ドッグフード評価記事

オーシャンハーベストという国産ドッグフードを評価|コンセプトは良いが・・・

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※当サイトではアフィリエイト広告を利用している場合があります。

 

ドッグフードにおける広告についてこちらの記事で説明しておりますので、良かったら読んでみて下さい。

ドッグフード評価サイトにも『ステマ規制』!当サイトの広告について改めて説明しておきます!

 

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今回紹介するドッグフードは国産の『オーシャンハーベスト』というフードですが、このフードが開発された背景はちょっと変わっており、立命館大学のグラスルーツ・イノベーションプログラムからスタートし、2024年2月に立命館大学発スタートアップ企業としてオーシャンリペア株式会社という法人設立。そこが販売しているフード。

この『グラスルーツ・イノベーションプログラム』とやらが何か立命館大学のホームページを見てみるとこのように書いていました。

グラスルーツ・イノベーションとは、社会共生価値の創造に向けてビジョンを共有する内外の関係者が、課題解決を必要とする地域・場所に赴き、その場で知の循環を図りながら研究成果を実装し、システムとして根付かせる「草の根型」の研究・地域連携の実践を意味しています。

https://www.ritsumei.ac.jp/research/activities/activity/grip/

要するに地域の問題解決しよう!って事ですね。で、このオーシャンハーベストが何の問題を解決しようとしているかと言うと海の環境問題『磯焼け』であり、磯焼けの原因の一つとされる食害魚「イスズミ」「アイゴ」をドッグフードの原料にする。そんなコンセプトです。

また福岡市が実施しているソーシャルスタートアップ成長支援事業の認定企業にも選ばれています。

ソーシャルスタートアップ成長支援事業:ふるさと納税の寄付金を原資としてスタートアップ企業を支援する、そんなプロジェクト。

福岡市ふるさと納税特設サイト

さらにはクラウドファンディングを実施し目標金額150万に対して172万の支援を集め達成。

ここまで読んでみて何か面白そうじゃないか!?って感じた方も多いのではないでしょうか??とても順調そうな印象を受けますよね。

私も磯焼けを問題を解決する、そのために原因の1つとされ、また人間の食用としては未利用魚である「イスズミ」「アイゴ」を原料として使う。これは面白いと感じます。

ですがでは実際に売れるのか?となると正直かなり厳しいと感じます

オーシャンリペア公式サイト

オーシャンハーベストで解決しようとしている『磯焼け』とはどういうものか?

冒頭に軽く説明しましたが、オーシャンリペア株式会社が目指す『磯焼け』を食い止める。この『磯焼け』とは何なのか?オーシャンハーベストを理解するためもう少し詳しく説明しておきます。

磯焼けとはウニや魚が海藻食べ尽くし、藻場(もば)が焼け野原のようになってしまう事。海の砂漠化とも言われます

磯焼けが拡大するとアワビやサザエの漁獲量減など漁業への被害。また藻場は多くの生物の住処・産卵場でもありますし、海藻って実はCO₂吸収量が非常に高く、藻場を守り、そして甦らせることが地球温暖化対策として有効な手段として注目されています。

環境省【ecojin ワカメやコンブがCO2を減らす?】

そこで海藻をよく食べるイスズミ、アイゴをドッグフードの原料にしてしまおう!それがオーシャンリペア株式会社のやっている事。

イスズミ・アイゴって魚は磯釣りやっている方ならお馴染みの魚ではありますが、一般的にはどうでしょうかね?あまり知られていないと思います。この魚達はですね・・・不味いと言うか臭い。独特な磯臭さがあって人間の食用としては全く人気ない。

アイゴは和歌山県だと酒粕を餌に釣る、というご当地釣法みたいなのがあって食材としても人気なんですが、全国的にはやっぱり不人気

つまり市場価値は全くない。ただタンパク質源としては優秀ですし、ドッグフードの原料として有効活用できれば今まで捨てるしかなかった魚の価値が向上。未利用魚の有効活用ってやつです。

オーシャンリペア株式会社がYouTubeに公開しているPR動画がありましたので紹介しておきます。動画後半に原料を加工している様子、工場内の映像があるので中々面白い動画ですよ。

どうでも良い話ですが、私は今でこそ犬まみれな生活していますが、昔は魚まみれの生活していまして。大学生の頃は全国学生釣り選手権で磯釣り部門2位、という凄いのか凄くないのかよく分からない実績ありますし、仕事も魚系でしたので、こういうの好き。

なんですが・・・いやこれどうだろう??

こういうストーリ性は良いとして、ドッグフードとして見た場合・・・色々と疑問点が出てくる訳です。

オーシャンハーベスト最大の問題は『価格』、OEMだから高いのは当然だが、それにしても高すぎる!

オーシャンハーベストドッグフードで1番の問題点は価格。内容量500gなのですが税込価格が3,500円。つまりkg単価だと7,000円/kg。これは流石に高すぎる。

定期購入すれば多少は安くなりますが、それにしても高いですね!

例えばペットショップで販売されている比較的商品名が知られているフードでこれは内容非常に良いけど、値段も高いな!って感じるフードだと容量によって単価は違いますが、エンパイア、オリジンで4,000円/kgくらい。N&Dで3,600円/kg・・・

高いものでも4,000円/kgくらい。そう考えた時に7,000円/kgは受け入れられる価格帯から逸脱していると感じます。

じゃあこの価格に見合う内容なのか?使用原料および保証成分を見て見ましょう。

オーシャンハーベスト (オールステージ総合栄養食)

【使用原料】
魚介類(イスズミ、アイゴ、タラ)、大麦、玄米、鰹節、ビール酵母、大豆、米油、大麦ぬか、卵黄粉末、昆布、セレン酵母、L-トレオニン、ミネラル類(リン酸三カルシウム、卵殻未焼成カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グルコン酸亜鉛、ピロリン酸第二鉄、グルコン酸銅)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB12、パントテン酸カルシウム)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)

【保証成分】
タンパク質:21.6%以上、脂質:8.6%、粗繊維:1.5%、灰分:6.7%以下、水分:10%以下

代謝エネルギー:342kcal/100g

この使用原料・・・慣れている人なら見たらすぐ分かりますが、アニマル・ワンのOEMです。

オーシャンハーベストを販売するオーシャンリペア株式会社は創業が2024年2月。資本金は300万円のベンチャー企業。当然ですがドッグフードを製造する工場は持っていませんので、どこかに製造を委託する事になります。

福岡の会社なので立地的にも、アニマル・ワンになるのは自然な流れでしょうね。アニマル・ワンは福岡の会社でOEMを広く受けている会社なので。

OEMとは?

OEMとは簡単に言えば『委託製造』の事。国産のプレミアムドッグフードってほとんどがOEMです。OEMについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみて下さい。

オススメ国産プレミアムドッグフードの自社工場製品!つまりOEMではないフード

アニマル・ワンのOEMは山ほどありますが、その中でも価格が高いもので『POM POM DELI(ポンポンデリ)』ってフードがあります。これでも内容量800gに対して定価が4,830円(税込)、kg単価だと6,038円/kg。まさかこれより高いOEMが出てくるとは!多分記録更新ですね!

私このオーシャンハーベストの原材料表示を見たときに『うまか』ってフードを連想しました。

『うまか』もアニマル・ワンのOEMなんですが、販売元はトリセンダイニング株式会社という福岡で水炊きの飲食店を展開する企業。そこで使っているブランド鶏『華味鳥』をドッグフードに使用している!が売り文句ですが・・・

使用原料・保証成分を見てみましょう。

うまか

【使用原料】
鶏肉、玄米、大麦、かつお節、大豆、ビール酵母、チキンエキス、米油、卵黄粉末、発酵調味液、フラクトオリゴ糖、りんご、にんじん、かぼちゃ、昆布、しいたけ、コンドロイチン、セレン酵母、しょうが、ビフィズス菌、グルコサミン、L-トレオニン、ミネラル類(牛骨カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、グルコン酸亜鉛、ピロリン酸第二鉄、グルコン酸銅)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB12、パントテン酸カルシウム)

【保証成分】
タンパク質:21.4%以上、脂質:9.5%、粗繊維:0.8%、灰分:6.8%以下、水分:10%以下

代謝エネルギー:350kcal/100g

主原料が違うだけでほとんど一緒でしょ?

これがOEMの原料持ち込みパターンですね。OEM工場に製造委託料を支払えば丸投げでも自社ブランドのドッグフードって作る事はできますが、同じようなものばかりだと売れない。他とは差別化する必要があります。

全く差別化すらせず高額なアフィリエイト広告でネットでの露出を高めているフードも多いですが、やっぱり差別化するのは有効な手段。

やっている事は『うまか』と一緒ですね。持ち込んでいる原料がブランド鶏なのか海藻食っている魚かの違い。

で、これ内容的にどうなの??って話ですが、白身魚を主体とするフードは国産だと少ないのでそれは良いと思いますが、これ原料がミンチにした生の状態ですからね。ほとんど水分なのでそこからのタンパク質はそこまで期待できません。

原材料表示の一番最初、つまり第一原料として記載されていますが、水分多いので重い。第一原料にしやすいだけで、実質の栄養素として見た場合、そこまで多くはない。

おまけに大麦、玄米、大豆、大麦ぬか、とタンパク含有量がそこそこ多い植物性原料が使用されており、ここからのタンパク質供給もかなり多い。

悪いフードとまでは言いませんが、7,000円/kgは高すぎます。

ちなみにアニマル・ワン系のOEMは全部同じような構成で無駄に高いですね。オーシャンハーベストがぶっ飛んで高い、ってだけで他がコスパ良いって話ではないです。

オーシャンハーベスト|期待していただけに惜しい!もっと独自性を高めて欲しかった!

さて、今回は国産プレミアムドッグフード、『オーシャンハーベスト』について紹介してみました。

実はこのフードは読者様からのリクエスト頂いたので記事書きました。が、前に何かのプレスリリースで見た記憶がある。すっかり忘れてて読者様から頂いたコメントでそんなフードあったな!!と思い出した感じですね・・・笑

このように当サイトでは記事のリクエスト受けていますので、良かったらコメント欄、SNS、公式LINE、何でも良いのでメッセージお待ちしております。

でね、このオーシャンハーベスト。私の感覚的には旅行に行って道の駅で変わったフードを見つける。おお、こんなフードがあるのか。高いけどまあ思い出とネタに。って感じのフードですね。普段与えるフードじゃない。値段的に。

私も魚業界にいましたので原価が思った以上に高くなる、ってのは理解できます。

未利用魚なので元々は原価ゼロじゃないか・・・って思う人もいるでしょうが、こういうのって管理・下処理にやたらと手間が掛かるし、当然ながら物流費も必要。あれ?思ったより高くなった・・・ってのはあるあるなんですよ。

おまけにOEMですからね。

ただ販売するのであれば市場に受け入れられる価格帯じゃないと意味がない。そして相場から逸脱した価格で売るなら消費者が納得する理由が必要

例えば国産にありがちな成分表示の情報量の少なさ。ここを誰もが納得できる情報量を公開するとか、公式サイトでは低タンパク・低脂質をやたらとアピールしているが、それはそれで良いが、さらに踏み込んで、保証成分値上のタンパク質を可能な限りアイゴ・イスズミを供給源にする、とかいくらでもやりようはある。

この程度じゃコンセプトは立派だけど、ドッグフードの事よく分かっていないので、OEM工場に提案されるがまま商品作った。

程度にしか感じられない。なんか凄く惜しい。

と、読者様からのコメントにもあるように国産で魚のフードであれば『金虎 おさかな 』で良いと思います。

金虎の『おさかな』配合設計のプロが徹底評価!国産で魚主体のドッグフードならコレが良い!

では今回はここまで。こちらに当サイトで評価の高かったフードをまとめていますので、フード選びに迷ったらこちらも参考にして頂けると嬉しいです!

ドッグフードおすすめランキング表|6項目で公平な評価をしています

当サイトでは主にドライフードに関する記事を書いていますが、こちら1記事だけオヤツに関しての記事書きました。

アレルギーを除き全てのワンコにオススメ。特に肉系のオヤツ を与えている方はぜひ魚系も取り入れてやって下さい!

金虎はおさかなドッグフードだけじゃない!オヤツもオススメな理由

金虎公式ショップ

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