当サイトではInstagram、Twitter、あとはブログのコメント欄などでドッグフードに関するお悩み相談を受けています。
そこで様々な飼い主さんの悩みを聞きましたが、そんな中でも特に多い悩みは何か?ドッグフードのタンパク質・脂質を制限したいって飼い主さんなんですよね。
例えば愛犬の血液検査で肝臓の数値が良くなかったのでタンパクをできるだけ抑えたい。お腹が弱く高脂質なものは下痢になるので低脂質のものを与えたい。など。
なぜ悩むか??理由はドッグフードの選択肢が少なくなるからです。海外製プレミアムドッグフードだと品質の良いものは高タンパクになる傾向がありこれはダメ。では国産のものとなると品質的に怪しい。
獣医さんに相談してもロイヤルカナンかヒルズを勧められるが、食べない。
一体どうしたら良いの??
このようにフード難民になってしまう。
健康で特にアレルギーなければ色々と試して合うものを探せば良いですが・・・試そうにも求めている成分値のものがないので困る。
同じような悩みの飼い主さんが多いので、低タンパク・低脂質で品質の良いフードをまとめておけば役に立つのでは?そう思いこの記事を書いています。良かったら参考にしてみて下さい。
獣医さんが療法食としてロイヤルカナン・ヒルズを勧めている理由
フードを紹介する前にこの手の問題を獣医さんに相談すると高確率でロイヤルカナンかヒルズを勧めてきます。
これって何故だかわかりますか??
研究機関があり信頼性があるから・・・ってのは表向きの理由で、基本的に獣医さんってドッグフードにあまり興味ありません・・・笑
もちろん例外はありますけどね。
獣医さんも慈善事業じゃないので儲けないといけません。動物病院での売り上げに対するフードの割合って微々たるもの。しかも在庫を持たないといけないし場所も取る。フード売るより病気治したりワクチン打っている方が儲かるんですよ。
で、ドックフードには無数の種類がある。そんなの勉強している暇があるなら病気の治し方を勉強する方が良い。
もちろん一般の人よりは情報も入りやすいし、当然ですが知識もある。ですが、効率良く事業を行うのであればフードに費やす時間は最小限の方が良い。これが事実です。
私は飼料会社で働いていましたが、飼料会社って動物に投薬する関係で獣医が必ず在籍しています。つまり獣医と一緒に働いていたので良くわかりますが・・・びっくりするほど栄養学について興味ありませんからね・・・笑
で、ロイヤルカナンとヒルズは病院に営業しにきますし、情報提供してくれるので関係性もある。あと何かあった時の訴訟が面倒なので実績のあるロイヤルカナンかヒルズを勧める事がリスクが少ない・・・こうなる訳ですよ。
当サイトとしてもロイヤルカナンやヒルズ否定する訳じゃありません。特に療法食としては意味がある。ただ問題は食べない事が多い。
例えばロイヤルカナンの療法食で結構売れている『消化器サポート・低脂肪ドライ』ってフードがあります。これね↓
原料表と成分値はこちら
米、肉類(鶏、七面鳥)、小麦、大麦、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、動物性油脂、酵母および酵母エキス、魚油(EPA/DHA源)、サイリウム、フラクトオリゴ糖、加水分解酵母(マンナンオリゴ糖源)、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(タウリン、DL-メチオニン、L-リジン)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、ゼオライト、ミネラル類(Cl、Na、Ca、K、P、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、D3、コリン、E、C、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、B6、B1、B2、ビオチン、葉酸、B12)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)
たんぱく質:20.0%以上、脂質:5%以上、粗繊維:2.8%以下、灰分:6.6%以下、水分10.5%以下
理解できますよ。米が主体。肉類も水分が多く含まれる生肉ですので、ドッグフードとなった時にはほとんどの水分が飛んでいる。つまりは米、小麦、大麦がほとんどのフード。ただエクストルーダー(ドッグフードを作る機械)の特性でデンプン質はα化するので消化はしやすい。
しかしそれじゃタンパク源としてはちょっとアレなので消化しやすい加水分解タンパクを配合。あとは腸内環境を良くする乳酸菌などプロバイオティクス系を添加。
理にかなっていると思います。でもワンコって肉や魚が大好きじゃないですか??あまり美味しそうな配合設計ではないですよね・・・
愛犬が何でも食べるタイプなら良いですが、食べない事も結構多い。だから悩んでいる飼い主さんも多い、って事です。
という訳で今回は低タンパク・低脂質でありながら品質の良いフードをまとめておきます。
低タンパク・低脂質で品質の良いドッグフード一覧
HAPPY DOGのVETシリーズ(療法食)はチェックしておくべき
HAPPY DOGはドイツで実績のあるメーカーで非常に良いフードを作っているメーカー。ここ療法食のラインナップが豊富なのでぜひチェックしておいて下さい。
例えば消化器ケア用のフードは粗脂肪が6.9%とかなり低く抑えられていますし、肝臓ケアはタンパク値19.5%と低い設定でありながら消化性の高いタンパク質を使用。アンモニアの発生を抑え肝臓への負担を軽減しています。腎臓ケアはタンパク値16%、粗脂肪16%とかなり抑えた設計ですが、嗜好性を保つよう動物性タンパク源の工夫がされています。
HAPPY DOGって普通のフードもかなり高品質な原料を使っています。当然ですが療法食にも同じく品質の良い動物タンパク源を使用しているので療法食にありがちな嗜好性の低下を軽減できる、ってのが嬉しい。
参考までに『腎臓ケア』の原料表示を紹介しておくと・・・
腎臓ケア
コーン、米粉、ポテトフレーク、ポルトリー脂肪、グリーブス(脱脂ハラミ肉8%)、サーモンミール(4%)、乾燥全卵(2%)、キャロット*、加水分解レバー、ひまわり油、塩化カリウム、菜種油、炭酸カルシウム、サッカロマイセス・セレビシエ*、塩化ナトリウム、海藻*、亜麻仁(0.15%)、緑イ貝*(0.04%)、ミルクシスルシード、イースト抽出物*、アーティチョーク、タンポポ(0.015%)、ショウガ、カンバ葉(0.015%)、ネトル、カモミール、コリアンダー、ローズマリー、セージ、リコリス根、タイム(乾燥ハーブ合計0.16%)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビオチン、Dパントテン酸カルシウム、ナイアシン、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、コリン)、ミネラル類(鉄、銅、亜鉛、マンガン、ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、必須アミノ酸(L-トリプトファン)、天然由来トコフェロール(酸化防止剤として)(*乾燥)
粗タンパク質 - 16.0 %以上、粗脂肪 - 16.0 %以上、粗灰分 - 4.0 %以下、粗繊維 - 2.0 %以下、水分 - 9.0 %以下
オメガ6脂肪酸 - 4.0 %、オメガ3脂肪酸 - 0.4 %
ここまで抑えた数値になると当然ですがに栗より植物性原料が最初に記載されます。それは仕方ない。タンパクを抑えるのが目的ですからね。動物性タンパク源の配合比率とかもしっかり記載されているし、使用原料に療法食であるが美味しく食べて欲しい!!って気持ちが感じられる事ないですか??
価格もロイヤルカナンよりちょっとだけ高いくらい。タンパクや脂質、カロリーなど何か抑えたい。そんなフードを探しているならHAPPY DOGのVET(療法食)シリーズオススメです!公式サイトにはもっと詳細に成分値記載されていますので、愛犬の状態に合いそうなフードをぜひ探してあげて下さい。
ハッピードッグの療法食ではない普通のフードについてはこちらにて詳しく解説しています。
ペロリコドッグフード (326.9kcal、タンパク質:22.5%、脂質8.0%、)
ペロリコドッグフードはアフィリエイト系フードですのでやや割高な気もしますが、低カロリーで低脂質、タンパク質は抑え目でありがなら品質の良い原料・・・となるとかなり選択肢がなくなりますので、知っておいて損はないと思います。
ちなみにペロリコって販売元はあの『モグワン』を販売しているレティアンです。レティシアン系統のフードって広告が強すぎるのがちょっと・・・って思いますが、内容自体は結構良い。ペロリコも悪くないですよ。
アフィリエイトって言葉を知らない人はこちらの記事を読んでみて下さいね
ナチュラルハーベストメンテナンススモール(タンパク質:18〜22%、脂質:8%)
真空パック包装が特徴的なナチュラルハーベスト、原産国はアメリカ。これのメンテナンススモールというシリーズも低タンパク・低脂質でありながら高品質なフードです。
ラム、ターキー、フィッシュの3種類あり、どれもタンパク値は18%、脂質は8%程度に抑えられています。3種類をローテーションするのも良いかと思います。
価格も2,000円/kgくらいなのでロイヤルカナンの療法食よりもちょっと安いくらい。コスパは良いかと思います。
需要の少ないフードは急な生産中止や欠品がある!これの対策をしておこう!!
今のところオススメできるのは上記紹介した3つのドッグフードくらいですかね。もちろん他にもあるにはありますが、安定供給って面で不安があります。
いきなりですが問題です。
全く同じ原料を使用してドッグフードを1トン製造するのと10トン製造するの・・・どっちの方が原価安くなるでしょうか??
同じ原料を使用しているから原価は同じ・・・と思った方。惜しい。
正解は10トン製造した方が確実に原価安くなります。理由はドッグフードって造粒(粒にする工程)の時に安定した粒になるまで時間が掛かります。安定するまでに発生するものはロスになるんですよね。(このロスを半製品と呼んだりします)
これは1トン作ろうが10トン作ろうが同じ量のロスが発生する。つまり一気に大量に作った方が原価は安い。
今回紹介したような低タンパク・低脂質のフードって通常のものと比べると需要が少ない。なので一回の製造ロットが少なくなる=原価も高くなります。
原価が高いだけ良いですが、あまりにも採算が悪いと判断されたら欠品はもちろん最悪の場合、生産中止になる。同じような配合設計・成分値のものって少ないので代替品がすぐに見つからない。これはあるあるです。
という訳で今回紹介した3つのフードは比較的安定供給してくれるであろう商品を選んでいます。
もし今満足しているフードがあったとしても、それがニッチなブランドのものなら急な欠品・生産中止に備えて他にも探しておくのをオススメしますよ!
では今回はこのくらいで。今のところ3つですが、他にも良さそうなものあれば追記しておきますね。