを作るものだから素材から製法まで、こだわりが詰まっています。
こだわりがフィールドゲインズの配合をベースにクコの実入れる・・・だけ?
国内75人しかいない国際薬膳調理師のシェフが考案!!とかアピールしていますが・・・クコの実しか薬膳要素ないですが、もうちょっと何かなかったのかしら・・・って思いません??
で、ここからが重要なのですが、価格です。上記紹介した4つのフードを比較するとこうなります。
※この手のフードは定期購入前提みたいなとこありますが、ややこしくなるので通常価格にて比較しています。
さて、この価格差に納得できますか??
価格もそうですが、それ以前に・・・プレミアムドッグフードってどの公式サイトにも『愛犬のためにー』とか書いているじゃないですか?
そんな事書くならほぼ同じじゃなくて、せめて真剣に考えろよ!!って思いません??真剣に考えた上で原価高くなったのなら仕方ない。ベースほぼ同じの癖に、長年研究してとかうんたら・・・
ドッグフード選ぶときには絶対に『会社情報』見た方が良いですよ!ドッグフードのブランドサイトじゃなくて、運営している会社本体のホームページです。それ見たらある程度本気度は感じられます。
国産プレミアムドッグフードにここまでの価格差があるのは広告費と外注費が要因
4つのドッグフードの価格について比較してみましたが・・・
おそらくほとんどの方はフィールドゲインってドッグフード知らなかったと思います。すべてベースはほぼ同じ配合設計。価格は圧倒的に安い。だったらネット上でもっと見かけても良いと思いません??
でも出てこない。ドッグフード評価サイトでも紹介されない。やたらと高いフードばっかSランクだのAランクだのとごり押ししてくる。
理由は簡単。広告です。正確にはアフェリエイト広告です。アフェリエイトってのはこんな感じですね。
このASPってのはアプリケーション・サービス・プロバイダ(Application Service Provider)の略で、要するに企業とブロガーを仲介するサービス(企業)です。
ASPはいくつもありますが、最も有名なのは『A8net』ですね。ちなみにA8netは無料で登録できます。登録すると別にブログサイト持っていなくてもどんな広告あるのか見れるので、どのドッグフードがアフェリエイト広告しているか見れるのでオススメ。
興味のある方は登録してみて下さい。→A8.net
ドッグフード評価サイトはこのアフィリエイトによって収益を得ています。そしてドッグフードによってアフェリエイト案件があるもの、ないものがあり、報酬単価もドッグフードによって違う。
するとどうなるか??アフェリエイト報酬が高いドッグフードばかりがごり押しされる訳ですね。
ドッグフードを販売している会社としてもネット上にどんどん露出してほしい。そのためには報酬単価を上げる・・・するとどうなるか??
スペックの割に値段がやたら高いプレミアムドッグフードが誕生します。
なんかこういう風に書くと『アフェリエイトが悪』って印象持たれるかも知れませんが、本当に良いと思ったものを紹介する。売れれば報酬もらえる。このシステム自体は悪くない。というか当サイトもアフェリエイトはしています。
ただ報酬単価ありきでドッグフードランキングが作られている。これが問題なんですよね・・・
中身ほぼ同じでもドッグフード評価サイト内で順位が違う。何ならランキングに掲載すらされていない場合もある。理由はアフェリエイトです。
先ほどの価格差は何なのか?このアフェリエイト広告費がかなり大きい。そしてOEMなので委託料を支払う必要があるのでコストが上乗せされている。だからOEMの国産プレミアムドッグフードは高いって事です。
国産プレミアムドッグフードって実際のところ良いドッグフードなのか??
じゃあ国産のプレミアムドッグフードって品質的にどうなの??って疑問に持たれると思います。
これなんですが・・・品質面で悪いって事はないけど、価格が高すぎる。そう感じています。あと国産のドッグフードは非常に見極めが難しい。私はドッグフードの原材料表示とか毎日のように見ていますので、見ればだいたいどこのOEMか予想がつくという特殊能力があります・・・笑
普通はわからないですよね。ネットの情報を鵜呑みにしてしまうのも仕方がない。
今回紹介したフードも悪いとは言いません。ただその金額を出すなら、海外プレミアムドッグフードだとかなり良質なフード購入できる。そんな感じですね。
もちろん国産プレミアムドッグフードでも評価できるものありますよ?私のイチオシは『金虎 おさかな』ですね!小規模のペットイベントとかにも出店。SNSで地道な広報活動。非常に好感が持てます。ぜひ頑張って欲しい国産メーカーですね!品質も良いし。
さて、今回の依頼内容は『ペルシアが成分的にどうなのか??』でした。全く違う話になってしまい申し訳ないので、簡単に答えておきます。
結論から言うと悪いフードではありません。ただこの価格帯であれば脂肪酸バランスの記載(オメガ6とオメガ3脂肪酸バランス)などしっかり記載して欲しいところ。
生肉が多いように見えるが、生肉は水分割合が多いので重量比として重くなるのは当然。実質の栄養素としてみればそこまで多くない。実際にタンパク値稼ぐため『脱脂大豆』『脱脂米ぬか』、『乳清』、『脱脂粉乳』などが使われている。
高タンパクで動物タンパク源が豊富なフードを求めているのであれば違うフードをオススメする。これは表示のマジック。国産プレミアムドッグフードによくあるタイプ。
クコの実は抗酸化作用が高く、悪いものではないがここまで価格に影響を与えるものではない・・・
こんな感じですね!品質が悪いフードではありませんが、コスパ悪いと思います!!
では今回はこの辺で。こちらに当サイトで評価の高かったフードをまとめたランキング記事を作成しています。フード選びに迷ったらこちらもぜひ参考にしてみて下さい。
→ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています