さて今回はドッグフードの闇シリーズ。
みなさん犬種別ドッグフードってどう感じますか?トイプードル専用!!とかそういうやつ。まあはっきり言ってショップの売り場面積を広げるため、そしてターゲットを絞る事によって売れやすくするため、と配合内容とか見ると一体何が専用なのかよく分からない・・・ってパターンが大半なのですが・・・
今回ちょっと面白い、と言うかかなり闇深いUniqueOne(ユニーク・ワン)ってフードを見つけたので紹介しておきます。
販売元は株式会社ブーリアン。ユニークワンについてプレスリリースの内容を抜粋すると・・・
「大切なキミの笑顔と健康を守る”特別なごはん”見つかる。」をコンセプトに作った、大切な愛犬のためのユニークな(唯一の)ドッグフードです。近年、純血種同士をかけ合わせたミックス犬が人気を博し、巷で見かける犬種も多種多様となりました。犬種ごとに気をつけたいポイントは異なるうえ、愛犬それぞれのケアしたいポイントも年齢などにより変わっていきます。
犬の遺伝子研究をもとに犬種ごとで異なる気をつけたい健康ポイントに着目!
人気犬種の組み合わせのミックス犬種マルプー、チワプー、ポメチワ、ダップー、マルチワ、チワックス、ポメプーの7犬種や、トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンドなどの人気犬種からイタリアン・グレーハウンド、ペキニーズ、日本スピッツなどの他社にはない犬種まで全部で 31 犬種のラインナップ!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000074036.html
まさかのMIX犬専用フードまで!?いや、ポメプーとポメラニアンでフード変える必要あるのでしょうか??それよりも性格や運動量の違い、飼育環境などを見て適切なスペックのフードを選んだ方が良いと思うが・・・
で、気になって調べる事にしてみました。すると闇が、いや漆黒の闇が見えてきた訳で・・・
ユニークワンの犬種別ドッグフード|犬種別に何が違うのか調べてみた結果
まずユニークワンで販売されている犬種別フード。犬種によってどんな違いがあるのか調べてみる事に。
我が家には小型犬最速とも言われるイタグレのハッチ君がいます。なので『イタリアングレーハウンド』のフード。比較対象は『トイプードル』にしておきましょう。運動しないイタグレもいますし、やたらと走り回るトイプーもいます。
が、一般的に見てこの両者ではイタグレ:運動量高い。トイプー:さすがにイタグレに比べれば運動量少ない。が成り立つのではないかな、と。
ユニークワン トイ・プードル専用フード | 原産国:日本 容量:800g |
【原材料】 米粉、チキンミール、米糠、乾燥オカラ、ビートパルプ、脱脂米糠、鶏脂、フラクトオリゴ糖、エンドウ豆、甘藷粉末、チキンレバー粉末、ビール酵母、ポテトプロテイン、精製魚油(DHA・EPA源)、植物抽出発酵エキス、イヌリン、ライストコトリエノール、トウモロコシ抽出物(スフィンゴ糖脂質源)、乳酸菌、パン酵母(セレン源)、ポークミール、豚脂、グルコサミン、アミセノン、マリーゴールド抽出物(ルテイン源)、ヘマトコッカス藻色素、ナマズ魚粉、エンドウ豆たん白、牛脂、タピオカ澱粉、菜種・大豆油、酵母エキス、マルトオリゴ糖、サイリウム種皮、クランベリー果汁パウダー、マリアアザミエキスパウダー、ササクレヒトヨタケ粉末、ミネラル類(第二リン酸カルシウム、食塩、塩化カリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸一水素ナトリウム)、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-トリプトファン、L-プロリン、塩酸L-リジン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン)、ビタミン類(E、C、ナイアシン、パントテン酸、B2、イノシトール、A、B1、B6、葉酸、K、ビオチン、D3、コリン、B12) 【保証成分】 粗たんぱく質:26.5%以上 粗灰分:7.2%以下 粗脂質:12.7%以上 水分:10%以下 粗繊維:3.03%以下 356kcal/100g 価格:2,640円(税込) kg単価:3,300円/kg |
はい。まずはトイプー専用フードです。格安ペットフード感がある使用原料。この内容でkg3,300円???となるのは置いておいて、イタグレの方も見ていきましょう。一体何が違うのか??
ユニークワン イタリアン・グレーハウンド専用フード | 原産国:日本 容量:800g |
【原材料】 米粉、チキンミール、米糠、乾燥オカラ、ビートパルプ、脱脂米糠、鶏脂、フラクトオリゴ糖、エンドウ豆、甘藷粉末、チキンレバー粉末、ビール酵母、ポテトプロテイン、グルコサミン、精製魚油(DHA・EPA源)、植物抽出発酵エキス、乳酸菌、パン酵母(セレン源)、マリーゴールド抽出物(ルテイン源)、ヘマトコッカス藻色素、ポークミール、豚脂、ナマズ魚粉、エンドウ豆たん白、牛脂、トウモロコシ抽出物(スフィンゴ糖脂質源)、タピオカ澱粉、ライストコトリエノール、菜種・大豆油、酵母エキス、マルトオリゴ糖、サイリウム種皮、クランベリー果汁パウダー、マリアアザミエキスパウダー、イヌリン、アミセノン、ミネラル類(第二リン酸カルシウム、食塩、塩化カリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸一水素ナトリウム)、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-トリプトファン、L-プロリン、塩酸L-リジン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン)、ビタミン類(E、C、ナイアシン、パントテン酸、B2、イノシトール、A、B1、B6、葉酸、K、ビオチン、D3、コリン、B12) 【保証成分】 粗たんぱく質:26.5%以上 粗灰分:7.2%以下 粗脂質:12.7%以上 水分:10%以下 粗繊維:3.03%以下 356kcal/100g 価格:2,640円(税込) kg単価:3,300円/kg |
はい、これがイタグレ専用フード。混乱しますよね??よく見ると微妙に原材料の記載順が違います。ただドッグフードの原材料表示は使用している原料のうち重い順から記載するルールがあります。
じゃあ同じ重さの原料はどうなる?となると・・・どっちが先にでも良い。これOEMのフードで別物を装おうためによくやる手法。
と言いますか、保証成分が小数点以下まで同じ。
そう、パッケージ違うだけで中身一緒です。31犬種の専用フード!と他にも色々ある訳ですが全部一緒。もしかしたら中型犬と小型犬では粒の大きさの違いはあるかも?ですが、配合内容は全部一緒。
どう思いますか??
かなりエゲツない事していますよね。はっきり言ってパッケージを変える事って消費者にとってメリットありません。パッケージを増やせばそれだけコストが上がる。つまり原価が上がります。
また犬種別フード。私は否定的な意見ですが、もし本当に犬種特性を考えてフードを作りその手間として割高になっている、これなら理解できますが、中身一緒ですからね・・・
そもそも値段高すぎ。こんなの知識ない飼い主さんのパケ買いを狙ってるだけやん・・・とね。
で、ここで新たなる疑問が出てきました。当サイトの記事を読んで頂いている方ならご存知かと思いますが、国産のプレミアムドッグフードってほとんどがOEM(委託生産)です。つまりどこかの工場に製造を委託。それをオリジナルブランドで販売しているだけ。
そのため実は中身同じで名前が違うフードが蔓延しており、値段もバラバラで内容に対して高すぎる事がほとんど。名前が知られているプレミアムドッグフードでOEMではなく自社製造・自社販売でやっているのは『金虎 おさかな』、『ドッグフード工房』、『ワンフー』、『ドットわん』くらいです。
私は毎日のようにドッグフードの原材料表示見ているので、国産のフードに関してはどのフードがどこのOEMか大体分かります。
しかしこのユニークワンに関してはパッと分からなかった。なんかよくあるプレミアムドッグフードではない。配合設計の意図と言うかやり方が飼料寄り。格安ドッグフードな印象がある。
でもこれ国産なんですよ。絶対どこかのOEMではるはず。どこが製造元だ!?と考えていたのですが・・・
分かりました。多分あそこで間違いない。
ユニークワンの犬種別ドッグフードはイースター株式会社のOEMで間違いない
柴専用ドッグフードって見た事ないですか?ペットショップとかホームセンターで売っているフードなんですが、製造・販売している会社はイースター株式会社です。柴専用以外にも『愛情物語』とか『ウェルケア』、最近ペットショップでよく見かけるようになった『プロステージ』ってフードも販売していますね。こんなやつ↓
おそらく、と言うか間違いなくここがユニークワンの製造元です。
これには色々と理由はあるのですが、同じ工場だと当然ですが同じ機械(エクストルーダー)を使用するので形が似ます。あとこのイースターって会社は元々は鮎(あゆ)の飼料を製造していた会社。それがペットフード事業を始めたって感じなのですが・・・
使用原料に『精製魚油』を使用、あと使用原料がミール系が多い。ここが配合設計が飼料っぽい印象を受ける。ユニークワンの使用原料とも似ているし、ビタミンプレミックスが同じ。特徴的な原料として『ナマズミール』があるがこれが共通して使用されている。
ちょっとイースターの製品の使用原料を見てみましょうか。
プロステージ ル・シアン ポーク アダルト | 原産国:日本 容量:1.8kg 6kg |
【原材料】 ポークミール、米粉、米糠、ビートパルプ(プレバイオティクス源)、牛脂、タピオカ澱粉、アルファルファミール、ビール酵母、菜種・大豆油、酵母エキス、精製魚油(DHA・EPA源)、植物抽出発酵エキス、ゼオライト、コラーゲン、アガリクス(β-グルカン源)、ケルプミール、乾燥ローズマリー、HMBカルシウム、殺菌処理乳酸菌、パン酵母(セレン源)、月見草オイル(リノール酸、γ-リノレン酸源)、殺菌処理ビフィズス菌、ミネラル類(第二リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、食塩、硫酸亜鉛、塩化カリウム、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウム)、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-トリプトファン、L-イソロイシン)、ビタミン類(コリン、E、C、ナイアシン、パントテン酸、B2、A、B1、B6、葉酸、K、B12、ビオチン、D3)、香料(バターオイル) 【保証成分】 たんぱく質:24.0%以上 脂質:11.0%以下 粗繊維:3.5%以上 灰分:8.5%以下 水分:10%以下 350kcal以上/100g |
ユニークワンと似ている、って感じられるでしょうか?原料の表記の仕方とか、米粉を主な炭水化物源として使う感じ、配合設計の仕方が非常に似ている。
いや、これを知ってだから何なんだ・・・って話なのですが、『犬種専用』ってワードに惹かれてユニーク・ワンを検討している人がいるとします。
それで評判とか口コミがどうなっているかな?と調べてみる。この記事を見つける。多分ここまで読んだら買わない。
はっきり言ってユニークワンってメリット何もない。3,300円/kgですよ!?そんな無駄金払うなら適正価格のフード買って差額で愛犬と旅行でも行って下さい。
ユニークワンは批判しています。イースターを批判している訳ではない
さて今回はユニークワンについて紹介してみました。
これの非常にタチの悪い事は、内容が格安ドッグフードの使用原料であり原価はどう考えても安い。それにも関わらず犬種別とプレミアム感を出しているが中身は一緒。その価格はというと3,300円/kgというふざけた単価。
私ね、格安ペットフード自体を批判している訳じゃないんですよ。イースターは格安ペットフードを販売していますが、その内容に合った値段で販売している。ここは飼い主の価値観の話で高いフードが善、安いフードが悪って話ではない。あとOEMを受けている。これは仕方ない。
ペットフード製造業者も慈善事業じゃないので儲ける必要があります。工場に余力があれば他社製品を製造するのは有効な手段。工場って製造すれば製造するほど固定費が薄まります。なので自社商品の原価も下がる。これは別に悪い事じゃない。
ただOEMのフードを販売している業者ね・・・プライドないんか!?ってのが多すぎるんですよ。
売れれば良い。ホームページで平気で嘘書く。誇大な表現。薬機法上よくない表現。どう考えても適正価格を逸脱した値段設定。とかね。
このユニークワンってのは特にタチが悪いな、と取り上げさせて頂きました。
こんなのが増えれば国産ドッグフードの品質が上がるはずがない。私は結構本気で国産プレミアムドッグフードの品質が上がっていく事を祈っています。多くの飼い主さんがこういう事実を知れば変なフードは買わなくなる。
そうなれば良いフードじゃなければ高く売れなくなる。
当サイトは海外製のドッグフードをオススメする率が高いですが、本当は国産のフードをオススメしたい。が、オススメできるフードが少なすぎる。弱小個人ブログではありますが、こういう記事を書き続ける事で少しでも国産フードの品質向上になれば、と思いながら記事書いています。
最近ではありがたい事に読者さんも増え、応援してくれるコメント、SNSでフォロー、参考になったとDM頂く事も増えてきました。ありがとうございます!!
当サイトでは主にInstagramでドッグフードに関するお悩み相談を実施しています。何かあればお気軽にメッセージ下さい。もちろん料金とか一切頂いておりませんので!
では今回はこの辺で。こちらに当サイトで評価の高かったフードをまとめたランキング記事を作成しています。フード選びに迷ったらこちらもぜひ参考にしてみて下さい。