今回紹介するドッグフードはAMBROSIA(アンブロシア)というドッグフード。2007年にギリシャで設立された会社が販売するフードで原産国はオランダとなります。
つまりギリシャの会社がオランダのドッグフード製造工場に製造委託。それを日本に輸入した。そんな流れのフード。要するに海外OEM品なのですが、実はこういうフードって多く、ペットショップで販売されているようなメジャーなフードでも自社工場ではなくOEMである事は多い。
ただ当サイトでは何度も言っていますが、海外製のOEMに関してはあまり気にする必要はないかと。国産のOEMはちょっとどうかな?ってフード多いですけどね。
OEMとは?
Original Equipment Manufacturingの略で『メーカーが他企業の依頼を受けて製品を代わりに製造すること』です。
有名どころの海外OEMフードはソルビダ(アメリカ)、キアオラ(ニュージーランド)、ビィ・ナチュラル(オーストラリア)など。
アンブロシアの話に戻すとアンブロシアとはギリシャ神話に出てくる神々の食べ物。こういうファンタジーなネーミングは・・・嫌いじゃない!ゲームに出てくるレアアイテムみたいですよね。
先に言っておくと値段がちょっと高めで3,000円/kg以上は覚悟しないといけません。ドッグフードに限らずですが、ある程度流通量がないと価格が高くなる。アンブロシアは海外現地でもそこまで有名なフードではありませんし、どうしてもコスパは悪くなりますね。ただ内容は良い。当サイトとしてもオススメできるフードではある。
ではそんなアンブロシアですがどんな特徴があるのか見ていきましょう。
アンブロシアはどんなドックフードか?|5つの特徴について
海外製ドッグフードを検討する場合、できれば海外現地の公式ホームページを見る事をオススメします。日本の輸入代理店が運営しているサイトは情報量が少ない事多いですからね。
ただ冒頭で有名どころの海外OEMフードをいつくか紹介しましたが、あれらは海外に公式ホームページが存在しません。なぜなら日本の会社が製造委託しているから。つまりは海外現地では売っていないフードです。
一方でアンブロシアは海外(アンブロシアの場合ギリシャ)の会社がOEMしており現地でも販売されているフードを日本に輸入してきている。当然ですが公式ページはあります。
アンブロシアのギリシャ公式ホームページはこちらですね。
ではその公式ホームページにて紹介されている5つの特徴について紹介していきます。
特徴①:2種類の動物性タンパク源を使用
アンブロシアにはいくつかの商品ラインナップがありますが、基本的に動物性タンパク源を2種類使用する配合内容となっています。(動物性タンパク源が1種類ものももあります)
動物性タンパク源を2種類使用する理由ですが、当然ながら原料によってアミノ酸バランスは異なる。そのため1種類ではなく2種類使用する事でバランス良くアミノ酸を摂取しよう、これがまず1つ。
そして1種類の動物性タンパク質に頼り過ぎるとアレルギー発症のリスクが高まるため、そのリスクを軽減するため。
アレルギーって同じものばかり食べ続けているとそれがアレルギーの原因となる事が多いです。『フードローテーション』という言葉をよく聞くかと思いますが、あれは摂取するタンパク質を複数にしてリスクを分散する・・・そんなメリットがあります。
フードローテーションとは?
一種類のフードを与え続けるのではなく、複数のフードを順番に与える事
まあ複数の動物性タンパク源を使用する、ってのは特別珍しい事ではないのですが、大型犬向けの粒の大きいものなんかもあり商品ラインナップが豊富、ってのは魅力なのですが、残念ながら日本で販売されているものは少ない。
調べた限りだと2種類の動物性タンパク源のものは魚メインの『サーディン&ツナ』くらいで他はラム、ダック、ターキー、それぞれ動物性タンパク源が一種類のものしか販売されていないっぽい。
ギリシャの公式サイトを見ると『ラビット&サーモン』とか日本でも需要高そうなものあるのですが、ここは今後に期待ですね!
特徴②:穀物不使用、遺伝子組み替え食品不使用、保存料不使用
次にアンブロシアでは『穀物不使用』、つまりグレインフリーですね。そして遺伝子組み換え食品、保存料不使用を明言しています。
ただこれらはそれなりに高価な海外製プレミアムドッグフードだとどこもそうなので、特別評価を上げる要素ではないかと。やっていて当然、って感じですかね。
特徴③:原料に魚を多く使用
アンブロシアでは2種類の原料を使用する考え、と紹介しましたが、その中で魚が多く使用されている、って特徴があります。
これは非常に良い。魚にはオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)が豊富に含まれており炎症性疾患を軽減するなどメリットは非常に多い。当サイトとしても可能ならば魚系フードはローテーションに取り入れた方が良いって考えです。
国産のプレミアムドッグフードで『金虎 おさかな』ってフードがあるのですが、それをオススメしているのもそれが理由の1つ。
ただ問題は先ほども言ったように日本で販売されている種類が少ない、って事ですね。『肉&魚』タイプのフードは多分ですがまだ販売されていないと思います。
特徴④:鶏脂の使用
ギリシャの公式サイトを見てみると『鶏脂』の使用をアピールしていましが、これについては2種類の動物性タンパク源を使用しているタイプのフードに適用されているものだと思われます。
『ダッグ』『ターキー』『ラム』の使用原料を調べてみましたが、それぞれタンパク源と同じ動物由来の脂質源が使用されています(ラムなら脂質源にラムの脂肪)。
動物性タンパク源が単一ではなく、2種類のものには『鶏脂』って感じでしょうが、鶏脂は必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸源としてよく使われているもの。ここも特別評価を上げるものではないかな、と。
ただ動物性タンパク源が単一のものに関して、タンパク源由来と同じ脂質源を使用している、ってのは愛犬がアレルギーで困っている飼い主さんには嬉しいかと思います。
鶏脂など精製したオイルってその製造過程でタンパク質はほぼ取り除かれます。アレルギーの原因は特定の『タンパク質』なので、鶏アレルギーであっても鶏脂を食べたからとアレルギーを発症する事はまずありません。
ただ稀に微量なタンパク質が残留している事はある。
そのため可能なら避けた方が良い、ってのはありますからね。
特徴⑤:スーパーフードとハーブの使用
最後に5番目の特徴として、アンブロシアでは『ほうれん草』、『ブロッコリー』、『クランベリー』、『ブルーベリー』、『ユッカ』、『ターメリック』これらの使用をアピールしています。
それぞれドッグフードの原材料としては機能性があり非常に良いものだとは思いますが、使用原料としてそこまで珍しいものではない。ここも特別評価を上げる点ではないかと。
アンブロシアドッグフードについての感想|どんな方にオススメのフードか?
使用原料など詳しくは後で解説しますが、アンブロシアの評価として現時点では評価しにくい。
アンブロシアって動物性タンパク源が2種類のものを『アンブロシア クラシックシリーズ』、単一のものを『地中海シリーズ』として販売しているようで(ウェットフードもあります)、日本で購入可能なものは『地中海シリーズ』、その中でも一部のみって感じです。
商品ラインナップ全体で見れば選択肢も豊富で非常に良いですが、購入できるもの限定で考えれば値段もちょっと高いし、広くはオススメしにくいかな。そんな印象ですね。
各フード単体で見ても良いフードである事は間違い無いですけどね。このフードをオススメできるのは・・・
- そこまで高タンパクではなく、吸収性の良い原料を使用しているフードを探している
- 愛犬がアレルギーで動物性タンパク源が単一のものを探している
- 値段は多少高くても良いが、誤魔化しのない良いフードが良い
これらに該当する方でしょうかね!
アンブロシアの使用原料および保証成分を評価
では使用原料や保証成分を細かく見ていきましょう。
実はアンブロシアなのですが、当サイトのInstagramフォロワーさんからリクエストがあって記事書いています。現在は『ブラバンソンヌ』の大型犬用フィッシュを与えているとの事。ですのでアンブロシアで日本で購入できるもののうち魚メインの『HMNサーディン&ツナ』をメインに解説していきます。
当サイトではこのようにドッグフードのお悩み相談なんかをやっていますので、何かあればお気軽にメッセージ下さい。依頼は【ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています】この記事のコメント欄、もしくは下記お問い合わせ窓口まで!
では原材料および保証成分を見ていきましょう。
アンブロシア HMNサーディン&ツナ | 原産国:オランダ |
【原材料表示】 原材料:イワシ(30%)、ドライツナタンパク(20%)、サツマイモ、エンドウ豆、サーモンオイル(5%)、加水分解されたサーモンタンパク(3%)、ビートパルプ、ココナッツオイル(3%)、オリーブオイル(0.5%)、ドライルツェルン、ドライチコリ(イヌリンとフルクトオリゴ糖の供給源として;0.5%)、亜麻仁、塩化コリン、マンナンオリゴ糖(0.15%)、タウリン、ドライアップル、ドライトマト、フェヌグリーク、ドライ梨、ドライオレンジ、オレガノ、タイム、プロバイオティクス(エンテロコッカス・フェシウム)、ビタミンE(一部保存料として)、ビタミンC、鉄、亜鉛、ビタミンB12、ビオチン、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンA、ビタミンB2、銅、マンガン、ビタミンB1、ビタミンB6、ヨウ素、葉酸 【保証成分】 粗タンパク質 28.50%、粗脂肪 16.00%、粗繊維 2.90%、粗灰分 9.30%、水分 9.00% カルシウム 1.60%、リン 1.10% オメガ3脂肪酸 2.4%、オメガ 6脂肪酸 1.4% 373.6kcal/100g ※タンパクの77%以上が魚 |
タンパク質源について
まずタンパク質源について。ドッグフードでは配合割合が高い(重い)ものから順に記載するルールがあり、一番最初に記載されるものを『第一原料』と呼びますが、このフードだと『イワシ(30%)』が第一原料となります。
何が良いって30%と割合表示されている点。これは素晴らしい。海外性のプレミアムドッグフードでも割合表示されているものは少なく、ここは高評価できる点です。
イワシは生のイワシでしょうから水分値が多く、ここからタンパク質を確保するのは難しい(生原料は水分の割合多くなるので、当然ですがタンパク質の割合は低くなります)。なので乾燥させた原料、ドライツナタンパクで魚由来のタンパク値を補強している、そんな内容です。
注目すべきは『タンパク質のうち77%が魚由来』と明記されている点です。アンブロシアの良いところは全商品ラインナップで総タンパクのうち何%が動物性由来なのかを明記している。
原料、そしてタンパク質の内訳を割合表示すると誤魔化しが全く出来ません。ここまで公開しているフードは間違いなく良いフード、と思って良いです。
高タンパクでグレインフリー!みたいなフードでも原料を見ればタンパク質は動物性のものでなく、ほとんどが植物性のタンパク源だろ!ってフードは多くあります。植物性タンパク質が悪いとは言いませんが、消化吸収性、アミノ酸バランスを考慮すると動物性タンパク質の方が望ましい。
またさらに加水分解されたサーモンタンパク(3%)を使用。魚自体が消化吸収しやすいタンパク質ですが、加水分解したものまで使用。これも良いですね。タンパク質を加水分解するとペプチド結合が切断されより小さいものに。
つまり既にある程度消化されている、みたな状態になるので消化性がアップします。
タンパク質源については内容・公開している情報量共に抜群に良いですね!
脂質源について
次に脂質源について。このフードだと保証成分は『粗脂肪 16.00%』となり、その主な供給源はサーモンオイル(5%)、それとココナッツオイル(3%)、オリーブオイル(0.5%)、亜麻仁、となります。
主原料が魚で最も配合割合が多い脂質源がサーモンオイル、、、そう、オメガ3の割合がかなり高い配合内容です。亜麻仁も入っていますしね。
実際に【オメガ3脂肪酸 2.4%、オメガ 6脂肪酸 1.4%】と普通はオメガ6の方が割合高いのですが、逆転しています。ここは判断の難しいところ。間食やトッピングを一切しない、って場合はもう少しオメガ6脂肪酸(リノール酸)を摂取した方が良いかと。
オメガ6脂肪酸って大体何にでも含まれており、むしろ過剰に摂取して肥満の原因になったりする事の方が多いのですが、不足すると毛並みが悪くなったり、皮膚にも悪影響だったりと難しい。
脂肪酸について書くと長くなるので興味のある方はこちらの記事を読んでみて下さい。
当サイトではオメガ3、特に魚由来のEPA・DHAが多いことについては評価を下げていません。ただこの内容だと『HMNサーディン&ツナ』のみを与え続けるのではなく、他のものをローテーションさせる方が良いと感じます。
逆に他の『ダッグ』『ターキー』『ラム』について脂質源を見るとEPA・DHAについてはちょっと弱い。特にアレルギーがなければ、ですがダッグ→魚→ターキー→魚→ラム→魚→ダッグ・・・・
こんな感じでローテーションの間に『HMNサーディン&ツナ』を挟むのがオススメです!
ちなみにココナッツオイルは中鎖脂肪酸(MTC)を多く含むという特徴があり、これは素早く消化・吸収されエネルギーとなるので体脂肪の蓄積を抑える効果あると高品質な海外性プレミアムドッグフードでは採用する事が増えてきていると感じます。
オリーブオイルはオメガ9脂肪酸である『オレイン酸』の割合が多いオイル。必須脂肪酸ではありませんが、酸化しにくく抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンEを含むので少量配合する分には良いと思います。
というか地中海シリーズなので地中海と言えばオリーブ!そこは使っておかないとダメでしょうね!
その他原料および使用原料まとめ
その他で説明しておくべきものは『ドライルツェルン』とありますが、ギリシャでの公式サイト上では『dried lucerne』と記載されており、ルツェルン?これ多分和訳をミスっている気がしますが、『ルサーン』が正しいかと。
アメリカだとAlfalfa(アルファルファ)と呼ばれヨーロッパLucerne(ルサーン)です。アフファルファはドッグフードの原材料表示で見かけた事ある方も多いのではないでしょうか?栄養価が高く特にミネラルが豊富。他のドッグフードでも使われているものなので安心して下さい。
またプロバイオティクス、プレバイオティクスにも考慮されていますし、使用原料全体として見ても非常に高レベルな配合内容。そして公開している情報量も多く、高評価できる内容と言えます。
当サイトとしても十分オススメできるフードです。
→Yahooショッピングでアンブロシアトラディション を見てみる
アンブロシアドッグフードの実物を画像で紹介!
アンブロシア HMNサーディン&ツナを入手しましたので実物を画像で紹介しておきます。
比較対象としてブラバンソンヌの『オーシャンフィッシュ小型犬用』で。本当は依頼者さんの与えている大型犬用が良かったのですが、持っていませんでした・・・すみません。
こんな感じでアンブロシアは7mm前後と結構小さい。サイズ的には小型犬向きです。ブラバンソンヌの小型犬用よりも小さいですね。
製造方法はエクストルーダーでの製造で間違いありません。その特徴を知りたい方はこちらの記事を
海外現地では大型犬用も販売しているようですが、現時点ではこのサイズと思えば良さそうですね。大型犬でも小さい粒を問題なく噛んで食べる事もあるでしょうが、ここは個体差があるので何とも。
アンブロシアドッグフードの価格について|コスパは良いフードか??
では価格について。価格は楽天で販売されているものを参考にしました。『ダッグ』『ターキー』『ラム』『サーディン&ツナ』どれも単価自体は変わらなそうです。
アンブロシアドッグフード | 価格(税込) | kg単価 |
100g | 495円+送料650円=1,145円 | 11,450円/kg |
1.5kg | 5,390円 | 3,593円/kg |
5kg | 15,620円 | 3,124円/kg |
12kg | 30,690円 | 2,558円/kg |
まあまあ高めの価格設定。12kgの単価だと魅力を感じますが、3,000円/kgを超えてくるとなるとちょっとコスパ悪いな、と感じます。
ちなみにブラバンソンヌのオーシャンフィッシュ大型犬用は最大容量10kg、定期便割引適用で13,860円/10kg、kg単価だと1,386円/kgなのでかなり違ってきます。ブラバンソンヌってあの品質で良心的な価格設定なのも魅了。まあ成分値が違うので価格だけでは比較できませんけどね。
品質は良いがコスパはやや悪め。小型犬なら妥協できなくもないが、中・大型犬になるとちょっと悩ましい価格帯。そもそもが現在販売されているものが小型犬向けのものなのでそこも引っかかる。こんな感じの印象です。
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アンブロシアドッグフードの評価まとめ|日本のOEMはこういうのを真似すべき!
さて今回はギリシャ発、オランダ産のプレミアムドッグフード『アンブロシア』を紹介してみました。
ちょっと高いけど良いフードですね!海外ってOEMでもこのような魅力あるフードがある。ここが凄い。国産のOEMは『なんかドッグフードって儲かるらしいから参入してみよう』こんな思惑しか感じられないフードばっかですからね・・・
日本の販売業者はこういうフードを真似したら良いと思いますよ。独自性がない内容ペラペラなフードが乱立していますが、今は良くてもそのうち限界がくる。国産プレミアムドッグフードで『圧倒的な品質』という面で評価されているフードってまだない。
アンブロシアのようなフードを真似して、国産で素晴らしいフードが出てくる事をドッグフードオタクとしては期待しています。
では今回はこの辺で。こちらに当サイトがオススメするフードをまとめた記事があるので、フード選びに悩んだらこちらも参考にしてみて下さい。